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主要3指数はそろって下落しました。最も影響した原因は、イスラエルとハマスの紛争という地政学的リスクに加え、一部の企業の悪い決算発表によるものです。ガザ地区の病院が爆撃されて一般市民に悲惨な被害が出ましたが、誰が攻撃したのかについてはイスラエルとハマスの言い分が異なっています。イスラエルは病院に残された弾頭から「イスラム聖戦」というハマスとは別のガザのテロ組織と主張し、バイデン大統領はイスラエルが攻撃したという誤解を解く行動を約束しました。また、バイデン大統領のヨルダン訪問によるアラブ諸国首脳との会談がキャンセルされたことが、投資家の不安を誘いました。
セクター別騰落率では、原油高騰による増益が見込まれるエネルギー(Energy)と生活必需品(Consumer Defensive)が上昇して、それ以外は2%を超えるセクターもあるなど、大きく下落しました。
FRB(米国連邦準備制度理事会)のウォラー理事(タカ派、投票権あり)は、10月31日-11月1日のFOMC(米国連邦公開市場委員会)で金利据え置きを支持することを示唆したようですが、現時点で判断するのは時期尚早だと付け加えています。
ニューヨーク連銀のウィリアム総裁(中立派、投票権あり)は、金利は当面の間、景気抑制的であるべきとし、インフレ率2%に戻すために粘り強く取り組むつもりだと発言しました。
TSLA(テスラ)の決算発表はマーケットの終了後でしたが、アナリストの予想が減収減益だったことで株価は▼4.78%と売られました。しかしながら、決算発表で2023年の生産目標台数が180万台と変わらなかったことなどから、アフターマーケットでは下げ止まって△0.76%で取引が続いています。
MS(モルガンスタンレー銀行)は、アナリスト予想までは届かなかったものの大幅な減益を発表し、株価は▼6.79%と売られました。
PG(プロクターアンドギャンブルカンパニー)はアナリストの予想を超える良い決算発表で株価は△2.58%と買われました。
ABT(アボット研究所)は、新型コロナウィルス検査関連の売上高の減少を公表しましたが、アナリストの予想よりも高かったことから株価は△3.71%と買われました。
NFLX(ネットフリックス)は、引け後の決算報告で加入者が急増したことが示され、終値は▼2.68%でしたが、アフターマーケットで急反発(現在△12%超)しています。
原油先物は$88.16(△1.73%)まで高騰してきました。10年債利回りは4.904%(△1.18%)まで上昇、ドル円は150円に届きそうなところまで円安になっています。金も買われています。
自分の米ドル建ポートフォリオは▼1.32%でした。指値まで届くほどの下落ではなかったので、持株数増につながりませんでした。
明日のブログはお休みさせていただきますので、19日と20日の掲載指標を示しておきます。来週からはFOMCの委員による発言は11/1までありませんので、19日のパウエル議長発言には注目が集まるでしょう。
19日と20日の時価総額$30B以上の企業決算発表予定は以下の通りです。
米国債の金利が上昇していますが、FRBは米国政府が抱えている33兆5000億ドル(約5000兆円)もの債務に対する債券投資家の不安にどう対応すべきか苦慮しており、今後、潜在的な政策の落とし穴に直面する可能性があるようです。米財政の先行きに対する懸念は既に米国債利回り上昇の一因となり、FRB当局者を驚かせ、追加利上げの先送りを検討させている。政府の赤字と債務をめぐる不安は長期金利に上昇圧力をかけ、成長を鈍化させ、失業率を押し上げる恐れがある。同時に、FRBが連邦政府の借り入れコストを抑えるために物価安定の目標を軽視していると受け止められれば、なおさらインフレを起こすことになります。また、米国債の2大保有国である中華人民共和国と日本が購入を縮小するかもしれないことも憂慮されているようです。
下院議長選は、ジョーダン氏が2度目の選挙で共和党議員22名の反対票で失敗しました。反対票は1回目よりも2票増えているようで、先行きが不透明となっています。共和党議員は、ウクライナやイスラエルという国外支援が赤字を増大させるので反対しているようです。日本でも、海外への支援金は億単位で即決しているのに対し、国内の予算増には財源が必要と増税をちらつかせて時間がかかっているような気がしているのは、私だけでしょうか。
20日朝と21日朝のブログは、夫婦で旅行に行くのでお休みさせていただきます。それではみなさま、ロシアによるウクライナと、イスラエルーハマスの紛争が一日も早く収束し、一般市民の死傷者がこれ以上出ないよう願いながら、明るく元気に過ごしましょう。