S&P500 ヒートマップ(高解像度)
- META(+11.25%)
Meta Platformsは決算が市場予想を大幅に上回り、広告収益の回復やAIへの投資加速が好感されました。特にReelsやWhatsAppの収益化進展も評価されています。 - QCOM(-7.73%)
Qualcommはスマートフォン市場の需要鈍化が続き、中国経済の減速も重荷に。特にAndroid向けの高価格帯モデルの販売低迷が業績懸念に直結しました。 - LRCX(-4.93%)
Lam Researchは半導体製造装置の受注減速が嫌気されました。中国向け売上の比率が高く、地政学リスクや規制強化も株価下落の背景にあります。 - AMAT(-4.93%)
Applied Materialsは同業他社と同様に設備投資の抑制傾向が逆風となり、AI関連需要の恩恵が限定的との懸念から売られました。 - TSLA(-3.40%)
Teslaは自動車部門の利益率悪化や値下げ圧力が継続していることが警戒されました。中国での競争激化もマージン低下要因と見られます。 - AVGO(-2.98%)
Broadcomは半導体部門の成長鈍化とVMware買収に絡む不確実性が投資家心理を冷やし、利益確定売りが強まりました。 - INTU(-2.76%)
Intuitは今後のガイダンスが慎重だったことや、会計ソフト市場の競争激化への懸念が影響し、大幅安となりました。 - IBM(-2.73%)
IBMはAI関連ビジネスでの競争激化が警戒され、ソフトウェア部門の成長鈍化も嫌気されました。前日に発表された決算も材料出尽くし感が強まりました。 - LLY(-2.63%)
Eli Lillyは新薬の承認遅れや競合製品の登場リスクが意識され、医薬品セクター全体の売り圧力も影響し下落しました。 - SYK(-1.52%)
Strykerは医療機器の販売成長が鈍化し、特に整形外科領域での競争が激しくなっているとの懸念が広がり、株価は大幅に下落しました。

主要3指数とドル円の動き
- S&P500
終値は6,339.39で前日比-23.51ポイント(-0.37%)。ヘルスケアや不動産セクターの大幅安が重しとなり、テクノロジー株の一部反発を相殺しました。特に半導体や医薬品株が売られ、投資家のリスク回避姿勢が広がる場面もありました。 - Dow30
終値は44,130.98で前日比-330.30ポイント(-0.74%)と主要3指数で最も大きな下落。重工業・金融株の軟調が目立ち、ボーイングやゴールドマン・サックスなどの下げが指数を押し下げました。景気敏感株への売り圧力が強まりました。 - NASDAQ
終値は21,122.45で前日比-7.22ポイント(-0.03%)と小幅安にとどまりました。Metaの急騰が指数を支える一方、他のハイテク大型株は軟調で方向感に欠ける展開でした。AI関連株への物色は継続するも、上値は重い印象です。 - ドル円(USD/JPY)
ドル円は149.79から150.79まで上昇し、終値は150.79と1円ちょうどの大幅上昇を記録しました。米6月PCEコア価格指数が予想を上回り、先週分の新規失業保険申請件数も強い結果となったことで、米利下げ観測が後退しドル買いが加速しました。さらに、日銀による追加利上げ観測が後退したことも円売り材料となり、円安・ドル高の流れが一段と進行しました。

セクター別騰落率
- Communication Services(通信サービス)
+2.03%と大きく上昇。Meta Platformsの好決算が牽引役となり、デジタル広告やAI分野への成長期待がセクター全体の買いを促しました。 - Real Estate(不動産)
-1.40%と下落幅が目立ちました。金利上昇懸念が根強く、不動産投資信託(REIT)に対する投資家のリスク回避姿勢が鮮明となりました。 - Healthcare(ヘルスケア)
-2.56%と最も大きく下落。医薬品・バイオ関連株の下落が顕著で、新薬開発の進捗遅れや高コスト懸念が売り材料となりました。

