昨夜は売りから始まりましたが、主要3指数は引けにかけて徐々に前日終値までほぼ回復して終えました。セクター別騰落率では、エネルギー(Energy)が最も買われ、通信サービス(Communication Services)が最も売られる結果でした。
中華人民共和国の不動産開発会社「恒大集団」が米国の裁判所に破産を申請した報道が世界中に広がりました。世界中の株価暴落を心配する声もありましたが、上海総合指数の終値は▼1.00%、香港ハンセン指数の終値は▼2.05%の下落にとどまったことで、欧州も独DAX▼0.65%、仏CAC40▼0.38%、英FTSETM▼0.65%、そして日経平均は▼0.55%と小幅な下落にとどまりました。
しかしながら破産申請の影響は、仮想通貨に波及したのかもしれません。世界最大の仮想通貨ビットコイン(BTC/USD)は一時▼9%下落しました。6月中旬以来の安値に匹敵し、時価総額で数百億ドルが吹き飛んだことになります。
DE(ディアー&カンパニー:農業用機械など)は、アナリストの予想を上回る決算発表をしたにもかかわらず、株価は下落を続けています(終値は▼5.28%)。
PANW(パロアルトネットワークス:ソフトウェアとインフラ)は、終値は△1.02%でしたが、引け後の決算発表がアナリストの予想を大きく上回ったことで、アフターマーケットで株価は△8%を超えて高騰しています。
EL(エスティ―ローダー:化粧品製造販売)は、アジアの事業部門の回復が遅いと予想した決算発表で、1株あたり利益がアナリストの予想を下回ってしまい、株価は▼3.31%まで下がりました。
原油先物は$81.28(△1.11%)まで値上がりしました。10年債利回りは4.251%(▼1.32%)と若干下がりましたが、高利回りが続いています。ドル円は円高に推移して145円台前半まで下がりました。
自分の米ドル建てポートフォリオはほぼ前日終値と同じで△0.03%でした。恒大集団のニュースの後だったので、これで良しとしています。
週末ですので、1週間のマップをします。NVDA(エヌビディア)の△5.98%と、LLY(リリーアンドカンパニー)の△3.44%が目立ちますが、アパレル業界のTJX△4.23%とROST△4.70%も買われました。一方で、TSLA(テスラ)は▼11.19%と売られました。巨大ハイテク企業のGAFAMはじり貧で、中でもMETAが▼6.10%と売られました。
1週間のセクター別騰落率ではプラスがありませんでした。最も株価が下がったのは一般消費材(Consumer Cyclical)で、TSLA(テスラ)とAMZN(アマゾン)の影響を受けました。このほか、不動産(Real Estate)と素材(Basic Materials)の下落率が大きかったです。
8/21の経済発表は以下の通りです。時価総額$300億以上の企業決算発表は、オーストラリアのBHP社だけです。
米国国民は、日本国民よりも株式投資に積極的と言われていますが、株式投資に慎重な「貯蓄派」の人々も、MMF(マネーマーケットファンド)の高い預金金利に惹かれて利用者が増えているようです。国債も高金利ですし、結果としてアメリカ人の財布は太っているそうです。FRB(米国連邦準備制度理事会)が消費活動を抑えようと高金利政策を続けていますが、その副作用で米国消費者の懐が潤ってしまったのは皮肉なものですね。
夏枯れの8月も第3週が終わりました。株価は低迷しているものの、米国の景気はかなり良いデータが出ていますので、いつかはきっと株価は上昇すると思って長期投資を続けたいと思っております。それでは、週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。