主要3指数の終値はそろって続伸しました。中小企業指標のRussell2000は株価の動きが主要3指数よりもさらに小さく、終値は▼0.20%と若干マイナスとなりました。明日のCPI(消費者物価指数)の発表を前にした様子見で全体的には小動きでした。CPIよりも数か月先を占う9月のPPI(生産者物価指数)が市場予想よりも高かったことを受けて、再びFOMCによる再度の利上げの懸念が広がって売られたものの、前回FOMCの議事要旨が公開されてから戻しました。
セクター別騰落率では、不動産(Real Estate)、公益事業(Utilities)、通信サービス(Communication Services)が1%を超える上昇でした。
FRB(連邦準備制度理事会)のボウマン総裁(中立派、投票権あり)は、インフレ率を中銀の目標まで下げるには、金利をさらに上昇させ、これまでの予想よりも長期間高止まりする必要があるかもしれないと述べました。ボウマン氏の発言は、物価圧力を抑えるためには複数回の利上げが必要になる可能性が高いと述べた10月2日の発言に比べると、ややタカ派っぽく聞こえなかったようです。
MBA(アメリカ抵当証券)30年住宅ローンの利率は7.67%と2000年11月以来23年ぶりの高さとなりました。
PPI(生産者物価指数)は前年比2.2%と市場予想の1.6%を上回り、前回の前年比2.0%をも上回りました。ボラティリティが高いエネルギーと食品のを除くコアPPIでも前年比2.7%と市場予想2.3%を上回り、前回の2.5%を上回りました。コアPPIから輸送費も覗いた値では2.8%と市場予想の3.0%を下回りました。輸送費は原油高にも影響を受けていることから、原油高の影響を除けば物価上昇率は鎮静化していることになります。
FRBのウォーラー総裁(タカ派、投票権あり)は、2%のインフレ目標を強く再確認する一方、FRBの責務のもう一方の側面である最大雇用の水準は時間の経過とともに変化する可能性があると指摘した。
アトランタ連銀のボスティック総裁(中立派、投票権なし)は、インフレ率の低下が止まり始めない限り、米中銀は利上げを続ける必要はないと述べた。同氏は水曜日、メトロ・アトランタ商工会議所での講演で、「今日、金利に関してこれ以上何もする必要はないと思う」と述べました。
前回のFOMCの議事要旨では、政策をしばらくの間は制限的で継続すべきであるとの認識で一致したが、インフレ率を2%に向けて下降軌道に維持することと今後の引き締めのリスクとのバランスを取る必要があると指摘しました。参加者は総じて、金融政策のスタンスが制限的な領域にあることで、委員会の目標達成に対するリスクはより両面的になったと判断したようです。この内容が参加者全員がハト派的に傾いていると思われたことから、議事要旨発表後には株価が上昇に転じたようです。
XOM(エクソンモービル)はパイオニアを$600億で買収、巨大シェールガス企業の創設へ動き出しました。株価は▼3.58%と原油価格下落の影響の方が大きかったようです。
ノボノルディスク社が同社の糖尿病治療薬が腎臓病の治療にも有望であると発表したことを受けて、ライバルのイーライリリー株が△5.04%も急上昇しました。
原油先物価格は$84.00まで▼2.29%と大きく下落、10年債利回りは4.595%(▼1.29%)まで下落しました。ドル円は円安方向に動いて149円台に乗せて取引が続いています。
自分の米ドル建ポートフォリオは△0.52%で、静観あるのみでした。
10/12はCPI(消費者物価指数)が発表されてから市場がスタートします。FRBが最も注目しているインフレ率は2%に近づいているのでしょうか。
決算発表予定も主なものを示しておきます。デルタ航空は航空運輸業界を、ドミノピザは食品業界の今後の決算状況を占うものとして注目されそうです。
投資家たちは、予想を上回るFRBのインフレ指標2%を無視して、FRB(連邦準備制度理事会)の講演者らのあまりタカ派的でないコメントに注目する中、株価は売られ過ぎの水準からの反発を拡大したようです。次のFOMC(10/31-11/1)までは、FOMC参加者の発言、特にタカ派と言われているメンバーの発言によって株価が動きそうです。
イスラエルとハマスとの戦争は、地上戦が迫り更なる一般市民が犠牲になると懸念されています。米国はブリンケン国務長官をイスラエルに派遣して全面的な支持を伝える模様ですが、ロシアは批判するなど、地政学的リスクの高まりに注意が必要です。
IMFは中華人民共和国と民間金融機関の間で行き詰まった債務について協議するそうです。
今日は大安吉日です。それでは今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。