主なETFの動き
S&P500連動型ETF(VOO、SPY、IVV)は揃って0.4%前後下落し、米株全体に弱含みが広がりました。全体市場を網羅するVTIやハイテク比率の高いQQQも下落。一方、VUG(グロース株)は小幅に上昇し、BND(債券)は横ばい圏でした。欧州株連動のVEAやIEFA、バリュー株のVTVは0.9%近い下げとなり、リスク回避ムードが見られました。
経済指標発表 結果
- 新規失業保険申請件数(7月第4週)
結果は21.8万件と市場予想(22.2万件)を下回り、前週(21.7万件)とほぼ横ばいでした。引き続き労働市場は強い状態を維持しており、FRBによる利下げ判断の先送り観測を強める内容でした。失業の拡大が見られず、景気の底堅さが意識される結果となりました。 - コアPCE物価指数(6月・前月比)
FRBが最も重視するインフレ指標であるコアPCEは前月比+0.3%と予想通りの結果ながら、年内の利下げ期待を後退させるには十分な水準でした。前月の+0.1%からの加速もあり、インフレ鈍化の道筋に対して慎重な見方が広がっています。 - 個人消費支出価格指数(6月・前年比)
前年比+2.6%と市場予想(+2.5%)をわずかに上回りました。インフレ圧力が依然根強く、FRBが金融緩和に転じるには時期尚早との見方が強まりました。消費者物価の粘着性が意識され、金利の高止まり観測につながりました。 - チャレンジャー人員削減数(前年比)
前年比で+139.8%と急増し、レイオフの急拡大が示されました。ただし、新規失業保険申請件数は低水準を維持しており、企業の削減発表と実際の解雇にはタイムラグがあると見られています。景気減速の先行シグナルとして注目されました。 - アトランタ連銀GDPNow(Q3速報)
7月末時点でのQ3実質GDP予測は+2.3%と、前回の+2.9%から下方修正されました。これは経済成長ペースの鈍化を示唆するもので、企業業績や設備投資の抑制が影響している可能性があります。市場では景気の軟着陸シナリオがやや後退する材料と受け取られました。

主な決算発表結果
- アップル(AAPL)
1株当たり利益は1.57ドルで予想1.42ドルを上回り、売上高も94.0Bドルと好調でした。iPhoneおよびサービス部門が堅調で、特にインド市場の成長が注目されました。ただし、MacとiPadの販売は横ばいで、株価反応は限定的でした。 - アマゾン(AMZN)
EPSは1.01ドル(予想0.86ドル)、売上は167.7Bドルで予想を上回る好決算。クラウド(AWS)部門の成長再加速に加え、小売部門の営業利益率改善が好感されました。広告収益も2桁成長を維持し、株価は時間外で上昇。 - マスターカード(MA)
EPSは4.15ドル(予想4.03ドル)、売上は8.13Bドルと予想超え。消費支出が堅調で、クロスボーダー決済も増加。中でも中南米とアジアの成長が貢献し、強い消費環境を反映。株価は堅調推移。 - アッヴィ(ABBV)
EPSは2.97ドルで予想2.96ドルとほぼ一致。売上は15.42Bドルと上振れ。潰瘍性大腸炎薬「スカイリジ」や関節リウマチ薬「リンヴォク」が牽引。ヒュミラの特許切れ影響を新薬がカバーしつつあり、構造転換進展が評価されました。 - S&Pグローバル(SPGI)
EPSは4.43ドル(予想4.2ドル)と予想上回り、売上も予想に一致。格付けビジネスが堅調で、データ&アナリティクス部門の成長も継続。インデックスライセンスやESG関連サービスの需要が追い風となり、長期的な成長期待が続きます。 - ストライカー(SYK)
EPSは3.72ドルと予想(3.07ドル)を大きく上回り、売上も上振れ。整形外科・ロボティクス分野の強い需要と、新興市場での拡販が寄与しました。医療機器業界の中でも安定成長が際立ち、株価には好材料と評価されました。 - KLA Corp(KLAC)
EPSは6.3ドル(予想5.91ドル)、売上は3.18Bドルで市場予想を上回りました。半導体製造装置の受注が安定し、AI関連需要が支えに。先行きに慎重姿勢を見せたものの、利益率の高さが好感され、ポジティブな反応となりました。 - インターコンチネンタル取引所(ICE)
EPSは1.81ドルで予想を上回り、売上も2.54Bドルで一致。デリバティブ取引や債券プラットフォームが堅調で、金融市場の変動を背景に取引高が増加。安定収益モデルとしての評価が続いています。 - ブリストル・マイヤーズ(BMY)
EPSは1.46ドルで予想を下回る結果。売上も12.27Bドルとやや低調。主要製品「レブラミド」の売上減少に加え、新薬の立ち上がりに課題。買収案件のシナジーも限定的で、市場の評価は厳しめとなりました。

