出雲大社の西方にある海岸で、国譲り神話や国引き神話ゆかりのパワースポットとして知られています。
弁天島という小さな島があり、岩上には豊玉毘古命を祀る小さな祠があります。白い砂浜は南へ向かって美しい弧を描いて長く伸び、日本の渚百選にも選ばれています。また弁天島をシルエットに夕日が沈む風景は、「日が沈む聖地出雲」のシンボルとして日本遺産にも登録されているそうです。遠浅で夏は海水浴場として賑わうそうですが、9月の下旬ともなれば、さすがに誰もいませんでした。『記紀』の国譲り神話では、大国主神が高天原から派遣された武甕槌神(たけみかづちのかみ)と国譲りの交渉をしたという場所です。
『出雲国風土記』では、国引き神話の綱に見立てています。またこの浜は、旧暦10月10日に全国の八百万の神々をお迎えする、神迎神事の浜でもあります。
出雲大社のお詣りする前に稲佐の浜の砂を採取して、出雲大社境内の奥にある「素鵞社」(そがのやしろ)で、採取した砂と交換するとよいそうです。