昨夜は主要3指数の終値はそろって反落、中小企業指標のRussell2000は2%を超える下落となりました。CPI(生産者物価指数)が市場予想を上回ったことでインフレ鈍化が期待したほど進んでいないことでFRBの高金利政策を継続する、またはさらに強化する理由が示されました。大手企業に比べて中小企業の株価が大きな下落となりました。
セクター別騰落率ではエネルギー(Energy)だけがわずかに上昇し、他のセクターはすべて下げました。最も下げたのは、素材(Basic Materials)と公益事業(Utilities)で、先端技術(Technology)の下げは比較的少なかったです。
労働省統計局が発表した9月の消費者物価指数(CPI)は前年比△3.7%上昇(予想3.6%)で、8月の3.7%上昇と同じとなりました。2カ月連続で加速していた物価上昇は一服しました。9月の8月比は0.4%上昇、伸びは8月の7月比の0.6%から鈍化したものの、市場予想の0.3%を上回り、高い水準は続いていることが明らかになりました。エネルギーと食品を除く9月のコア消費者物価指数(CPI)は前年比4.1%上昇で、市場予想の4.1%と一致し、2021年9月以来最低の伸びとなり、6ヵ月連続で下落しました。インフレ鈍化が期待したほど進んでいないことが示唆され、FRBによる高金利維持または強化する理由となることから、株価は下落して債券利回りは上昇しました。
CPI発表後、トレーダーの間では年内の利上げの確立はほぼ半分とみているようです。
失業保険申請件数は20.9万人で先週の20.9万人よりも増えて21.0万人と予想されていましたが先週と同じであり、労働市場の緩和を示すに至りませんでした。
インフレが高止まりしていることを受け、バイデン大統領は 巨大企業(IBM、AMEX、ベクテルなど)のCEOと会談したようです。
ボストン連銀のコリンズ総裁(中立派、投票権なし)は、最近の米国債利回りの上昇が続けば、中銀によるさらなる利上げの必要性が薄れる可能性があると述べました。
DAL(デルタ航空)の第3四半期決算は予想を上回る急上昇でしたが、インフレが進行しているデータが示されているのにもかかわらず国内線運賃が5%下落していること、消費者が生活防衛で航空機旅行を避けてきていることなどから悲観され、株価終値は▼2.31%と冴えませんでした。
DPZ(ドミノピザ)は決算を受けて株価は▼1.10%下落しました。経営陣は強気の姿勢で努力をしていますが、国内フランチャイズの既存店売上高が低迷したことにより、売上高の最大の損失が見られました。それに加えて、第 3 四半期には、店舗の価格を設定する同社のマーケット バスケットの減少と注文量の減少により、サプライ チェーンの収益も打撃を受けました。
ウォール街の多くの投機筋は、金利がピークに達したという確信に満ちた賭けでTLT(米国債ETF)に記録的な額に現金をつぎ込んできましたが、年間を通して推定$100億(1兆4,900億円)の損失を出した模様です。
原油先物は$83.50(△0.01%)とわずかに上昇、10年債利回りは4.712%(△2.55%)と高騰、ドル円は149円台後半まで円安で進んで取引が続いています。金先物と銀先物は低下しました。
自分の米ドル建ポートフォリオは▼0.51%でした。消費者物価指数の発表を受けても下落が自分の予想よりも小さく指値は刺さらず、持株数を増やすことができませんでした。
10/13の経済指標発表は以下の通りです。高い重要性のものはありませんが、ミシガン大学の経済調査の結果は、今後の公式データを占う上で精度が高い指標とされるので、株価を動かす可能性があります。
決算発表はユナイテッドヘルスと複数の巨大銀行が予定されています。発表は昼間なので、こちらも株価を動かす要因になるでしょう。
米国は、イスラエルの空爆から逃れようとする民間人に安全な通路を提供するため、ガザとラファ国境を共有するエジプトと協議しているようです。エジプトのアブドルファッタハ・エル・シシ大統領は軍卒業式のテレビ演説で、ガザ人は「毅然として自分たちの土地に留まるべき」と述べています。また、バイデン大統領はウクライナ支援に続き、イスラエル紛争への対外援助を正式に要請すると発表しました。ウクライナ支援の予算に反対した共和党の強硬派が、下院議長を空席にしている状況で、議会が混乱するリスクもありそうです。
ロシアのAndroidモバイルユーザー向けに、親プーチン戦争推進のプロパガンダがGoogleのブロックをすり抜けて配信され、ロシアの視聴者に誤解を与えているようです。ロシアのウクライナ侵攻も長期化して、ロシア側の士気が低下を向上させるためと考えられます。
米国株投資をする上で、地政学的リスクから目が離せない状況が続きそうです。
それでは今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。