マーケット開始前にCPI(消費者物価指数)が3%と、インフレ率非常事態の終わりが示唆されました。投資家たちが金融政策の転換点になると期待したことで、主要4指数はそろって躍進しました。また、引け前の利確売りによる著しい下落も見られませんでした。
セクター別騰落率では、すべての分野でプラスとなりました。特に素材(Basic Materials)が△2.19%と躍進、通信サービス(Communication Services)、公益事業(Utilities)、一般消費材(Consumer Cyclical)、技術(Technology)が1%を超える伸びを示しました。
6月の総合CPIは2021年3月以来の水準で、変動が激しい食品とエネルギーを除いたコアCPIも市場予想を下回ったことから、利上げが近く打ち止めとの期待が高まりました。
FRB当局者のリッチモンド連銀のバーキン総裁はCPI発表後に、インフレ目標率はあくまで2%であり、高金利政策を緩めるのが早すぎるとインフレ率が再び上昇するとの意見を述べました。マーケットでは、今月25日-26日に開催されるFOMCでは、利上げに踏み切る可能性が極めて高いが、そこで利上げは打ち止めではないかとの考えが強まり株価が上昇しました。パウエル議長が言及した「複数回の利上げ」は、株価への盛り込みがなくなったのではないかと考えられます。住宅ローン金利の30年金利固定型の利息は7%を超えてしまいました。実質賃金は市場予想を超えて前月比プラスとなりました。
高級電気自動車メーカーのLCID(ルシッドグループ)は、第2四半期の納車が1,404台と市場予想の1,873台を下回ったとして、株価は▼11.82%と大きく下落しました。
NEC(米国家経済会議)のブレイナード委員長は、アメリカ経済はリセッションに陥るとの予測が出ていたが、実際には堅調でインフレ率は低下していると、バイデン政権の実績を強調しました。
原油先物は$75.93(△1.47%)、10年債利回りは3.861%(▼2.99%)となりました。米国の金利上昇政策が打ち止めとの予測の一方で、インフレが止まらない欧州が金利上昇政策を強硬的に継続していく見込みであることから、米ドルは対ユーロ、対英ポンドに対しても安くなり、円に対しても円高ドル安がさらに進んで、現在は138円台で取引が続いています。金先物、銀先物もそろって買われ、特に銀は△4.57%と大きな伸びとなりました。
自分のポートフォリオは△0.79%と伸びました。円高でドル円が▼1.35%ですから、円換算ではマイナスです。私は、自分の資産を「世界の基軸通貨の米ドルで評価」するようにしておりますので、為替は気にしません。
今夜は、マーケット開始前にPPI(生産者物価指数)の発表(21:30 JST)があります。また、毎週木曜日の失業保険関連の発表もあります。
第2四半期(4月-6月)の決算報告が始まっています。今夜から巨大企業の決算発表がしばらく続きますので、本ブログでは、時価総額が$30B($3,00億、約4.17兆円)の巨大企業の決算報告予定を抽出して示します。今夜の予定は以下の通りです。
アメリカの高インフレがようやく収まってきたことがCPIに定量的に示されたことは喜ばしいと思います。ただし、米国民の多くが株式投資をしていることから、株価が上昇すると消費が拡大する傾向がありますので、FRB委員は複数回利上げを示唆するなど、タカ派的意見を述べ続ける可能性があるのではないかと思います。金利上昇を止めても高金利政策が続きます。今回、住宅ローン金利が7%を超えてきたのは異常事態です。年内はリセッション(景気後退)への警戒が注目され、いつ金利引き下げが行われるのかに焦点が移っていくのではないかと思います。円建でインデックス投資をされている方にとっては、米国の金利引き下げは円高を誘発するので、精神的につらいかもしれませんが、積立を継続することが勝利への道であると信じることが大切だと思います。
それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。