今日は寅の日。
寅をお使いにしている神様は毘沙門天様なので、栃木県足利市の大岩山毘沙門天最勝寺に行ってきました。今回は2回目のお詣りです。
毘沙門天様は仏教において天部に属する仏神でして、仏法を護る護法善神の一人として四天王や十二天に数えられ、北の方角を守護されております。四天王として祀られる際は「多聞天(たもんてん)様」という名で呼ばれるようです。また、毘沙門天様は戦の神様であり、勝利をもたらすとされるほか、七福神の一柱に数えられ、様々な福徳を授けて下さる福の神でもあります。
毘沙門天様をお祀りしている最勝寺は、745年(天平17年)に聖武天皇の勅命によって、行基上人による開創と伝えられており、奈良県大和の信貴山、京都府山城の鞍馬山とともに日本三毘沙門天のひとつとして知られています。毎年、大晦日から元旦にかけて、大きな声で1年間のうっぷんを晴らし、すがすがしい気分で新年を迎える奇祭「悪口(あくだい)祭り」が行われ、行く年の「悪」を払い、来る年の「幸」を願います。
令和3年2月21日に足利市で大規模な山火事がありましたが、260年前に再建された大岩山毘沙門天様をお祀りしている御本堂がかろうじて難を逃れたことから、火防に多大なご利益があると人気急上昇と聞いています。
ここの毘沙門天像は、山火事から守るために本堂の中から出されて、今は修復作業をされていますが、今年3月26日(土)の天赦日と一粒万倍日と重なった日に初めてお詣りさせていただいた時には、本堂の中から出されて修理に出す前で厨子から出して仮置き状態であったことから、近くから拝ませていただきました。ご神木である大杉1本から掘り出されている木造寄木造なので、年輪がお顔や腕だけでなく、衣の皺に至るまで年輪が浮き出ているのが大変印象的でした。比較するのは失礼かもしれませんが、年輪が浮き出ている像の例は北海道の熊人形が有名ですよね。これです。
日本にある仏像の多くは、木曽桧(キソヒノキ)、樟(クスノキ)、柘植(ツゲ)、白檀(ビャクダン)が使われており、杉で作られている仏像は少ないそうです。
これは、最勝寺のHPに掲載されている写真ですが、毘沙門天様のお像の年輪がわかりますでしょうか。
毘沙門天様のお妃さまの吉祥天像の像は、大杉1本から掘り出した彫刻なので、年輪がくっきりわかります。
息子さんの一人である善膩師童子(ぜんにしどうじ)様の像も大杉1本から掘り出した彫刻なので、年輪がくっきりわかります。杉で掘られた仏像は本当に珍しいと思いませんか。
お車で行かれる方は、大岩山西公園の駐車場が便利ですけど、道路が狭いうえに急こう配の坂道、途中には片方が山で反対側は崖でガードレールは無いところもあります。特に注意しなければならないのは、落ち葉で隠れてしまった山側の側溝、脱輪要注意です。運転に自信がない方や車幅間隔が無い方にはとてもお勧めしません。運転中にはとても撮影する余裕はなかったので、Googleマップのストリートビューを掲載しておきますね。
駐車場はこんな感じです。展望はすばらしいです。お天気に恵まれて湿度が低いと富士山が見えるそうですけど、2回目の今回も富士山は見ることがかなわなかったです。
大岩西公園駐車場から毘沙門天に行くのは、この看板が目印です。けもの道のようなところを降りていきます。けっこう勾配がきつい細道です。
途中はこんな感じです。虫よけスプレーしていたので、蚊に刺されずにすみました。
本堂はこんな感じです。本堂の中は撮影いたしませんでした。
お詣りを終え、駐車場に戻りました。山火事の跡には植林が行われ、緑が戻ってきていました。
大岩山毘沙門天はFacebookを開設されていまして、いいねをすると毎朝早朝の御護摩修行の様子を動画配信を見ることができます。
また、ご本尊・文化財修復事業の勧進をクラウドファンディングで行うという新しい取り組みが見られます。この動画に出演されている最勝寺執事の沼尻様、3月に参拝させていただいた時には、毘沙門天などの御仏像はもちろんのこと、堂内にある額に描かれている絵についても、詳しく楽しく解説していただきました。SNSなどへの取組みも沼尻様が先導されているのではないかと推察させていただいております。今回はお会いして面白いお話を聞くことができなかったので少し残念でした。
私も、3月26日にお詣りした時に大火事と文化財修復事業のお話を聞きまして、微力ながらもクラウドファンディングに参加させていただいた次第です。