S&P500 ヒートマップ(高解像度)

主要3指数とドル円の動き
- S&P500:
S&P500は6,296.79で取引を終え、0.57ポイント(-0.01%)のわずかな下落を記録しました。始値は6,312.95、最高値は6,315.61、最低値は6,285.27でした。この日の動きはほぼ横ばいで、特に大きな変動は見られませんでした。市場のセンチメントは中立的であり、米国経済に関する不確実性が引き続き影響を与えている様子です。 - ダウ平均(Dow30):
ダウ平均は44,342.19で終了し、142.30ポイント(-0.32%)の下落を記録しました。始値は44,571.70、最高値は44,571.68、最低値は44,224.59となり、金融株や工業株の弱さが影響したと見られます。リスク資産からの回避が進み、投資家の慎重な姿勢が反映された結果です。 - NASDAQ:
NASDAQは20,895.66で取引を終え、10.01ポイント(+0.05%)の小幅な上昇を記録しました。始値は20,959.60、最高値は20,980.56、最低値は20,846.12でした。テクノロジー株の堅調な動きが支えとなり、他のセクターが不安定な中でもわずかながらの上昇を見せました。特にテック関連の銘柄が引き続き市場に好影響を与えています。 - ドル円:
ドル円は148円19銭まで下落した後、148円80銭まで回復して引けました。ウォラーFRB理事の発言により早期の利下げ観測が強まり、米国の消費者信頼感指数速報値で期待インフレ率が大幅に低下したことで、ドル売りが加速しました。しかし、その後、信頼感指数が予想以上に改善したため、早期利下げ観測が緩和され、ドルの買い戻しが強まる結果となりました。この動きは、米国経済の回復期待とFRBの政策スタンスが影響を与えたものです。

セクター別騰落率
公益事業(Utilities)が最も大きく上昇し、+1.58%の増加を記録しました。次いで、一般消費材(Consumer Cyclical)が+0.82%上昇しました。その他では、不動産(Real Estate)が+0.25%、素材(Basic Materials)が+0.15%と小幅な上昇を見せました。一方、ヘルスケア(Healthcare)は-0.73%の下落を記録し、最も厳しいパフォーマンスとなりました。エネルギー(Energy)も-0.4%と下落し、全体的にエネルギー関連は苦戦した一日でした。金融(Financial)や工業・産業(Industrials)も下落し、全体として市場の不安定さが反映された動きとなっています。

ETFトップ10
ETFs(上場投資信託)のパフォーマンスでは、主要なETFが一部下落、またはほぼ変動なしで取引を終えました。
経済指標発表 結果
- 建築許可件数(6月):
6月の建築許可件数は1.397M(前月比+0.2%)となり、予想の1.39Mを若干上回りました。これは米国住宅市場の堅調な需要を反映しており、特に住宅の建設に対する信頼感が高いことを示しています。建設許可件数は住宅市場の先行指標とされており、今後の住宅供給を見越した動きとなります。 - ミシガン大学消費者信頼感指数(7月):
ミシガン大学消費者信頼感指数は58.6と予想の55.0を上回りました。この結果は、米国経済に対する消費者の信頼感が改善していることを示しています。消費者の信頼感の向上は、消費支出の増加を期待させ、経済の成長を支える要因となります。 - ミシガン大学期待インフレ率(7月):
7月のミシガン大学消費者信頼感指数では、短期(1年)および長期(5-10年)の期待インフレ率が注目されました。特に短期の期待インフレ率は4.4%と予想の5.0%を下回り、大幅に低下しました。この低下は、消費者がインフレの収束を期待していることを示唆しており、インフレ圧力の緩和を期待する市場の反応を引き起こしました。期待インフレ率の低下は、FRB(連邦準備制度)が引き続きインフレ抑制に向けた政策を維持する根拠となるため、今後の金融政策に重要な影響を与える可能性があります。 - アトランタ連銀GDPNow(Q2):
アトランタ連銀のGDPNowは、2025年第2四半期の米国経済成長率を2.4%と予測しています。この予測は、米国経済が堅調な成長を維持していることを示唆しており、特に消費や投資が支えていると考えられます。経済の成長が市場に与える影響は大きいため、注目されています。

主な決算発表結果
- アメリカン・エキスプレス(AXP):
AXPは1株当たり利益(EPS)で4.08ドルを計上し、市場予想の3.87ドルを大きく上回りました。売上も178.6億ドルで予想の177億ドルを超過。堅調な個人・法人向けクレジットカード利用が背景にあり、消費者の支出意欲が引き続き高いことを示しています。この好決算を受け、株価には上昇圧力がかかるとみられます。 - チャールズ・シュワブ(SCHW):
SCHWはEPSが1.14ドルで予想の1.09ドルを上回り、売上も58.5億ドルで市場予想の57億ドルを超えました。利回り上昇による運用収益の増加と口座開設数の増加が寄与しました。顧客資産の堅調な推移が同社の安定成長を支えており、今後の金利動向により一段の注目が集まりそうです。 - スリーエム(MMM):
工業製品大手のMMMは、EPSが2.16ドルと市場予想(2.01ドル)を上回り、売上も63億ドルで好調でした。製造コストの抑制や医療機器・産業資材の販売が収益を押し上げたとみられます。訴訟リスクの不透明感が残る一方で、業績回復の兆しが見える決算内容でした。

