今回の一連の旅行の最大の目的は、出雲大社に参拝することでした。今まで島根県を訪問するチャンスに恵まれなかったこともあり、念願がかなった気持ちでいっぱいです。早朝に雨が降ったようですが境内に到着することには上がり、青空が見えるぐらいに晴れてきました。
鳥居をくぐると下り坂です。一般的には鳥居をくぐると坂や階段を上って拝殿・本殿に行くので、全国的にも珍しく、出雲大社の謎とされているそうです。自然の地形、特に砂丘のなごりという説もありますが、参道を下がることで「へりくだる」ことの大切さを伝えているという説を支持される方が比較的多いようです。へりくだる心は、日本人の精神として大切だと思いますが、忘れている人が多いような気がしてなりません。
境内のあちらこちらに兎の像が並んでいます。神話「因幡の白兎」に由来しているそうです。一体一体みな表情が違って可愛らしいです。
「大国主命」と「ムスビの御神像」が、銅鳥居の手前右側に置かれています。これは、まだ神様になる修行中である大国主命のもとに、日本海の荒波に乗ってやってきた幸魂(さきみたま)・奇魂(くしみたま)といった魂が現れた時を表現したものです。その後、大国主命と魂たちとの間に様々なことが起き、大国主命は神として尊敬される知識や教養を身につけられ、最後は「ムスビの大神」という神様になるというお話です。
銅鳥居の向こう側に拝殿が見えます。左右が非対称の拝殿は珍しいと思いますけど、出雲大社の中はほとんどが非対象で、それが日本の美しさを醸し出しています。アジア大陸の神殿や寺院建築は左右対称で、日本でもその流れを汲んでいますが、出雲大社や奈良県法隆寺は非対象で日本らしさが表現されています。
パンフレットから借りてきた上空からの写真です。拝殿だけでなくご本殿そのものも非対称建築であることがわかりますし、敷地内レイアウトも非対称です。
ご本殿は塀の向こう側にあるので直接見るのが難しいです。そのため、スマホに三脚をつけて手に持って塀の上から覗き込んで撮影してみました。左側にある高いのが「御本殿」、中央が「御向社」、手前が「天前社」です。
ご本殿の奥に、素鵞社(そがのやしろ)があります。ここには、大国主命の父親にあたるスサノオノミコトがお祀りされています。お詣りした後、回廊下にある神砂と稲佐の浜から持参した砂を交換して持ち帰ることができます。
こちらは「大しめ縄」で有名な「神楽殿」です。「大しめ縄」の大きさは日本最大級で全長13.6メートル、重量5.2トンに及びます。 数年ごとに交換されるこの「大しめ縄」は島根県の飯南町を舞台に1年以上の歳月と延べ1000人の町民の手によって作られているそうです。ここ「神楽殿」では、結婚式をはじめとしたさまざまな行事が執り行われます。
ちょっと水を差すようですが、ここの分霊を鎮座する「常陸国出雲大社(茨城県)」の拝殿にある「大しめ縄」は全長16メートル、重さ6トンと一回り大きなものです。自分は先に常陸国出雲大社を先に見てしまったこともあり、大きさに感激が無かったです。
出雲大社は平安時代に初めて建設されたようで、柱は3本の丸柱を束ねた痕跡が残っており、巨大建造物であったようです。現在も拝殿前に、その柱の位置と大きさを表すモニュメントがあります。
これが平安時代の出雲大社のご本殿の再建イメージ(提供:大林組)です。神々しいですね。いつ実現されるかはわかりませんが、出来上がったら見てみたいと思います。