昨夜はFRC(ファーストリパブリック銀行)の破綻による金融不安の広がりと、AI(人工知能)によって失われる業種に関するセンチメントの高まり等により3指数そろって1%を超えエル下落となりました。
3月のJOLT(Job Openings and Labor Turnover Survey:求人と労働移動調査)は4ヶ月連続して悪化し、マーケットの予想を超えていました。また、3月の製造業新規受注前月比も0.9%(予想1.1%)と冴えないものでした。
FRC(ファーストリパブリック銀行)をJPM(JPモルガン・チェース)が買収した後、PACW(パクウェスト銀行)は預金の17%を失い、昨夜は株価が▼27.78%、WAL(ウェスタンアライアンス銀行)は預金の11%を失い、株価は▼15.12%と急落しました。2つともシリコンバレー銀行破綻を受けて、FRCとともに厳しい監視下に置かれた金融機関です。このほかにもZION,CMA,KEYなどの地方銀行株の下落が目立ちました。預金者は、安全性が高いとされる大手銀行や、MMF(マネーマーケットファンド)に資金を移動しています。さらに悪いことに、脆弱な地方銀行が空売りのターゲットにされていることが懸念されます。S3 Partners(金融テクノロジー企業)によれば、空売り業者は過去30日間で地方銀行株に対する賭け金は4.4億ドル(約6,000億円)に上っているようで、まさに弱肉強食の世界となっています。
市場はAIの急速な普及によるマイナス面を認識し始めたことにより、教育サービスを手掛けるCHEGG(チェグ)の株価は▼48.41%と暴落し、AIにより教育サービス全体が負け組になると投資家が見ているようです。
昨日の決算発表結果は以下の通りでした。引け後に公表されたAMD(アドバンスドマイクロ)は利益も売上も市場予想を上回りましたが、主力のGPU(グラフィックボード)が搭載されるパソコンの販売落ち込みに苦戦しているようです。
昨日の主な指標は以下の通りです。地方銀行の不安を受けて中小企業のインデックスであるRussell2000が2%を超える下落が目立ちます。上院のウォーレンサンダース議員らが書簡でFRBパウエル議長に利上げ休止を訴えたことで、ドル円は円高に振れ、10年債利回りも下がりました。金と銀も買われる動きがありました。
自分のポートフォリオは▼0.98%で主要3指数の下落率ほど下がりませんでした。昨日までにSPYD(金融と不動産に軸足を置く高配当ETF)からAGG(米国総合債券ETF)に一部資金移動しておいたことが、昨夜に限っては正解だったようです。もちろん将来はわかりませんが、金融不安や景気後退の流れが予想される中、SPYDは分配金は魅力的でありますが、譲渡損益の面では心配です。
今夜の経済指標発表は以下の通りです。開始後に雇用や景気に関するものが公表され、引け近くになってFOMCによる政策金利発表、パウエル議長の記者会見があります。
そして決算発表の主な銘柄は以下の通りです。
日本でも、将来AIによってなくなる業種という予測を見ることがありますが、アメリカでは教育サービスと顧客サービスがAIにとって代わられると投資家が予想して、投資の引上げに動き出したのは、自分の予想よりも早いタイミングでした。教材は豊富な過去データから導き出されるものであり、またChat-GPTによる質疑は、間違った回答が見受けられるものの、応対能力はすばらしいと私も思います。今後は、欧州や日本にもこのような動きが出てくるものと考えられますね。
今日からGW後半です。レジャーを楽しまれる方、人を楽しませてあげるお仕事をされる方、あるいはゆっくり過ごされる方などいろいろあるでしょう。特にレジャーを楽しまれる方は、はめを外し過ぎて事故につながらないようご安全に。それでは今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。