昨夜の3指数はそろって下落しました。
建築許可件数が予想よりも26.9万件も少なく、前回よりも28.3万件と落ち込んでいましたが、新築住宅販売に関しては前月よりも増えて市場予想をも上回っていました。サービス業購買部協会景気指数は55.1と予想よりも高く、マーケット総合PMI(アメリカS&Pグローバル総合購買担当者指数)は54.5と、予想は前回53.4を下回る50.0でしたが上回っており、昨年4月以来13か月ぶりの高水準でした。これは、インフレ圧力を一段と高める要因になるとして、FRBの利上げ推進派(タカ派)の意見を強硬にすると考えられます。ミネアポリス連銀のカシュカリ総裁は、インフレが定着しているなら、より長期の高金利維持が必要だと述べました。
債務上限問題に関するバイデン大統領とマッカーシー下院議長の会談では妥結せず、先行き不透明の中で担当者協議を再開するという動きです。イエレン財務長官が示した6/1というXデーの根拠に対する不信感(後でずらせるよう今の段階で保険をかけている)が共和党内で広がっていることもあり、今週中にマッカーシー議長が共和党内をまとめることができるか手腕が問われているようです。昨夜の株価下落は債務上限問題の妥結が見えないところに起因していることもあり、妥結までは株価の上昇はないかもしれません。今夜はイエレン財務長官のスピーチにも注目したいところです。
AAPL(アップル)はAVGO(ブロードコム)と数十億ドル規模の半導体取引に合意したと発表しました。AAPLは▼1.84%、AVGOは△1.20%でした。
PFE(ファイザー製薬)は経口糖尿病薬が減量効果が高いということで、昨夜も多く買いが進み△2.30%と躍進しました。V(VISA)はポーランドに新たなグローバル技術と製品ハブを計画していると発表しましたが、株価は▼2.90%と冴えませんでした。MA(マスターカード)も▼2.80%でした。
原油先物は2%以上も上昇し、エネルギー株の上昇を誘いました。10年債利回りはやや下落、ドル円は方向感なく138円台後半で取引が続いています。Russell2000は▼0.43%下落しましたが、主要3指数の下落率よりも低かったです。
自分のポートフォリオは▼0.70%、AGGとTIP(いずれも債券ETF)が支える形でした。AGGとTIPから分配金(配当)が出ました。高金利政策で年利が4.5%を超えている外貨建MMF「ブラックロック・スーパー・マネー・マーケット・ファンド」にドル建てのまま預けておくのも良いかなと思っています。
今夜の経済指標発表は以下の通りです。FOMCの議事要旨が発表されます。タカ派委員の数や考え方が市場予想と乖離していると株価が大きく動くかもしれません。
また、NVDA(エヌビディア)の決算発表が市場引け後に予定されています。
日本の株式が順調に伸びている中、トヨタ株が▼3.28%は水を差しましたね。海外投資家が利確したとも、発注ミスなのか、現時点では原因がわからないようです。また、報道ではリーマンショック後の最高値と言っていますけど、バブル期1989年12月29日の38,915円にはまだ程遠いです。また、一部のメディアは「いつまで続くのか」「株価バブル再来か」と日本の株価上昇があたかも悪いこと、かつ一時的な現象のように報道しているのはいかがなものかと思っています。また一部の経済評論家は、日本も金利上昇が必要と述べるなど、息を吹き返そうとしている日本企業にどうして水を差すコメントをするのかと思ってしまいます。私は、失われた30年といわれる景気低迷期と物価上昇によるデフレ解消を脱却したのではないかと、楽観的に評価して日本経済の発展を願いたいと思っています。