全国には、その地域(かつての國)ごとに一宮(一之宮、一の宮などともいう)という最も格式が高い神社があります。出雲國の一之宮は出雲大社(いずもおおやしろ)であることは有名ですが、ここ熊野大社も出雲國一之宮です。一つの國に複数の一之宮があるのは、全国でもほかにあるそうです。
あいにく、雨が強く降ってきてしまいました。拝殿にある大きなしめ縄も、湿気を吸ってさぞ重たいのではないかと思います。
ご祭神は伊邪那伎日真名子(いざなぎのひまなこ)と加夫呂伎熊野大神(かぶろぎくまのおおかみ)、そして櫛御気野命(くしみけぬのみこと)です。
「伊邪那伎日真名子」は国生みを始めて生きとし生けるものを生かし、その主宰の神をもお生みになられましたイザナギノミコト・イザナミノミコトの可愛がられる御子様です。
「加夫呂伎」とは祖なる神様であります。「熊野大神櫛御気野命」とは、この熊野に坐します尊い神の櫛御気野命という意で、素戔嗚尊(スサノオノミコト)の別神名でもあります。
スサノオノミコト様は八重垣神社でも書きましたが、八岐大蛇(やまたのおろち)を退治された神話に見られますように、人間社会を洪水の災害から救われて稲田の豊穣をもたらされ、人の世を和楽にみちびかれました。スサノオノミコト様は不思議な霊威をあらわして成りと成り出づるものが豊富であるようにと世の人々を導かれたのであります。
これは、人間社会につきまとう人間であるが為逃れられない不安と苦悩を取除いて、人間の営む社会生活の繁栄と平和をもたらされたということを意味しています。
●スサノオノミコト様は人間の幸福を約束される愛の神
●スサノオノミコト様は人間の願望期待に応えられる救いの神
●スサノオノミコト様は身を犠牲にして他を救われる愛の神
●スサノオノミコト様は人の世の幸栄のムスビの神
拝殿の後方にあるご本殿は大社造りで。現存するご本殿の軸立は1948年で、1978年に檜皮葺きから銅板葺に改められ、同年に拝殿が建てられました。
境内には稲田神社、伊邪那美神社、荒神社、稲荷神社があるのですが、雨が強くて写真撮影は叶いませんでした。