昨夜の3指数の終値はDow30が下がり、Nasdaqがわずかに上昇というまちまちの動きとなりました。
2月のPPI(生産者物価指数)は前月比▼0.1%(予想△0.3%、前回△0.3%)、前年比△4.6%(予想△5.4%、前回△5.7%)と、予想以上にインフレ抑制が進んだデータが示されました。2月の小売り売上高も前月比▼0.4%(予想▼0.3%、前回△3.2%)と、消費が抑えられている傾向が示されました。消費行動が抑制され、物価が下がるという高金利政策による効果がようやく出てきたことで、2つの地方銀行破綻もあったこととあいまって、FRBがタカ派に傾倒しすぎないのではないかとマーケットは見ているようです。
GS(ゴールドマンサックス)は、破綻した地方銀行2行の経済波及効果について警告を行いました。2023年のGDP予測を0.3%引き下げ、通年の成長率を1.2%としました。
欧州CS(クレディスイス:富裕層向け銀行)でのトラブルが金融セクターに対するマーケットの不安を再燃させてしまったことが、PPIよりも株価を大きく動かす結果となりました。CS株はスイスのチューリヒ市場で一時▼31%、終値では▼24%と、過去最大の下落率を記録するとともに、上場来安値も更新してしまいました。同行社債の保証コストは2008年の金融パニックをほうふつとさせる危機的な水準に上昇しています。筆頭株主のSNB(サウジアラビア・ナショナル・バンク)はCSへの追加融資を拒否、CSはスイス国立銀行(中央銀行)に対して支援する姿勢を公に示してほしいと嘆願した結果、「必要であれば支援する」そうです。現時点で得られる報道から、この問題はまだ解決していないように思えます。今日16日に開催されるECB(欧州中央銀行)政策委員会ではこれまで0.5ポイント利上げが濃厚とされていましたが、0.25ポイントあるいは金利上昇の見送りか、短時間で難しい判断をしなければならない状況となっています。
IEA(国際エネルギー機関)は今年のロシア石油生産が見通しを日量30万バレル上方修正しました。予想に反して増える一方で、世界的なリセッション懸念で供給が需要を上回る懸念で原油先物価格は$68.27(▼4.29%)と大きく下げました。このあおりをうけて、XOM(エクソンモービル)▼4.97%、CVX(シェブロン)▼4.33%とエネルギーセクター株が急落しました。10年債利回りは3.492%(▼4.01%)、ドル円は133円台前半でやや円高で取引が続いています。
自分のポートフォリオは▼0.7%でした。エネルギーセクター株の急落でVYM(高配当株ETF)が下がりました。一方で、金利が低下したことで債券ETFが堅調な動きとなりました。AGG(米国総合債券ETF)が50-DMA(日移動平均)と200-DMAがともにプラスとなりました。債券ETFの持ち分を増やすのもよいかなと思ってしまいます。
今夜の経済指標発表は以下の通りです。金融不安と原油供給過多が株価に大きく影響していますが、こちらにも注意を向けておきましょう。
昨日は大手企業が賃上げ要求に満額回答したという朗報が出ました。ただ、中小企業にも波及しなければ格差が広がるだけです。中小企業が利益を上げることができる経済政策に期待したいと思います。しかしながら国会では別のことで盛り上がっていますので残念です。
今日は一粒万倍日です。明るく元気に笑顔で過ごすだけでなく、将来に向けた良い種まきをしましょう。