S&P500 ヒートマップ(高解像度)
  • Intel(Technology/先端技術)
    売上高は予想上回ったものの、第2四半期は調整後1株▲0.10ドルの赤字。構造改革として15%の人員削減や非採算事業停止を発表。これにより株価は約▲8.5%下落。投資家からは業績改善への道のりが長期化との懸念が強まっている。
  • Deckers Outdoor(Consumer Cyclical/一般消費材)
    Hoka と UGG ブランドの売上がそれぞれ+20%、+19%と好調で、第2四半期売上は前年比+17%。決算内容が市場予想を大幅に上回ったことで株価は約+11%急伸。グローバル展開の強さが評価されている。
  • Charter Communications(Communication Services/通信サービス)
    第2四半期決算でEarnings per shareが9.18ドルと、予想9.58ドルを大幅下回り、さらにネット回線契約数で41.7万人の減少を報告。これが嫌気されて株価は約▲18%暴落。市場心理に深刻な動揺をもたらした。
主要3指数とドル円の動き
  • S&P500
    前日終値は6,388.64と、+0.40%上昇し、週間では5回目の過去最高値更新。5日続けて記録更新という強い勢いで、年初来では約+8.6%上昇している。AI関連銘柄の牽引、特にNvidiaやAMDなどの好調が背景。市場全体の幅広い買い支えも確認される。
  • Dow30(ダウ)
    前日終値は44,901.92で+0.47%の上昇。S&P500やナスダックと比べると上昇幅はやや小さく、今年はまだ最高値更新は達成ならず。ただし金融や工業セクターの堅調が支えとなり、週間では+約1%の上昇となっている。
  • NASDAQ
    前日終値は21,108.32、+0.24%の上昇で、最高値更新。S&P500同様、AI関連株の強さが目立ち、半導体・テクノロジー株への投資マインドが活発。7月に入って12回目の最高値(月間最多)を記録。
  • ドル円の動き(USD/JPY)
    ドル円は2025年7月25日ニューヨーク市場で147円92銭前後まで上昇し、147円52銭まで反落し、引けた。米6月耐久財受注速報値の改善や7月連邦公開市場委員会(FOMC)での政策据え置き観測で金利上昇に伴うドル買いが優勢となった。その後、金利が低下に転じ伸び悩んだ。
セクター別騰落率
  • Industrials(工業・産業)
    前日比+1.05%と全セクター中で最も強い上昇を記録。GE、Raytheon、Eatonなどが買われ、設備投資回復や米インフラ支出増への期待が支えとなった。航空宇宙・防衛関連の業績堅調も背景にある。
  • その他、+0.5%以上の上昇を記録したのはConsumer Cyclical(一般消費材)+0.59%、Financial(金融)+0.49%。一方、Communication Services(通信サービス)-0.22%、Energy(エネルギー)-0.39%は下落したセクターで、利益確定売りが見られた可能性がある。
ETFトップ10

米国株ETFはS&P500連動型(VOO、SPY、IVV)が0.4%前後上昇し、全体的に堅調でした。VTIやVUGなどグロース株中心のETFも買われましたが、海外株ETF(VEA、IEFA)は小幅安となり、米国株優位の地合いが続いています。債券ETFのBNDは+0.25%上昇と堅調でした。

経済指標発表 結果
  • 耐久財受注(Durable Goods Orders)
    6月の耐久財受注は前年同月比では10.9%増加も、前月比で▲9.3%と大幅減少。旅客機需要の反動減が主因で、商業航空機注文が▲22.4%と急落しました。ただし、主要金額指標より航空除く受注額は+0.2%と底堅く、需給の基調は依然として強さを保っていると見られます。
  • コア耐久財受注(Core Durable Goods Orders)
    防衛・航空機を除くコア資本財受注は予想0.1%に対し実績+0.2%で上振れ。しかし、前月比では▲0.7%の減少となり、5月の+2.0%から落ち込み。これは企業の設備投資意欲が鈍化しつつあることを示唆しており、景気先行きに慎重ムードが広がっています。
主な決算発表結果
  • Aon(Financial/金融)
    第2四半期決算で、EPSは3.49ドルと市場予想(3.40ドル)を約2.7%上回り、前年の2.93ドルからも大幅増。売上高は41.6億ドルと前年同期比約10.5%増、予想を0.7%上回りました。NFP統合の効果やブローカー業務の強化で業績を底上げし、配当増と堅調なキャッシュフローが評価されています。株価は好決算を受け、一時的に上昇しています。
  • HCA Healthcare(Healthcare/ヘルスケア)
    6月期のEPSは6.84ドル(前年同期比+24.4%)、売上高は186.05億ドル(+6.4%)と共に予想を上回りました。患者数(same-facility equivalent admissions)は前年比1.7%増、営業キャッシュフローは前年比で倍増の42.1億ドルに達しています。さらに2025年通年ガイダンスをEPS25.50から27.00ドルに上方修正。ただし、今後の医療保険制度変更による収益圧迫リスクも指摘されています。
主な経済ニュース
  • S&P 500は「ピーク」の決算週を前に最高値を更新(BLO)。
  • ウォール街のミーム株ブームは衰退、小売業は新たな刺激を見出している(BLO)。
  • 連邦準備制度理事会(FRB)、トランプ大統領の建設現場視察を「光栄」と表現(BLO)。
  • ヘッジファンド、関税期限が近づくにつれ原油の強気ポジションを削減(BLO)。
  • メタ、EU規制を理由に政治広告の販売を停止へ(BLO)。
  • インテル、新CEOタン氏が事業を刷新、ネットワーク部門を分離へ(REU)。
  • パラマウント・グローバルはスカイダンスとの合併が2週間以内に完了すると発表(REU)。
  • トランプ大統領の独自の政府系ファンド設立計画に日本から5500億ドルの支援(WSJ)。
  • トランプ大統領がFRBに圧力をかければかけるほど、金利を引き下げる可能性は低くなる。
    大統領がFRBとの交渉が難しいと考えているなら、債券市場との交渉を始めるまで待つべきだ(WSJ)。
  • トランプ大統領とパウエル議長の連邦準備制度理事会訪問から得られた4つの重要なポイント(FOX)。
地政学的リスク
  • EUのフォンデアライエン氏、貿易協定締結に向けトランプ大統領と会談へ(BLO)。
  • ウクライナがロシアから領土を奪還したことを受け、マスク氏はスターリンク衛星サービスの停止を命じ、ウクライナの反撃を妨害(REU)。
金利・コモディティ・恐怖指数の動き
  • Crude Oil Sep 25(原油先物)
    WTI原油先物は65ドル台前半で推移し、前日比約▲1.5%下落。ドル高の影響や米ドル円での通商交渉への楽観見通し後退が背景。ベネズエラなどの供給懸念後退も重なり、需給先行き不透明感が価格を押し下げています。
  • CBOE 10 Year T No(10年債利回り)
    米CBOEが扱う10年国債利回りは約4.386%で、前日比で▲0.5%低下。利回りは横ばい〜微減で、先週末の4.41%水準から若干の低下。ただし高水準圏を維持しており、市場には依然として金利上昇への警戒感が漂っています。
  • ^VIX(VIX指数)
    VIX指数は14.93前後と前日比▲約2.99%と大幅低下。投資家のリスク回避姿勢が緩和し、ボラティリティ(変動性)期待が低下していることを示唆。市場心理は落ち着きを取り戻しつつあります。
  • Gold Aug 25(金先物)
    金先物価格は約3,337ドルと前日比▲約1.06%下落。ドル高の進行が金の魅力を相殺し、安全資産としての買いが一服。ただし、インフレ懸念などから中期的には底堅さも期待されます。
自分の米ドル建ポートフォリオ 前日比+0.23%

