千葉県銚子市の名洗海岸側から屏風ヶ浦に行ってきました。これは、1988年に空撮された屏風ヶ浦全体の画像です。
千葉県銚子市名洗町から旭市の刑部岬まで約10kmにわたり、高さ40mから50mの断崖が続いているところがあり、屏風のように切り立って見えるので屛風ヶ浦と呼ばれています。地面が鋭利な刃物で切り取られたかのような切り立った断崖が続くさまは、英仏海峡のドーバーの「白い壁」にも匹敵するといわれ、「東洋のドーバー」とも呼ばれています。
ここは、映画やテレビドラマ、CMなど、さまざまなメディアにもたびたび登場しているようで、2016年3月1日には、国の名勝と天然記念物に指定されています。
初代歌川広重(1797~1858)による「六十余州名所図会」(全69枚)の中の「下総 銚子の浜 外浦」は、下総の代表的な名所であった銚子での磯遊びの様子を描いたもののようです。(千葉県立中央博物館のHPから)「外浦」は、現在の銚子市南東部の外川で、当時の地元での呼び方と思われます。手前の砂浜が外川の浜で、中央左手の巨大な岩は千騎ヶ岩(せんきがいわ)、右手中ほどの断崖絶壁が屏風ヶ浦です。水平線上には房総半島がかすかに浮かび、その向こうには富士山も描かれていますが、実際にはこのように見える風景はありません。ですが、当時も屛風ヶ浦が名勝であることがわかりますね。
最上部に見えるひび割れた地層は関東ローム層で、箱根や富士山などから飛来した火山灰や塵が陸上で溜って固まったものです、その下にある白い地層は、220万年から230万年前の火山灰層で、屛風ヶ浦全体の主な地層です。もろい崩れやすい性質の地層なので、海水による浸食が進んで切り立っていますが、現在は消波ブロックが設置されたことにより、浸食の速さが1/10以下になっているとのことです。
戻る時、名洗側の砂浜からの夕日がきれいでした。
銚子市の犬吠埼から屏風ヶ浦にかけては「銚子ジオパーク」と呼ばれており、いろいろなみどころがあります。くわしくは、HPで紹介されていますのでご覧ください。
https://www.choshi-geopark.jp/index.html