主な経済ニュース
- S&P500とNASDAQは、トランプ大統領の関税に関する最新の噂で一時下落した後、落ち着いた値動きで終了(REU)。
- FRBウォーラー理事の7月の利下げ要請を受け、国債利回りは低下(BLO)。
- FRBウォーラー理事、利下げの必要性を主張しながら7月の政策に反対する可能性を示唆(BLO)。
- FRBウォーラー理事はトランプ大統領の要請があればFRB議長として率いる用意があると述べているが、今のところ連絡はない(REU)。
- パウエル議長に賭ける投資家はショックを受けるかもしれない、と調査が示す(BLO)。
- シカゴ連銀のグールズビー総裁が新たな関税発表で利下げが遅れる可能性があると述べる(REU)。
- トランプ大統領がステーブルコイン法案に署名、仮想通貨業界に勝利をもたらす(BLO)。
- トランプ大統領の脅しとFRBの対立は論理が優勢となり市場を崩壊させることはできなかった(BLO)。
- 下院中国委員会、トランプ大統領のNVIDIA AIチップ販売促進策を批判(BLO)。
- シェブロンはエクソン訴訟に勝利したが、時間と石油、数十億ドルを失った(REU)。
- ヘッジファンド、100億ドルのヘス買収で巨額の利益を手に(BLO)。
- 日本の参議院選挙を前に、ヘッジファンドは円に対して弱気(BLO)。
地政学的リスク
金利・コモディティ・恐怖指数の動き
- 原油先物(8月限):
67.28ドルで取引を終え、前日比-0.26ドル(-0.38%)の下落。需給の安定感と中東リスクの一服感が価格を圧迫しました。一時68.96ドルまで上昇する場面もありましたが、利下げ観測の後退で上値は重くなりました。 - 米10年債利回り:
4.432%と前日比で0.031ポイント低下(-0.69%)。ミシガン大学期待インフレ率の低下により、インフレ圧力後退と見なされ、安全資産である国債への需要が強まりました。 - VIX指数(恐怖指数):
16.41で終了し、0.11ポイント(-0.67%)の低下。株式市場は全体的に落ち着いた動きで、投資家心理は比較的安定していることが示されました。ボラティリティの低下がリスクオンの姿勢を支援しました。 - 金先物(8月限):
3,356.20ドルと前日比+10.90ドル(+0.33%)上昇。インフレ期待の低下と米金利低下により、無利息資産である金の魅力が増し、買いが優勢となりました。安全資産としての需要も根強い状況です。

自分の米ドル建ポートフォリオ ▼0.08%
全体的に小幅安となりました。VGTやVOO、VYM、VIGがいずれも0.05~0.26%下落する中、安全資産のGLDM(金ETF)のみが+0.30%と上昇しました。私は様子見ムードで売買しませんでした。

今週の動き
- 個別銘柄の動き(ヒートマップより)
NVIDIA(+4.54%)やAMD(+7.22%)など半導体株が大きく上昇。AI需要の堅調や業界全体の強気なガイダンスが背景にありました。一方、Meta(-1.84%)やNetflix(-2.88%)は決算や広告事業の伸び悩みへの懸念から軟調に推移。UNH(-7.05%)など医療保険株は業績への不安から大幅安となりました。 - セクター別1週間騰落率
先端技術(Technology)が+2.2%と最も上昇し、AI・半導体関連の期待が市場を牽引。次いで公益事業(Utilities)や一般消費材(Consumer Cyclical)も堅調でした。一方、エネルギー(Energy)とヘルスケア(Healthcare)は大幅下落。原油価格の下落や保険会社の収益圧迫懸念が響いたと考えられます。


経済指標発表予定

主な決算発表予定

おわりに
本日の米国株市場は、S&P500が小幅下落、NASDAQはわずかに上昇、ダウ平均は軟調に推移しました。注目された経済指標では、ミシガン大学の期待インフレ率が大きく低下し、早期利下げ観測が再燃する一因となりました。ただし、同時に消費者信頼感指数が予想を上回る強さを示し、市場には利下げ期待と経済の底堅さが交錯する複雑なムードが広がっています。
企業決算では、アメリカン・エキスプレスやチャールズ・シュワブ、スリーエムなどの主要企業が市場予想を上回る好決算を発表し、個別銘柄の選別が一層重要になっています。一方で、医療保険やエネルギーセクターなどは決算や原油価格の低下による圧迫を受けて下落するなど、セクター間の明暗が分かれました。
今週を通じては、AIと半導体関連への期待からテクノロジー株が市場を牽引しましたが、インフレや地政学リスク、そして金利動向といったマクロ要因も無視できません。今後はFOMCメンバーの発言や、四半期決算のピークを迎える中での個別企業のガイダンスが重要な手掛かりとなります。
投資家にとっては、市場全体に目を配りつつも、企業のファンダメンタルズと金利動向に注意を払う姿勢が求められる局面です。短期的なノイズに惑わされず、中長期的な視点を持つことがリスク管理の鍵となるでしょう。
投資は自己責任にてお願いします。
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おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