昨夜の終値は、主要3指数そろって下落しました。ニューヨーク連銀による9月の製造業景気指数がアナリストの予想に反してプラスとなったことがFRB(米国連邦準備制度理事会)の高金利政策の長期継続を支える理由となるので下落のきっかけだったようです。また、昨日の引け後に発表されたアドビの決算の通期見通しの悪化も、先端技術系の株価に重しとなりました。
セクター別騰落率では全セクターが下落しており、技術開発に多額の有利子負債を抱える先端技術(Technology)の下落が最も顕著でした。
ニューヨーク連銀の製造業景気指数は、フィラデルフィア連銀製造業景気指数やISM製造業購買担当者景気指数に先んじて発表されるので速報性は高いと言われているものの、2年前から月間の振れ幅が大きく信頼性に疑念が出ているようです。米ドルが全面高なので輸出市場が弱いだけでなく、売り上げに合わせて在庫調整もしているので、製造業は今年全般に苦戦していると経済アナリストは予想しています。しかしながら、プラスと公表された指数は、将来の需要に対して楽観的な見方を示唆しているといえます。
ミシガン大学が発表した9月の消費者調査速報値で、1年先のインフレ期待が3.1%、5年先は2.7%と、いずれも市場予想を下回りました。ミシガン大の消費者調査ディレクター、ジョアン・シュー氏は「調査全体を通じ、消費者はインフレ鈍化が止まっていることに注目している」と発表文で指摘しました。しかしガソリン代の高止まりと原油価格が上昇を続けている状況を踏まえ「全般的なインフレの減速は再開すると見込んでいる」と分析しました。このことから、期待インフレ率が予想以上に下がっても、株価下落の流れを止める材料にはなりませんでした。
アップルのiPhone15シリーズの予約受付が開始され、製品発表会は眠たくなるようなものと酷評したアナリストもいましたが、蓋を開けてみれば大好評で最上位機種のProMax(日本では189,800円から)の初回発送が11月まで後ずれしています。高額機種への旺盛な需要がうかがえます。中華人民共和国ではPro Maxのすべての機種について出荷が11月まで遅れ、英国は一部機種が7~8週間、カナダは6~7週間、インドでも一部で最大8週間の遅れです。前年発売されたiPhone14Proに比べて100ドル高い価格設定でしたが、好調な予約状況は値上げによる顧客離脱がないことを示しているといえます。上位から2番目の15 Proでも発送の遅延が出ているそうです。先端技術(Technology)セクターの株価が▼1.82%と下落している中で、AAPL(アップル)の終値が▼0.41%でした。
ブルームバーグ社は経済アナリスト46人を対象に9/11-14に実施した調査では、年内にもう1回の追加利上げを示すだけでなく、来年に入ってからも以前の予測よりも長期間にわたって高金利状態を据え置くとの予想が多かったそうです。この報道も、株価下落につながったと考えられます。
UAW(全米自動車労働組合)はBIG3自動車メーカー(ゼネラルモーターズ、フォードモーター、クライスラー)に対してデトロイトで史上初の一斉ストライキに入りました。原因は賃上げ交渉の決裂です。バイデン大統領はストライキに対して「公正な賃金と彼らが考える賃金を確保するためのUAWの取り組みを支持する」と表明しています。とはいえ、米国のGDPに56億ドルの打撃を与え、10日後には、UAW の賃金損失は総額約 8 億 6,000 万ドルになる可能性があります。GS(ゴールドマン・サックス)は、自動車メーカー3社すべてがストライキを実施すれば、ストライキが続く週ごとに米国の四半期年率換算GDP成長率に0.05─0.10%ポイントの悪影響を与えると予想しました。
4兆ドルのオプションイベントが始まりましたが、株式市場の静穏を脅かすようです。日本の株式市場よりも米国市場はボラティリティが高いとされてきましたが、今後はさらに高まる可能性があります。長期投資を目指している方は、時には忍耐力が問われるでしょう。慌てて売りに走ると彼らの格好の餌食になってしまうので注意しましょう。
DIS(ウォルトディズニー)の最高情報責任者ダイアン・ユンゲルスが退任されました。経営幹部の退職が3カ月で二人目です。
原油先物は上昇が止まらず$91.14(△1.09%)まで上昇、10年債利回りは4.322%(△0.79%)上昇、ドル円は円安に振れて年初来安値更新で一時147.95円まで下落しました。
自分のポートフォリオは▼1.42%でした。NASDAQが▼1.56%に対して、これに追随を目指しているQQQは▼1.71%と少し大きめの乖離も原因かと思います。売買はしてないので関係ありませんけどね。
週末なので、1週間のマップとセクター別騰落率を示します。TSLA(テスラ)、CVS(シェブロン石油)、QCOM(クアルコム)、T(AT&T)の躍進が目立ちました。
セクター別では、公益事業(Utilities)の伸びが目立ちました。
週明け9/18の経済指標発表は以下の通りです。
私の起床時間(4:45AM)に外が日を追うごとに徐々に暗くなっていくことを感じていましたが、とうとう今朝は真っ暗でした。残暑はまだまだ厳しいですが、季節は確実に進んでいることを再認識しました。
今日から3連休の方も多いと思います。お仕事の方もおられるかと思いますが、明るく元気に笑顔で過ごしましょう。