本来、投資金額が半減、極端なケースでは消滅してしまっても、その後の生活に支障が出ない「余剰資金」で投資をするべきなのです。でも、日々の値動きを見て気になって仕方がない人は、下落幅が大きいと精神的に限界があるという心情になってしまうのではないでしょうか。そこで、今日は「逆指値」注文にスポットを当てて、自分の資産を守る一助となる方法を紹介します。長期の旅行や出張に行かれる方、あるいは真夜中に株価のチェックを頻繁にできない方は、よく検討して逆指値売り注文をしておくと良いかもしれません。実際の注文方法は、ご自身が利用されているネット証券のマニュアルやQ&Aを見てください。3つの主なネット証券については、一番下にリンクを貼っておきました。
投資信託の逆指値注文は無理
残念ながら、投資信託では逆指値は対象外です。S&P500に追随する投資信託の方が逆指値注文をしたいのであれば、守りたい部分を解約して日本市場の円建ETF「2558 MSX米株SP500」に乗り換えるか、あるいは米ドルに換えてから米国市場のETF「VOO」に乗り換え、逆指値注文しておくという流れになります。ただし、どちらも株取引と同様に売買は、時価で1株単位です。日本円で一定金額で積み立てるのは投資信託が良いと思いますので、投資信託を全額乗り換えることなく、守りたい金額だけをETFに移して逆指値注文しておくと良いと思います。
「売り」の逆指値注文
Aという銘柄を平均取得単価$300で100株保有していて、現在単価を$400と仮定しましょう。すると、現在の含み益は($400-$300) ×100=$10,000となりますね。株価の下落によって現在単価が$300を下回ってしまうと「含み損」になります。含み損にしたくないという方針のもと、売りの逆指値で「$300×100株」で注文を入れると、自動で売却して現金化してくれるというしくみです。
逆指値注文にも「指値注文」と「成行注文」があるのです。ちょっとややこしいですが、大きな違いがあるので、上記のチャートを見ながらしっかり理解しておきましょう。
「指値注文」:逆指値以下では絶対売りたくない人向け
下落して$300になり、買い注文があれば$300で約定します。ところが、前日の終値が$310で始値が$290のように窓を開けた場合などのように、現在価値が$300よりも下がっていたら約定しません。もちろん、再び$300に上昇したら約定します。約定しないまま低迷期間が長引くと、含み損を抱えたまま持ち続けることになります。
「成行注文」:逆指値以下になったら、安くても早く売り抜けたい人向け
下落して$300になり、買い注文があれば$300で約定します。ところが、前日の終値が$310で始値が$290のように窓を開けた場合は、$290で約定します。大きく窓をあけて始値が$200であれば、$200で約定します。もし、始値の後に急反発したら?涙しかありません。
注意したいこと
- 下落相場で、100%資産が守られるものではないと認識して下さい。
- 逆指値注文で約定した場合、売却手数料が差し引かれて現金化されます。
- 特定口座源泉徴収ありの口座では、売却金額から税金が引かれて現金化されます。
- 注文には有効期間を設けます。自分で設けた注文期間が過ぎないようにしましょう。
逆指値注文には、今回解説した売り注文だけでなく、逆指値買い注文もあります。この価格まで上がれば上昇トレンドになると思った時、逆指値買い注文することができます。でも、初心者向けではないので割愛いたしました。