Financial Independence, Retire Early
Muroi Universal Research and Operating of Investment
米国株投資

【20250805】US stock market investments

S&P500 ヒートマップ(高解像度)
  • ETN(Eaton Corp. -7.36%)
    産業用電気機器大手のイートンは、第2四半期決算で売上は堅調だったものの、粗利益率の見通しが市場予想を下回り、大幅安となりました。
  • COIN(Coinbase -6.34%)
    暗号資産取引所のコインベースは、仮想通貨市場の取引量減少が継続しているとの懸念が広がり、投資家の売りが加速しました。
  • PLTR(Palantir Technologies +7.85%)
    パランティアはAI需要の高まりを背景に好決算を発表。ガイダンスの上方修正もあり、急騰しました。
主要3指数とドル円の動き
  • S&P500(終値:6,299.19|前日比:-30.75|-0.49%)
    8月5日のS&P500は下落して取引を終えました。米7月のISM非製造業景況指数が市場予想を下回ったことにより、景気減速への懸念が強まりました。長期金利の低下はハイテク株の支援材料となりましたが、全体としては売りが優勢となり、終値は6,300を下回りました。
  • ダウ平均(終値:44,111.74|前日比:-61.90|-0.14%)
    ダウ平均は小幅に下落しました。米経済指標の弱さを受けて長期金利が低下し、金融株や工業株に売りが出ました。一方で、ディフェンシブ銘柄や一部のエネルギー株が底堅く推移し、指数全体の下落幅は限定的でした。方向感に欠ける展開となりました。
  • NASDAQ総合(終値:20,916.55|前日比:-137.03|-0.65%)
    NASDAQ総合指数は3指数の中で最も大きく下落しました。米ISM非製造業指数が予想を下回ったことや、ハイテク株の一角に利益確定売りが出たことが要因です。特にAI関連や半導体関連の銘柄に売りが集まり、指数を押し下げました。
  • ドル円
    ドル円は一時147.83円まで上昇しました。米6月の貿易赤字縮小や、7月のサービス業PMI改定値が予想を上回ったことで、金利上昇を背景にドル買いが優勢となりました。ただし、ISM非製造業指数が予想外に低下したことから米金利が反落し、ドル円も147.30円まで反落して引けました。
セクター別騰落率
  • Basic Materialsが+1.3%と最も大きく上昇しました。資源価格の上昇や金属関連銘柄への買いが支援材料となり、景気敏感セクターとしての強さを示しました。特にリチウムや銅関連に資金が集まりました。
  • その他のセクターは、上昇したものでも「Energy(+0.46%)」「Real Estate(+0.44%)」程度の小幅な動きにとどまりました。一方で、「Technology(-0.95%)」「Communication Services(-0.87%)」「Utilities(-0.86%)」は下落が目立ち、特に大型テック銘柄の軟調さが全体の足を引っ張りました。

主なETFの動き

8月5日の米国ETF市場では、主要な株式ETF(VOO、SPY、IVV、QQQなど)が軒並み0.4〜0.8%下落しました。特にグロース株中心のVUGは▲0.86%と大きく下げ、金利低下にも関わらずハイテク株への売りが目立ちました。一方で、VEAやVTV、BNDなどのディフェンシブ性のあるETFは小幅ながらプラス圏で推移しました。全体としてはリスク回避の動きが優勢でした。

