昨夜の主要3指数はそろって上昇して2023年の上半期を終えました。セクター別騰落率では全セクターがプラスとなっており、特に技術(Technology)が△1.7%と牽引しました。
FRB(連邦準備制度理事会)が金融政策を決定する上で重視しているインフレ指標である食品とエネルギーを除く「コアPCE物価指数」は前月比△0.3%で市場予想通りの結果でした。前年同月比では△4.6%となりました。1月に△0.6%というサプライズ急増した後、2月から5月にかけて足踏み状態が続いているとみなすことができそうです。FRBのタカ派議員のエスカレートを抑える悪い経済ニュースが、株価に好影響したようです。5月の個人所得は前月比△0.4%(予想△0.3%)と予想よりも若干高かったものの、個人支出は前月比△0.1%(予想△0.5%)と予想よりも大幅に低かったことも明らかになりました。ミシガン大学による6月消費者信頼感指数は市場予想よりも高く、しかも5月よりも上回っていたことから、消費者は景気の見通しが明るいとみているようです。OPEC各国の原油生産量はすべて市場予想通りでした。
米国最高裁は、バイデン大統領による学生ローンの債務免除計画を却下したことで、何百万人もの学生がローン残高を全額返済する準備をしなければならなくなりました。一方でバイデン大統領は、学生債務を帳消しにする新たなプログラムを立ち上げるよう指示した模様です。BOA(バンクオブアメリカ)は、ドル円が150円を超えて劇的に円安とならない限り、日本政府は為替介入を控える公算が大きいとし、ドル円の円安が今後も一段安となると予想しています。大手銀行の発言とはいえ、鈴木財務大臣が為替介入を匂わす発言から間もないので、財務省による為替介入に対して米国側や西側各国の了解がネゴできなかった疑いがあります。貿易大国(米国、日本、中国、韓国、台湾、ドイツ、スイス、マレーシア、シンガポール)では政府が為替介入しないのが原則ですが、6/16のアメリカ財務省による為替報告書では、日本は為替介入監視リストから除外されていたので、はBOAの予想を鵜呑みにするには注意が必要です。
NKE(ナイキ)は3年ぶりの決算未達と第1四半期の予想が圧倒的でなかったことを受けて売られ、株価は▼2.65%で市場全体が株高の中で目立つ存在となりました。
原油先物は続伸して$70台に到達、10年債利回りは3.819%(▼0.91%)、ドル円は144円台前半です。金先物と銀先物も反発しました。
自分の米ドル建ポートフォリオはトータルで△1.00%でした。債券ETFと合わせてボラティリティを下げるバランス型ポートフォリオとしては、大躍進だったといえます。
6月末ですので、月間の株価動向マップとセクター別騰落率を示します。このところAI半導体関連に目が行きがちですが、6月だけでみると△10%を超えて大躍進したセクターは一般消費材と工業でした。
年初来については以下の通りです。高金利政策の中では開発に負債を背負うハイテク系が弱いとの予想を見事に覆した結果が明確に出ています。NVDAの△189.46%はやはり光っています。一方で、公益事業とヘルスケアは冴えない半年となりました。
来週月曜日7/3の経済指標発表予定は以下の通りです。翌日が独立記念日なので13:00の早引けとなり、7/4は祝日でマーケットは終日お休みで、経済指標発表もありません。
NASDAQがAIブームで上半期に△40%という歴史的な上昇を記録しました。米国株投資をされている方にとっては、良い上半期だったのではないかと思います。ETFを組み合わせてバランス型としている私のポートフォリオでも、上半期は躍進することができました。年内には高金利政策が続きますし、2回の利上げも予想されていますので、必要以上に景気が悪化することなく、米国経済の成長することに期待したいです。一方で、欧州の深刻なインフレ、中華人民共和国経済の低迷のほか、ロシアの核使用の可能性も否定はできません。下半期も毎日のニュースには目を通しながら米国株投資を続けていきたいと思います。
それでは皆様、良い週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。