FRBが高金利を長期化させると述べた影響が消えない中、消費者信頼感指数が市場予想よりも低下して景気悪化の指標が出ていることに加え、政府閉鎖の懸念もあって「悪い経済ニュース」による株価下落となりました。主要3指数はいずれも1%を超える厳しい下げとなりました。
セクター別騰落率をみると、政府閉鎖の影響を最も受けやすい公益事業(Utilities)が3%近くも下落しました。下落率が1%以内だったのは、ヘルスケア(Healthcare)、エネルギー(Energy)、生活必需品(Consumer Defensive)の3セクターでした。
9月の消費者信頼感指数は103.0で、8月から5ポイントも下回る予想を超えた下落となり、この先の経済不安を感じている人が増えていることが明らかになりました。8月の新築住宅の販売件数は7月よりも予想を超えて大幅に低下しました。建築許可件数は市場予想には届かなかったものの前月よりは増えていることは、住宅市場にとって少しばかり好感となりました。米国の住宅市場の多くは中古住宅であり、中古住宅市場はすでに高金利の影響を受けて冷え込んでいます。高金利政策でも好調だった新築住宅市場がようやく冷え込んできたという見方もできます。
新会計年度が始まる10月1日までに、共和党と民主党が新たな歳出法案に合意しなければ、連邦政府の多くの部分が余儀なく閉鎖となる「政府閉鎖」に至ります。マッカーシー下院議長(共和党)は交渉時間を確保するため10月末までのつなぎ予算の成立を目指していますが、下院共和党の一部強硬派がこれを阻止しており、大幅な歳出削減やウクライナ支援に対する制限を要求しています。もし政府閉鎖になれば2019年以来4年ぶりのこととなり、約450万人いる連邦政府職員は誰も給与を受け取れなくなります。ですが同年に成立した法律に基づき、政府機関の再開後には未払賃金が補償されるようになっていますので、国民生活や旅行者への影響は2019年の時よりも低下すると予想できます。2019年の政府閉鎖時には給与を受け取れないことを理由に出勤しない職員、仮病かもしれない急病になった職員が多く出たため、旅行者の入国審査に長い行列ができたり、航空管制官が不足による航空交通障害、国立公園や国立博物館の閉鎖などがありました。州政府管轄の警察と消防は混乱はありませんでした。現在、政府の支出額はGDP(国内総生産)の約1/4を占めており、その支出が鈍化すれば経済に悪い影響を及ぼすと予想されています。今年5月に債務上限問題でも共和党の一部強硬派の反対で株価にも影響が出て、ギリギリに回避できたことは記憶に新しいところです。
アマゾンをFTC(連邦取引委員会)がマーケットプレイスを巡り、反トラスト法(独占禁止法)で提訴しました。アマゾン側はこれに反発、全面的に裁判で争う構えですが、同社の株価終値は▼4.03%と大きな下落となりました。
UAW(全米自動車労組)のストライキにバイデン大統領が応援演説したようです。大統領自ら労働組合を応援するのは異例のことです。民主党のトランプ前大統領も応援演説を予定しているので、それに先んじたようです。賃上げはインフレを加速しますが、来年の大統領選をにらんで、労働組合の票固めだと思います。
原油先物は上昇して再び$90台に値上がりしました。10年債利回りは4.558%まで上昇しました。ドル円は149円台まで円安が進んでいます。昨日、鈴木財務大臣は「高い緊張感をもって市場の動向を見ている」と発言したことでドル買い円売りに圧力がかかりましたが、相場への影響は限定的だったようです。過去を振り返ると、円安が日本経済を支えていると言っても過言ではありません。今年になって日経平均が伸びているのも、円安が基調になっていると言えます。企業の業績が好調となり、税収が増えて過去最高を記録しました。それでもなお、財務省は円高時に買った米ドルを大量に円に変換して、為替利益を得て国家資産を増やそう企んでいるのではないかと指摘している有識者もおられます。民主党政権時にドル円は80円台まで円高となり、当時の政府は「日本の価値が高まった」と自慢げに評価していましたが、企業決算はガタガタ、経済状況は真っ暗でした。このようなことから、私は「円安は日本の価値が低いことを示しており、円高になるような施策を行うべき」とメディアで公言している人は、財務省からの回し者かもしれないと穿った見方をしています。「日銀への円安批判をするのは筋違い」と主張される有識者には信頼がおけると思います。
自分の米ドル建ポートフォリオは▼1.48%でした。おかげさまで、月初にVOOに入れていた指値がようやく刺さり、持株数を増やすことができました。FOMC直後にQQQの指値も刺さりましたので、大きなリバウンドに期待したいところです。
9/27の経済指標発表は以下の通りです。
Google社が創立25周年を迎えたことで、検索画面のロゴがG25gleに変わっています。ブログを書く時にはGoogle検索を多用しますので、驚いてしまいました。
先週のFOMCの後、WSJに「FRBの金利見通しを真に受けるな」という記事が掲載され、翻訳された日本語版も出ています。米国民の多くは株式投資をしているので、株高による消費活動の増加を言葉巧みに抑えているというのが主旨です。興味深い記事なので紹介しておきます。
長期投資を目指す方にとって、株安は買いの一手です。底で買えるとは限らないので、下がった時に少しずつ持株数を増やしておき、平均取得単価を下回ったら多めに持株数を増やすのが良いかと思います。自分は8月末にリバランスしまして、9月月初にQQQとVOOの時価のマイナス2%に指値を入れておいたので、昨夜まで持株数増を達成できました。
それでは今日も明るく元気に笑顔で過ごしましょう。