主要3指数はそろって続伸して、4月の最終日が引けました。
3月のコアPCE物価指数(個人消費支出統計)は前月比0.3%で、インフレ基調が鈍化しつつも高止まりしたまま物価が下がってこない状況にあることが明らかになり、5月2日ー3日に開催されるFOMC(連邦公開市場委員会)で追加利上げを実施する論拠が強まりました。しかしながら市場予想も0.3%であることから、株価については織り込み済みと考えてよさそうです。インフレ目標の2%に戻す道のりは平坦ではないようです。第1四半期の雇用コスト指数は前期比1.2%と予想以上に伸びが加速し、株価にとっては良いニュースですので、これもFOMCの追加利上げの論拠となりました。ミシガン大学の消費者信頼感指数は63.5と市場予想通りの結果となりました。また、5年後のインフレ見通しは前回の2.9%から3.0%に増えてしまいました。
AMZN(アマゾン)は前日引け後の決算で増収増益を公表してアフターマーケットで高騰していましたが、昨夜は反落してしまいました。クラウドサービス部門のAWS(アマゾン・ウェブ・サービス)の売上高の伸びが鈍化して、8年前から売上高を報告するようになってから最低の伸びであったのが原因のようです。これは高金利と高インフレでハイテク系企業に直面して支出を削減しているクラウドの利用全体の伸びが鈍化している中、マイクロソフトのクラウド事業が好調であることで、AWSの売上鈍化傾向が第2四半期に底を打つのは困難と投資家は見ているようです。とはいえ、AI活用に必要なビッグデータは増える一方です。クラウド市場でのシェアはアマゾンが首位で33%、2位のマイクロソフトが23%なので、アナリストはおおむねアマゾンのクラウド事業に対して強気な見通しを立てています。FRC(ファーストリパブリック銀行)の株価は再び前日比▼47.85%と暴落、2021年末には$210を超えていた株価は、昨夜終値では$3.51でした。TMUS(Tモバイル)も前日引け後に決算発表し、利益は市場予想を上回ったものの売上が予想を下回ったことに売りが入り、株価は▼4.03%と大きく下げました。
XOM(エクソンモービル)とCVX(シェブロン)は2社そろって増収増益の決算を公表して、原油価格が下落しても利益が堅調でした。両社はDow市場の上昇を牽引しました。
原油先物は$76.63(△2.50%)上昇、10年債利回りは3.452%(▼2.15%)、ドル円は日銀金融政策決定会合で大規模な金融緩和策維持を決めたことから円安に大幅に振れて現在は136ドル前半に達しています。
自分のポートフォリオは△0.78%と穏やかな上昇でした。昨夜もSPYD(高配当ETF)が上昇したので米ドル現金化して、来週以降の投資原資にします。もう一つの高配当株ETFのVYMは昨夜ようやく200日移動平均線を超えてきました。多くの分配金を排出しながらも株価を維持向上してくれるのは、安心感があります。
今日は週末なので、1週間の株価動向マップを示します。好決算のマイクロソフトとメタの上昇が目立っており、アップルとグーグルも堅調でした。
さらに月末なので1か月間の株価動向マップを以下に示します。TSLA(テスラ)の下落が目立っていますが、GAFAMの躍進とヘルスケアと生活必需品セクターも堅調であったことから、4月はおおむね順調に伸びたと言えそうです。
5月1日の経済指標発表は以下の通りです。
5月1日に決算発表を予定している主な企業は以下の通りです。
米国債務残高が今年1月に法定上限の$31.4兆に到達しており、財務省は特別措置を活用してデフォルト(債務不履行)を回避していますが、債務上限を巡って共和党と対立した状態になっています。米国ではこれまで一度も債務不履行に陥ったことがありませんし、米国債は一般にリスクがない資産(日本人にとっては為替リスクがあります)とも言われています。とはいえ、民主党と共和党の二極化が進んでいる中、両党が妥結して債務上限を引き上げて危機回避に間に合う保証はありません。この債務不履行になんと2400%の投資利益が出るCDS(クレジット・デフォルト・スワップ)の取引が増えているそうです。米国債のデフォルトするとどのようになるのか想像もつきませんが、世界経済がおかしくなってしまいそうなので、ホワイトハウスと共和党の妥協をしていただきたいものです。
ゴールデンウィークが始まりました。話題になっているスポットは昨日から混雑が始まっているようです。新型コロナも連休明け5/8からは季節性インフルエンザと同等の5類となりますので、コロナ禍による経済的損失を跳ね返して伸びてほしいと期待します。