経済指標発表 結果
  • ISM非製造業景況指数(7月)
    結果は50.1と、前月の51.1から低下し、市場予想の52.0も下回りました。景気の拡大・縮小の分かれ目である50ギリギリとなり、サービス業の成長鈍化が懸念されています。この結果を受けて長期金利は低下に転じ、株式市場ではリスク回避の動きが強まりました。特にハイテク株を中心に売りが出ました。
  • サービス業購買担当者景気指数(PMI改定値・7月)
    結果は55.7と、速報値54.8および予想値54.6を上回りました。サービス業の活動が堅調に推移していることを示し、米経済の底堅さを示唆する内容となりました。一時的にドル買いが強まる要因となりましたが、後述のISM指数の弱さが相殺する形となりました。
  • 貿易収支(6月)
    赤字額は▲602億ドルと、市場予想の▲626億ドルよりやや良好な結果でした。輸出は前月比減少したものの、輸入の減少幅の方が大きく、全体としては赤字が縮小しました。この結果は米GDPへのプラス要因とされ、好感される材料となりましたが、当日の相場全体への影響は限定的でした。
  • アトランタ連銀GDPNow(第3四半期予測)
    最新の予測値は+2.5%と、前回の+2.1%から上方修正されました。これは同日に発表された貿易統計やISM非製造業データなどを受けて改定されたもので、米経済の底堅さを示す指標として注目されます。ただし、市場全体の反応は限定的で、インフレ懸念や景気後退の綱引きに揺れる状況です。
  • 52週物・3年物国債入札結果
    52週物利回りは3.760%(前回:3.925%)、3年物は3.669%(前回:3.891%)と、いずれも低下しました。これにより、市場は短期的な利下げ観測をやや織り込みつつあることが読み取れます。金利低下は株式市場の支援材料となりますが、当日はISMの悪化が優勢でした。
主な決算発表結果
  • AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイセズ)
    EPSは0.48ドルで市場予想通り、売上高は76.9億ドルで予想(74.1億ドル)を上回りました。AI向けチップの成長が牽引した一方で、従来のPC・ゲーム向け部門は引き続き低調。全体としては好感される内容でしたが、市場の高い期待水準に対して株価反応は限定的でした。
  • CAT(キャタピラー)
    EPSは4.72ドルと予想4.69ドルを上回り、売上高も166.8億ドルで予想を上回る結果となりました。インフラ需要の堅調さや価格転嫁の効果が収益を押し上げ、利益率の改善も見られました。ただし、設備投資の減速を懸念する声もあり、株価の上値は重くなりました。
  • AMGN(アムジェン)
    EPSは6.02ドルで予想(5.26ドル)を大きく上回り、売上高も89.2億ドルと好調でした。主力のがん治療薬「エンブレル」や骨粗しょう症薬「プロリア」の販売が堅調に推移しました。研究開発費の増加を吸収できるだけの営業力が評価され、好決算とされました。
  • PFE(ファイザー)
    EPSは0.78ドルで予想(0.57ドル)を上回り、売上高も147億ドルで予想(134.7億ドル)超え。COVID関連薬品の売上減が続く中で、がん領域やワクチン、新製品群が下支えしました。利益率改善も評価される一方、成長戦略の具体性に対しては市場からの注視が続いています。
  • ETN(イートン)
    EPSは2.95ドルと予想(2.93ドル)をやや上回りましたが、決算発表後に株価は急落(-7%超)。売上は70.3億ドルと予想通りながら、今後の利益率ガイダンスが市場の期待を下回り、失望売りにつながりました。産業機器全般の需要鈍化懸念が背景にあります。
主な経済ニュース
  • 複数のFRB理事がハト派的な発言を行ったことで、市場では9月の利下げ期待が高まり、2年債利回りが急低下しました。これは債券と株式の「分裂」傾向を強め、特に短期金利の下落が顕著となっています。金利曲線のスティープ化は景気減速懸念の反映とも解釈され、投資家心理に波紋を広げました。Reuters
  • HSBCはAIブームと米国の政策不確実性緩和を背景に、年末のS&P500目標を従来の5,600から6,400へ引き上げ、さらに最良ケースで7,000までの上昇余地を指摘しています。ただし2025後半の景気減速と利下げが必要条件となる見通しです。Reuters
  • AI・テック関連銘柄が再評価されており、Palantirが強い決算とAI・防衛分野での契約拡大に伴い、株価が約6%上昇、時価総額が3,630億ドル超に達しました。一方、Nvidiaは記録的な時価総額を達成したものの、直近は利上げ懸念や地政学リスクで調整局面入りの兆しです。Investors.com
  • 市場は米国の新たな半導体・医薬品に対する高関税措置に注目しています。最大で250%の関税引き上げも示唆され、スイスやEUが交渉に乗り出すなど、世界的な貿易摩擦リスクが拡大しています。企業収益やサプライチェーンへの影響も懸念されています。WSJ
  • Wall StreetではAI投資や決算好結果が支えとなる一方、トランプ政権の関税政策や景気不透明感により、投資家信頼感が揺らぎつつあります。S&P500におけるAI主導企業(Microsoft、Metaなど)は総時価の約25%を占め、指数上昇を牽引する一方、その他構成銘柄の停滞が目立ちます。Reuters
  • 米国株先物は、7月雇用統計の弱さとデータの下方修正を受けて利下げ期待から上昇しました。さらにトランプ氏による労働統計局長解任やFRB理事の辞任が波紋を呼び、金融政策の政治介入懸念が市場心理を揺さぶっています。Reuters
  • 投資家Jim Paulsenは、現在のブル・マーケットが利上げ・ドル高という逆風条件下で継続している点に注目し、今後FRBの利下げにより、消費者信頼感の回復や債券利回りの低下がさらなる上昇要因になると主張しています。MarketWatch
  • トランプ政権による関税強化の影響で、CaterpillarやMarriottなど主要企業は利益への悪影響を警告。2025年中に関税による利益圧迫額が全体で約150億ドルに達する可能性があり、企業業績や株価の重荷となる見通しです。Investing.com
  • Super MicroはAIサーバー需要の激しい競争環境の中、決算で売上予想を下回り、株価が時間外で約11%下落しました。大手ベンダーとの競争激化や納期遅延が響いた模様です。
    Investing.com
  • 投資家の一部は、米国株の長期的優位性に疑問を呈し始めています。関税やドル安、財政赤字への懸念から、欧州・中国・新興市場に資金が流れ始めています。ただし、米国テックの競争力や安定性が根強く評価されており、市場全体でのポートフォリオ見直しの動きが進んでいます。Reuters
地政学的リスク
  • 米トランプ大統領がインドに対し、ロシア産原油の輸入をめぐり関税上乗せを示唆。現在25%の関税より更に高率に引き上げる方針とされ、米・インド関係の緊張が高まり、供給網や一部企業収益への影響懸念が強まっています。Reuters
原油・金利・コモディティ・恐怖指数の動き
  • Crude Oil Sep 25(原油先物 9月限)
    終値は65.16ドルで前日比▲1.70%と続落。米中関税強化の影響で世界経済減速懸念が高まり、エネルギー需要鈍化への警戒が原油価格の下押し要因となっています。
  • CBOE Interest Rate 10 Year T No(米10年債利回り)
    4.196%と小幅低下。米ISM非製造業指数の悪化や貿易赤字縮小など複数指標が交錯し、市場では利下げ観測が強まり債券買いが優勢となりました。
  • VIX(恐怖指数)
    17.85で+1.88%上昇。地政学リスクやトランプ政権の政策不透明感を背景に、株式市場のボラティリティ上昇が警戒され、リスク回避姿勢がやや強まっています。
  • Gold Dec 25(金先物 12月限)
    3,434.40ドルで小幅高。金利低下とドル軟化が支援材料となり、安全資産としての金需要が引き続き堅調。中東情勢や政策不安も支えとなっています。
自分の米ドル建ポートフォリオ -0.53%(前日比)

