昨夜の主要3指数の動きは、特に材料がなかったことから終始小幅で推移し、終値は、Dow30がマイナス、NASDAQがプラスとまちまちな動きで、S&P500は前日終値とほとんど変わらない結果となりました。セクター別騰落率では、1%を超えたものはなく、逆に1%以上下落したのが公益事業(Utilities)▼1.38%、素材(Basic Materials)▼1.00%でした。
ポルトガルで開催されたECBフォーラムのパネル討論会で、パウエル議長は連続利上げの可能性を排除せず、会談ごとに判断して7月から9月に動く可能性を示唆し、これまでのタカ派姿勢を崩さなかったことから、株価は方向性に欠ける動きとなりました。原油在庫量が市場予想より大幅に減っていたこともあり、原油先物価格が大きく上昇しました。
米政府はAI半導体の対中華人民共和国への輸出規制を新たに拡大するとの報道を受け、NVDA(エヌビディア)の株価は▼1.81%下落し、QCOM(クアルコム)は▼1.85%、INTC(インテル)は▼1.55%、AMD(アドバンストマイクロ)▼0.20%と売られました。新たな制限は、ほぼ地政学的な経済戦争問題になりつつあるようです。米国政府は中華人民共和国の軍事的進歩に米国のAI技術が利活用されることを嫌っているようですが、中華人民共和国側が手をこまねいているだけでは済まないからです。アップル(AAPL)は△0.63%と買われ、史上最高値を更新するとともに時価総額が3兆ドルに近づいてきました。GOOGL(アルファベット)も△1.56%と買われ、今後も米国経済を牽引するのは巨大ハイテク系企業だと予想する投資家が多いようです。
原油先物は$69.13(△2.11%)まで上昇、10年債利回りは3.71%(▼1.54%)でした。ドル円は144円台半ばまで円安が進み年初来安値を更新しました。鈴木財務大臣が昨日急激な円安は問題と発言しましたので、為替については日銀による介入で、大きく円高に動くリスクがあることを心の隅に置いておくことにします。中小企業株価指数Russell2000は、主要3指数よりも伸びて△0.47%でした。金と銀はともに売られました。金は4月13日と5月4日に$2,000を超えてから利益確定売りが増えているようです。
自分の米ドル建ポートフォリオはトータルで△0.02%と小動きでした。
今夜の経済指標発表は以下の通りです。GDP(国内総生産)と失業保険申請件数に注目が集まりそうです。パウエル議長発言内容は、おそらくタカ派姿勢の継続でしょう。
たった今、FRBは対象とした大手23銀行のストレステストが全行無事通過したとの報道がありました。金融機関の健全性は良くて当たり前と思われていますので、良いニュースですね。また、S&P500を支えている5社は、AIのNVDAとMETA、自動運転車のTSLAだけでなく、クルーズ会社の株価上昇RCL(ロイヤルカリビアンクルーズ)とCCL(カーニバルクルーズ)というレジャー企業が含まれていることも留意しておきましょう。日頃から情報収集して個別株投資すると利益も大きいでしょうけど、S&P500のインデックス投資をしておけば、分散投資のおかげでクルーズ会社の株高の恩恵も間接的に受けていることになります。S&P500インデックス投資の構成銘柄は本当に選りすぐりであると思います。
昨日に続いて今日も一粒万倍日です。明るく元気に笑顔で過ごしましょう。