主要3指数の終値はDow30はイスラエル・ハマス戦争による原油先物の高騰に伴うエネルギー株の上昇と、UNH(ユナイテッドヘルス)ならびに巨大銀行の好決算を受けて小幅に反発しました。一方で、先端技術系・一般消費材・通信サービスの大幅下落の影響を受けてNASDAQとS&P500は下落するなど、まちまちな動きでした。中小企業指標のRussell2000もやや下げました。
セクター別騰落率ではエネルギー(Energy)が最も伸び、先端技術(Technology)が最も下げました。一般消費材(Consumer Cyclical)と通信サービス(Communication Services)も1%を超える下落となりました。
イスラエルがガザ地区への地上侵攻の準備を進めている兆候があることで、投資家たちは週末を前に安全を求めて株価は下落し、債券が上昇しました。中東の紛争がさらに激化すれば、イスラエルはハマスへの武器と資金の供給国であるイランと直接衝突する可能性があります。米国と欧州連合はハマスをテロ集団に指定しています。Bloombergによると、そのシナリオでは原油価格が$150/バレルまで高騰し、世界経済の成長率が1.7%に低下する可能性があると試算しており、世界の生産高を約1兆ドル減らす不況となるとしています。JPモルガンのCEOは、今は世界がここ数十年で最も危険な時期かもしれないと警告しています。
イスラエルとハマスの戦争により、脆弱な半導体業界が脅かされており、半導体関連株化は大幅に下落しました。イスラエルは世界にチップサプライチェーンにおける重要な位置にいます。主な銘柄であるNVDA(エヌビディア)▼3.16%、AMD(アドバンスドマイクロ)▼3.40%、INTC(インテル)▼2.36%などの下落が目立ちました。
米フィラデルフィア連銀のハーカー総裁(タカ派、投票権あり)は、ディスインフレが進行中だと指摘しました。物価や雇用などのデータが急激に変化しない限り、政策金利を現在の水準で据え置くことが望ましいとの見解を改めて示しました。
前セントルイス連銀総裁のジェームズ・ブラード氏(タカ派、投票権なし)は、市場はインフレを過小評価していると指摘しました。インフレ率が再び上昇し始めた場合、米連邦公開市場委員会(FOMC)は政策金利を最高で6.5%に引き上げる必要に迫られる可能性があるとの見解を示しました。
UNH(ユナイテッドヘルス)は好決算を発表して株価は△2.64%と高騰しました。巨大銀行は好決算を発表して、株価はJPM(JPモルガンチェース)△1.50%、WFC(ウェルズファーゴ銀行)△3.07%と上昇した一方で、規模がやや劣るBLK(ブラックロック)▼1.34%、C(シティグループ)▼0.24%、PNC(PNCファイナンシャルグループ)▼2.62%でした。高金利政策は時価総額が大きな企業にとって有利に働いているようです。
PGR(プログレッシブコーポレーション:保険)は保険引受収益性の改善が示されたことを受けて△8.13%と高騰しました。
BA(ボーイング)は737MAX航空機に影響を与える品質問題を調査していると発表した後に株価が▼3.34%も下落しましたが、軍需銘柄のLMT(ロッキードマーチン)△1.59%、NOC(ノースロップグラマン)△2.69%は買われています。
共和党は下院議長候補に、トランプ元大統領支持者であるジム・ジョーダン氏を指名しました。とはいえ、議長選出までの道のりは平坦ではないようです。
Amazonの米国内プライムデーは10/10-11に開催され、大勢の客を集めて昨年のイベントを上回ったと発表しました。他の小売業者は低迷している中、小売業界では持つものと持たないものの格差が広がっているそうです。ちなみに、日本国内Amazonプライムデーは今日10/14から明日15日までです。
原油先物が$87.69(△5.77%)と急騰しました。10年債利回りは4.629%(▼1.76%)まで下がりました。ドル円は149円台半ばあたりでやや円高です。金先物は△3.15%と買われました。
自分の米ドル建ポートフォリオは▼0.80%でした。来月1日のFOMCを睨んで指値を入れていましたが、イスラエル・ハマス紛争なので指値を下げました。
週末なので1週間のヒートマップとセクター別騰落率を掲載します。原油高騰によるエネルギー株と、政府閉鎖懸念で下落していた公益事業の反発が見て取れます。
週末から週明けの経済指標発表は以下の通りです。
決算発表予定は以下の通りです。
中華人民共和国は株式市場を下支えするために新たな安定基金の設立を検討しているようですが、実施の詳細はまだ決定されておらず、廃案になる可能性もあるとのことです。
IMF年次総会が開催されていますが、世界貿易機関(WTO)のオコンジョイウェアラ事務局長はロイターに対し、イスラエルとハマスの紛争が地域全体に拡大すれば、すでに低迷している世界貿易が大きな衝撃を受けると懸念を示したようですが、一方のG20では内部分裂して共同声明ではガザ地区の危機には触れなかったようです。
二か所で大きな戦争が起きている状態ですが、長期インデックス投資の場合は株価下落は一時的なものととらえ、15年先の利益を拡大するために株数を増やすチャンスと心得ておきましょう。
それでは、週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。