昨夜の3指数終値は、Dow30がややマイナスで前日終値とほぼ同じ、NASDAQとS&P500は反発してプラスとなりました。セクター別騰落率で1%以上上昇したのは通信サービス(Communication Services)だけで、逆に1%を超えて下落したのは不動産(Real Estate)とエネルギー(Energy)でした。
パウレル議長は上院議会にて証言を行いました。内容は、年内にはあと1回か2回の利上げをするが、経済が景気後退に陥るのを避けるため利上げペースは鈍化すると繰り返し述べました。さらに、「インフレの影響を最も受けるのは勤労者世帯。FRBが利下げを行う前にはインフレ率が2%に戻っていることを確認する必要がある。」とし、来年の利下げはインフレ率の低下に左右されるとしました。また、米国最大手の銀行に対する自己資本要件が高まる見通しであり、自己資本要件は8大銀行に偏るだろうと述べました。失業保険件数は先週と横ばいで予想よりも多く、雇用の逼迫が緩和されている結果となりました。このほかの経済指標の結果は以下の通りです。
英国中央銀行にあたるイングランド銀行が予想を上回る0.5ポイント金利を引き上げ、2008年以来となる5%とし、スイスとノルウェーも10年ぶりに金利を上げました。メキシコはインフレが収まったとして金利上昇を停止しました。インフレと戦うために金利を下げるという独自の政策をしていたトルコですが一転して金利を6.5ポイント上げて15%としまましたが、上昇率がマーケットの期待以下だったことからトルコリラは売られました。今後は、負債を多く抱えている企業の株価が下がり、負債が少ない企業の株価が上がっていくものと考えられます。
AMZN(アマゾン)は英国のオンライン食料品店オカド・グループを買収する可能性が高いとの報道を受け、株価は△4.26%上昇しました。
原油先物は▼4.25%と大きく下落し、エネルギー関連株の下落を誘いました。10年債利回りは△2.04%上昇して3.799%になりました。ドル円は円安に動き143円の大台にのって取引が続いています。ドルは対ユーロ、対ポンドでもやや高くなっていますが、円に対する上昇率が高くなっています。中小企業の指標Russell2000は▼0.80%とDow30よりも大きな下落となりました。
自分のポートフォリオは△0.15%とやや反発でした。10年債利回りが上がると債券ETFが下がるのは教科書通りですね。高配当株ETFは構成要素にハイテク企業がなく、高配当の中小企業株が含まれていることから、Dow30の大企業の株価の動きが小さいと、Rusell2000の動きに同調される傾向がある現象を見てとれました。
今夜の経済指標発表は以下の通りです。
冷え込んでいる米中関係を改善すべく、ブリンケン国務長官が訪中しましたが、コの字型の配列の中央に習近平主席が座し、両側に設けられた席にブリンケン国務長官が着席させられる異例の座席配置が話題になりました。皇帝にひれ伏す外国使節のようだと揶揄する記事もありました。私も、アメリカはずいぶん見下されたものだと思いました。その後、バイデン大統領が習近平主席を独裁者と呼んだのは、そんな対応を見て思わず出た言葉だと思います。発言が単なる失言ではないような気がしました。でも、日本のメディアはバイデン大統領の失言を強調し、座席配置にはあまり触れていないような気がいたします。ちなみに、清王朝時代にイギリスが皇帝に会いに行った時は帰されてしまいましたので、まだマシなのかもしれませんが、その後にアヘン戦争が起こり清国は滅亡したという歴史があります。
先日、ビル・ゲイツ氏が訪中した際は、周主席と対等に着座していたのとは対照的でした。
それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。