8月5日、保有ETFは全体的に下落し、特にVGT(情報技術)は▲0.90%と大きく調整しました。VYMやVIGは小幅安、GLDM(金)は堅調で資産の一部を下支えしました。市場はややリスク回避姿勢です。

経済指標発表予定

以下の経済指標の発表が予定されています。

主な決算発表予定

マクドナルド、ディズニー、ウーバー等が決算発表を予定しています。

おわりに

8月5日の米国市場は、サービス業景況指数(ISM)の予想下振れにより景気減速懸念が広がり、主要株価指数はそろって下落しました。特にNASDAQは▲0.65%とテクノロジー株中心に売りが先行し、S&P500も節目の6,300を割り込みました。好調な決算を発表したAMDやAMGN、CATといった大型銘柄も、個別株の健闘以上に全体相場の重さが目立つ展開となっています。

一方で、VIXの上昇や金先物の堅調さに表れているように、市場参加者の間ではリスク回避の姿勢がじわじわと広がりつつあります。中東やインドとの地政学的摩擦、そしてトランプ政権による関税政策の行方も市場の不確実性を高めています。

こうした中で求められるのは、過度なリスクテイクを控え、ポートフォリオのバランスを意識した資産配分です。高配当ETFやディフェンシブ銘柄に加え、安全資産として一定割合の金も組み込むことで、今後の下振れリスクに対する緩衝材となるでしょう。

なお、今週は引き続き経済指標や主要企業の決算が相次ぎます。短期的な市場変動に一喜一憂するのではなく、長期的視点で財務の健全性と成長性に着目した銘柄選定が鍵となります。焦らず冷静に構えましょう。

それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

おことわり

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ABOUT ME
Muroi Kazuo
1959年2月生まれ 米国株、日本株、J-REITでFIRE達成しています。 米国株投資については、みなさんと情報共有したいと思っています。
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