私のポートフォリオは、情報技術、S&P500、高配当、増配ETFがそろって上昇し、堅調な一日となりました。一方で金ETFは下落し、やや資金が株式にシフトした印象を受けます。全体としては安定した推移でした。

今週の動き
  • TXN(Texas Instruments)
    決算が市場予想を大幅に下回り、業績懸念で急落。
  • INTC(Intel)
    構造改革発表と赤字決算が嫌気され、大幅安に。
  • IBM
    ソフトウェア部門の成長鈍化が不安視され売られた。
  • GOOG(Alphabet)
    広告収入の拡大とAI関連期待で大幅高。
  • GILD(Gilead Sciences)
    新薬データと業績見通しの上方修正で急騰。
  • TMUS(T-Mobile)
    好決算と加入者増加が評価され、強い買いが入った。
  • PLTR(Palantir)
    AI案件受注増への期待から急伸し年初来高値を更新。
  • LMT(Lockheed Martin)
    受注停滞懸念と防衛費見直し報道で大幅下落に。
  • Healthcare(ヘルスケア)セクター
    今週、ヘルスケアはセクター別トップの上昇(+3.66%)を記録しました。イーライリリー(Eli Lilly)が+5.8%と牽引し、Johnson & JohnsonやAbbott、Merckも堅調でした。週末には米政権の医薬品価格政策リスクや法律整備への懸念も報じられたため、引き続きバリュエーションや政策動向の確認が重要です。
  • Basic Materials(素材)セクター
    素材セクターは週次で約+2.66%の上昇。今週は鉄鋼大手Cleveland‑CliffsやFreeport‑McMoRanなどが関税関連ニュースを背景に大幅に買われ、関税による国内生産優遇を見込んだリシャーリング関連の投資期待が高まりました。原材料メーカーにとって追い風の地合いとなっています。
経済指標発表予定

以下のものが発表される予定です。

主な決算発表予定

以下の通りです。

おわりに

本日の米国株市場は、主要3指数が揃って上昇し、S&P500とNASDAQは再び過去最高値を更新するなど、強気ムードが続いています。市場をけん引したのは、半導体やAI関連を含むテクノロジー株の底堅い動きに加え、医療・素材セクターといった景気敏感分野にも資金が流入した点です。特にヘルスケアは、好決算や薬価改定リスクの後退を受けて、週間で最大の上昇率を記録しました。

経済面では、耐久財受注がやや軟調だったものの、コア資本財の増加やGDPNow成長率の2.4%維持により、企業投資や景気の底堅さが確認されました。加えて、米金利の一時低下とVIX指数の下落は、投資家のリスク許容度が高まっている証左ともいえます。

ただし、テクノロジーや一部の成長株には過熱感も見られ、決算を通じた選別が強まりそうです。構造改革中のIntelや業績懸念のTeslaのように、大型株であっても売り込まれる局面が見られる点には留意が必要です。

今後も、米金融政策の方向性、地政学リスク、企業業績、そしてAIを巡るイノベーションの動向が相場を動かす主要テーマとなります。短期的な値動きに惑わされず、長期的視点で分散投資を心がけることが肝要です。

投資は自己責任にてお願いします。

それでは、良い週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

おことわり

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Muroi Kazuo
1959年2月生まれ 米国株、日本株、J-REITでFIRE達成しています。 米国株投資については、みなさんと情報共有したいと思っています。
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