主要3指数はそろって力強く上昇しました。前日のFRBによる「タカ派ホールド*」を受けて落ち着いた取引で始まった後、投資家がFRBのタカ派的な見方を無視したような買いが進み、大きく反発しました。
*タカ派ホールド(Hawkish Hold):今回は金利を据え置く(ホールド)ものの、頑固なインフレを抑えるタカ派行動のため、再び年内に2回利上げする可能性を示唆したこと
セクター別騰落率では全セクターが上昇、ヘルスケアが最も躍進し△1.48%、通信サービス、工業と続きました。注目されているAI関連の技術でも1%を超えました。
マーケットはECB(欧州中央銀行)が追加利上げを行ったことを踏まえていましたが、中国人民銀行が中期借入金利を引き下げたことは株価を押し上げる結果となりました。ただし、年内の追加利上げの示唆により、MAR(マリオット)▼2.63%、WH(ウィンダム)▼0.37%、HLT(ヒルトン)▼2.01%などのホテル業界の株価は下がってしまいました。
市場開始前に発表された5月の小売売上高はマイナス予想が2ヶ月連続したプラスだったこと、失業保険申請件数が増えて雇用の逼迫状況が緩和されている経済指標結果も投資家心理を向上させました。6月の製造業景気指数は、フィラデルフィア連銀による調査では予想よりも低くインフレが抑制される結果でしたが、ニューヨーク連銀による調査ではプラスに転じていました。ニューヨーク連銀の調査は毎回ボラティリティが高い傾向がありますので注意が必要です。
好調な経済状況により原油先物価格は△3.34%と急騰、10年債利回りは▼1.79%、ドル円は円安に進み、一時141円台になりましたが現在は140円台前半で取引が続いています。中小企業株価指標のRussell2000は△0.81%でした。
自分のポートフォリオは株ETFのみならず債券ETFもプラスに動いて△1.14%と堅調でした。
6/16の経済指標発表予定は以下の通りです。高い重要性のものはありませんが、今後の経済の好不況を占うミシガン大学の調査結果は、注目される傾向にあります。
昨日のマーケット閉場後に発表されたADBE(アドビシステムズ)の決算は増収増益と好調でした。生成AIでも先導すると宣言しています。2023年度第2四半期の売上高が記録的になるとさきほど報告があったようです。終値が△2.37%でしたが、アフターマーケットでは△4.69%と高騰しています。
NVDA(エヌビディア)を筆頭としたAI関連株の急騰と、インフレ率が緩和して10回にわたる金利引上げが一旦停止したこと、雇用の逼迫が緩和して小売の売上が好調という結果もあり、米国株が大きく躍進する強気相場に入りました。強気相場で失敗しない秘訣は「調子に乗って過剰な投資をしない」ことです。余裕がある方は、数年分生活できる現金を残して投資に回すのも良いと思いますが、総資産の中に占める現金と投資金額の割合が、本当に無理がないか、追加購入前に立ち止まって確認しておくことは大切だと思います。
それでは、今日も一日、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。