昨夜の主要4指数は、Dow30がプラスとなり、NasdaqとS&P500はスタート直後は伸びましたが徐々に売られてややマイナス、Russell2000はスタート直後からマイナスとなるまちまちの動きでした。セクター別騰落率を見ると、買われて反発したのはヘルスケア(Healthcare)と生活必需品(Consumer Defensive)だけでした。特に売られたのは、エネルギー(Energy)で▼2.57%と冴えませんでした。
6月の輸入物価指数が▼0.2%(予想▼0.1%)で5月分は▼0.6%から▼0.4%と修正され、消費者物価指数を下げると好感されましたようですが、ミシガン大学による7月の5年インフレ予測が△3.1%と市場予想通りだったもののFRBの目標△2.0%よりも高かったこと、消費者信頼感指数が77.5と予想を大きく上回った2年ぶりの高まりとなり、FOMCのタカ派委員の主張根拠となるデータが示されました。ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は「センチメントの急上昇は、インフレの鈍化継続と労働市場の安定によるところが大きい」と発表文で指摘したことも株価に影響を与えました。週末でもあり、来週月曜日に大きな経済ネタがないことから、週末でいったん利益確定する動きもあったようです。
UNH(ユナイテッドヘルス)は増収増益で株価は△4.03%となり、時価総額はJPモルガンを抜くと同時に、ヘルスケアセクター株を牽引しました。JPM(JPモルガン)とWFC(ウェルズファーゴ銀行)は増収増益の決算を発表し、ほかの大手銀行の収益も好調で、今年に金融不安が広がったことを忘れてしまいそうです。大手資産運用会社のBLK(ブラックロック)は、プライベート・エクイティの投資利益に押し上げられ、調整後利益が25%増加しました。ただし、資金流入は鈍化しました。
全米の有線ネットワークの一部に鉛被覆配線が使用されており、その汚染除去に多額な費用がかかるとの懸念が高まり、T(AT&T)は▼4.10%と大きく下落して約30年ぶりの安値を記録しました。VZ(ベライゾン)の株価は▼1.82%となりました。両社とも高配当株投資銘柄として知られており、高配当投資信託やETFの主要構成銘柄に位置付けられています。1週間のレンジでも、Tは▼7.11%、VZは▼5.26%と落ち込んでおり、私も成り行きに注目しています。
DIS(ウォルトディズニー)のボブ・アイガーCEOは、地上波TV資産の売却を提案しました。爆弾発言と表現しているメディアもあります。これは、全国的に地上波TVビジネスが長期的に衰退しているので、誰が買うの?と疑問視されているからです。ネットの発展によりVOD(ビデオオンデマンド/動画サービス)に地上波TVが押されているのは、米国だけでなく日本を含む世界的な現象です。
原油先物価格は$75.23まで▼2.16%下落、10年債利回りは再び3.819%(△1.54%)上昇、ドル円はわずかに円安方向に進んで138円台後半に達しています。
自分の米ドル建ポートフォリオは全体で▼0.29%でした。保有ETFはすべてマイナスとなりましたが、下落率が低かったので買い増しはしませんでした。TとVZを上位構成銘柄にしているVYMの今後しばらくは心配です。
週末ですので、今週1週間の株価動向マップを示します。ここでもVZ(ベライゾン)とT(AT&T)の下落が目立ちます。
1週間のセクター別騰落率は以下の通り、全セクターがプラスでした。
週明け7/17(月)の経済発表は以下の通りです。ニューヨーク連銀の製造業景気指数はボラティリティが高く、他の州連銀の製造業景気指数と異なる動きをする場合もあります。
大企業の決算発表予定は以下の通りです。
夕刊フジの報道によると、退職金、配偶者控除、扶養控除、生命保険控除、さらには現在非課税の通勤手当や社宅の貸与までが増税の対象としているようです。定期券代を支給されたら税金をとられたら、その分は自費持ち出しになるのでしょうね。岸田首相の親族は財務省が多いこともあって財務省に圧倒的に弱いために、政府税調の答申は、財務省の希望が民間から選ばれた議員による委員会がそのまま認めてしまっています。日本経済を支えているサラリーマン・サラリーウーマンからがっぽり税金を取り上げる政策では、優秀な学生や転職を考えている若手人材の海外流出を招きますし、国内に残っても労働意欲がそがれてしまいます。日経平均やTOPIXが躍進しても、増税を繰り返す岸田政権が続く限り、日本経済が発展しないのではないかと危惧しています。為替リスクをきらって米国株投資をためらっておられる方は、日本株投資だけでよいのか再検討されるべきかと思います。
さて、日本では3連休が始まりました。猛暑と大雨が予想されていますので、気を付けてお過ごしください。それでは、良い週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。