主要3指数の終値はそろって反転しました。中小企業指標のRUSSELL2000もかろうじてプラスでした。セクター別騰落率では通信サービス(Communication Services)、一般消費材(Consumer Cyclical)、先端技術(Technology)、不動産(Real Estate)の順に1%を超える反発となりました。一方で原油価格の低下に伴い、エネルギー(Energy)は▼3%と続落となりました。
OPEC(石油輸出国機構)は価格高騰の恩恵を受けたいがために供給抑制維持としました。ところが、米国だけでなく欧州は価格高騰による需要抑制が顕著になっており、中華人民共和国は価格高騰を受けて国内の在庫を取り崩す動きとなり、JPモルガンのアナリストらは今四半期の原油需要は減少し、年末の価格目標は$86/バレルと述べました。すると原油先物価格はなんと$84まで大幅に下落してしまい、エネルギーセクター株は昨日に続く大幅な下落となりました。
9月のADP民間雇用者数は、2021年1月に前月比マイナスとなって以降で最も小幅な伸びとなりました。賃金増加のペースも緩和されていて、複数の業種で労働需要が鈍化している兆候が示されました。昨日公表されたJOLTの報告では求人数が予想以上の増加でしたので相反する結果と言えます。JPM(JPモルガンチェース)のエコノミスト、ダニエル・シルバー氏は「ADPと米政府発表の雇用統計(10/6予定)の緩い相関関係はさておき、ADPのデータは雇用の伸び鈍化というここ数カ月のトレンドを示している。これは労働市場で起こっているはずのこととおおむね整合すると当社では考えている」とリポートで指摘しました。
ISM(米供給管理協会)が発表した9月の非製造業指数は53.6で8月の54.5から低下して市場予想と一致しました。9月の指数で、非製造業部門の支払い価格が高止まりすると同時に、雇用の鈍化が緩やかな水準にとどまっていることも示されました。政策金利の上昇を背景にモノからサービスへの消費の移行がサービス産業の需要を下支えしているようです。
アルファベット傘下のGOOG(Google)は、Pixel やスマートウォッチ「Pixel Watch」、イヤホンを含む新製品のラインナップを発表しました。新機種でアップルの「iPhone(アイフォーン)」に真っ向から挑む構えのようです。Pixel 8 ProはiPhone 15 Proと同じ999ドル(約14万8700円)、Pixel 8はiPhone 14と同じ699ドルとしています。日本でもiPhoneの高いシェアを、AndroidよりもPixelが食っている傾向があるようです。GOOGの株価終値は△2.23%でした。
カイザー・パーマネンテ労働組合の労働者ストライキが始まり、米国で史上最大規模の医療ストライキとなっています。労働者らは契約期限が切れ、労働組合が新たな協定によって賃金と人員配置がどの程度増加するかについてカイザーと合意に達できなかったのが原因です。患者への影響を最小限に抑えるため、カイザーは一部の欠員を埋めるために臨時職員を採用するものの、必要に応じて一部の予約を延期したり、小売薬局や一部の人々についてはカイザー以外の病院にもネットワークを拡大するとしています。
TSLA(テスラ)の株価が△5.93%に急騰しましたが、同社関連の主なニュースがなかったことから、EVベアーズと呼ばれる空売り後のショートカバーではないかとの観測されています。
下院議長選に共和党強硬派のジム・ジョーダン議員が名乗りを上げました。同氏はトランプ前大統領と近い存在で、バイデン大統領に関する弾劾調査を進めている議会幹部です。記者団に対して、議長に選出されたらウクライナへの追加支援を阻止する考えを示しています。また、共和党ナンバー2のスカリス院内総務も下院議長選に正式に名乗りを上げました。同氏は今年8月に血液のガンに罹患していることを公表していますが、治療はうまくいっていると話しています。
来年の米大統領選の民主党候補指名争いに名乗りを上げているロバート・ケネディ・ジュニア氏が、無所属に転じて大統領選に挑戦する見通しとなりました。政治アナリストは、激戦州で民主党バイデン氏や共和党トランプ氏から票を奪い選挙戦の構図が複雑化する可能性を指摘しています。環境弁護士、反ワクチン活動家として知られるケネディ氏は、故ロバート・ケネディ元米司法長官の息子で、1963年に暗殺されたジョン・F・ケネディ元大統領の甥に当たり、知名度が高いです。9日にフィラデルフィアで無所属での出馬を発表するとみられています。
原油先物は前述した通り大幅な下落、10年債利回りは4.735%(▼1.40%)まで低下しました。ドル円は149円台で推移しています。150円近くで急落したのは、日銀介入ではなかったのではないかとされています。市場が神経質になっていた上、節目である150円を割り込んだことに反応した取引アルゴリズムが組み合わさった可能性なども考えられるそうです。鈴木財務大臣が介入の有無を明らかにしないのは、投機筋に対する防衛を最大限とするためと思われます。数カ月にわたる警告の後に当局が行動したとしても驚きではないものの、たとえ介入したとしても昨年のような効果はなかったとの見方でアナリストは一致しているようです。
自分の米ドル建ポートフォリオは△0.97%と反発しました。今回の株価下落では、10/3のVOOとQQQを1株ずつ成行で買増し(約11万円)で終わりました。でも、ボラティリティが高い米国株なので、刺さらなかった指値はこのまま継続して、急な下落時に買えるようにしています。
10/5の経済指標発表は以下の通りです。労働市場の逼迫状況を示すデータがJOLTとADPで分かれていることから、10/6の雇用統計を予想する上で失業保険申請件数には注目が集まりそうです。
英国銀行のバークレイズはシニアのディールメーカー約50人を解雇するようです。今回の人員削減は、コーポレート・投資銀行部門で約300人を減らす計画の一環だそうです。バークレイズを含む各行は、ディールメーキングと資本市場活動の低迷長期化に見舞われていまして、バークレイズの投資銀行部門の手数料収入は4-6月(第2四半期)に前年同期比15%減少したようです。
米国議会の混乱により、バイデン大統領が率いるウクライナ支援政策の行方に暗雲が立ち込めてしまいました。大統領自ら日本の総理に大幅な追加資金提供を求めてくることが予想されます。岸田政権はどのように振舞うのでしょうか。
今日は一粒万倍日、将来に向けた良い種まきをしておくと良い吉日です。明るく元気に笑顔で過ごしましょう。