昨夜の終値は4指数そろってマイナスでした。米国の格付会社ムーディーズが中小規模の金融機関10社を格下げしたことで金融不安が再燃しました。さらに、7月の中華人民共和国の輸出入の低迷が予想よりもはるかに悪く、世界の工場と言われる第2の経済大国の回復の見通しが暗かったことで、投資家心理を冷え込ませたようです。
セクター別騰落率では、肥満薬の売れ行き好調のLLY(イーライリリー)の好決算による株価高騰にとNVNO(ノボノルディスク)の株価高騰によりヘルスケア(Healthcare)が△1.37%と伸びました。金融不安により一般消費材(Consumer Cyclical)、技術(Technology)、金融(Financial)のマイナスが目立ちました。
6月の貿易収支は$655億と内需低迷により輸入の減少がみられました。フィラデルフィア連銀ハーカー総裁は、経済面でサプライズがない限り、FOMC(連邦公開市場委員会)は利上げを終了できる可能性があるとの見解を示しました。ただし政策金利は当面、現在の高水準に据え置く必要があると述べました。
SEC(米証券取引委員会)が大手金融機関に対する記録管理の監督を強化する中、ウェルズ・ファーゴやBNPパリバなど複数の金融機関は、従業員が業務上で中華人民共和国製のチャットアプリ「ファッツアップ」など非公式の通信手段を利用していたことを認め、多額の制裁金の支払いで合意した。ウェルズ・ファーゴの複数部門は、この問題決着に合計$1.25億(約180億円)を支払う。BNPパリバは$3,500万(約50.4億円)の制裁金の支払いに合意しました。
物流大手のUPS(ユナイテッドパーセルサービス)は第2四半期の収益不振と通期の予想を下方修正したことで株価は▼0.88%と下げました。ソフトバンクグループの1株あたりの利益が予想を裏切られているところに目が行ってしまいましたが、米国株の話題ではないので避けます。
NVDA(エヌビディア)は最新の人口知能プロセッサー「GH200(グラスホッパー・スーパーチップ)」を発表しました。毎秒5テラバイトという驚異的な速度で情報へのアクセスを可能にする高帯域幅メモリー3(HBM3e)に対応するそうです。株価に▼1.66%でただちに影響はありませんでした。
NVO(ノボノルディスク)の研究が、同社の肥満治療薬ウィゴビーが心臓発作や脳卒中などの深刻な心臓疾患のリスクを最大20% 削減できると示したことから株価は△17.23%と高騰しました。同社の決算発表は8/10です。これにより、LLY(イーライリリー)の減量薬全体に利益をもたらすでしょう。
原油先物は引け間際で上昇に転じて$82.8(△1.05%)、10年債利回りは4.026%(▼1.28%)、ドル円は円安が進み143円台半ばで取引が続いています。
自分のポートフォリオは▼0.56%でした。
8/9の経済指標発表は以下の通りです。
8/9の決算発表予定は以下の通りです。DIS(ウォルトディズニー)の発表は引け後です。
中華人民共和国の7月貿易統計によると、ロシアとの貿易は好調ですが、米国をはじめとする西側諸国との貿易減がすさまじい結果となっています。また、経済問題が深刻化していることを示しています。苦境に陥っている同国の住宅市場は今週、苦境の新たな兆候を示しています。若者の失業率は過去最高を記録しました。そしてデフレに陥る瀬戸際にあることを示しており、経済を下降スパイラルに引きずり込む可能性があるようです。また、外国人観光客も相当数減っているようです。ロシアとの友好関係にあることが米欧からの観光客に影響を及ぼしているという報道もありますが、根本は2020年に制定された国防動員法にあるのではないかと思います。有事の際には、国内にいる自国人だけでなく外国人とその家族、国外にいる中華人民共和国国籍の人はすべて中国共産党の指示で行動しなければならないという法律です。日本の企業が撤退しているのも、中華人民共和国国内にいれば、日本人でも社員だけでなく家族が中国共産党の指揮命令の下に置かれることと、台湾有事が近いのではないかとの推測が相まっているのが原因とされています。日本と外交がある国に駐在されている方や家族は、駐在国が有事に陥った場合は日本政府が国外退去措置をとってくれますけど、このあたりが心配です。
それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。