主な経済ニュース
- 米国債利回りが5月以降急上昇。10年債利回りは4.38%台まで上昇し、金融・不動産セクターの重しとなる一方、インフレ耐性を示す企業などには資金流入。長期金利の動向が今後の株式バリュエーション評価基準となる(Reuters, Jul 30, 2025)
- FigmaのNYSE上場では公開価格に対し株価が256%急騰。IPO市場の活況の象徴としてテック投資環境に明るい兆し。イノベーション企業への期待感が回復傾向(Capital Brief / Bloomberg, Aug 1, 2025)
- 連邦公開市場委員会(FOMC)直前に、ウォール街で記録的な株高が6日連続続く中、決算失望やバリュエーション過熱を理由に調整局面入りの警戒感が高まる(Capital Brief, Jul 30, 2025)
- FRBパウエル議長は、9月会合での利下げ否定はしないものの、データ重視の姿勢を強調。次期政策は「ノーコメント」で見通し幅を維持し、市場には慎重姿勢を印象付ける(WSJ, Jul 31, 2025)
- トランプ前大統領が中国との対立緩和に向けた関税期限延長の交渉を検討中と報道。貿易不確実性の緩和期待が高まり、輸出関連企業や景気敏感セクターが好反応(Reuters/WSJ, Jul 25–30, 2025)
- Microsoftが AI関連への投資進展により時価総額4兆ドルに到達。ハイテクセクターのリーダーとして投資家の注目を集め、他大型銘柄の追随期待も高まる(Bloomberg, Aug 1, 2025)
- GoogleとEpic Gamesによるアプリストア制限訴訟は、西側企業のプラットフォーム規制リスクを示唆。特にテック企業には法的リスクが増加の兆し(Bloomberg, Aug 1, 2025)
- メガキャップ株の過熱感に対し、Bloombergは「バブル警戒」の声も。長期金利上昇+利益成長鈍化で、ハイバリュエーション銘柄への調整リスク高まると分析(Bloomberg, Jul 30, 2025)
- OPECが主要報道機関(Bloomberg、Reuters、WSJなど)を石油カンファレンスから除外。透明性後退への懸念が原油価格の予想不透明性につながり、エネルギー株にも影響(EnergyNow via Reuters, Jul 10, 2025)
- RobinhoodやCoinbase、RedditのAI広告収益回復やIPO成功で、個人投資家を中心としたプラットフォーム関連株が再注目。デジタル広告や取引手数料収益が回復基調に(Reuters, Jul 30, 2025)
地政学的リスク
- ホワイトハウスは8月1日を目前に控え、米貿易相手国に対し関税方針の通知書を今夜にも発送する予定と発表。技術・自動車など主力セクターへの影響が懸念され、市場では緊張感が高まっています。(Reuters, Jul 31, 2025)
- EUは2028年までに米国から年間約2,500億ドル規模のエネルギー調達を行うと表明。貿易協力姿勢が進む一方、自国の再生エネルギー政策との整合性に注目が集まり、地政学的不透明感がリスク要因に。(Reuters, Jul 31, 2025)
金利・コモディティ・恐怖指数の動き
- 原油先物(WTI/9月限)
終値は69.35ドルで前日比-0.93%。中国の経済指標の鈍化や、米国の製造業回復の遅れが需給見通しに影を落とし、原油価格の調整が進行。中東情勢も大きな変化なく、投機筋の動きが限定的でした。 - 米10年債利回り
4.36%でやや低下。インフレ関連指標の上振れがあったものの、FRBの慎重な姿勢が意識され利回りは小幅調整。景気後退懸念がくすぶる中、安全資産への買いも入りました。 - VIX指数
16.72に急上昇(+8.01%)。FOMC通過後も市場の先行き不透明感が強く、株式市場の変動性が再び意識されました。テック株主導の相場不安定さが背景にあります。 - 金先物(12月限)
3,343.10ドルと小幅安。米金利が高止まりする中、無利息資産である金は売られやすい状況に。インフレ警戒感が下支えする一方で、ドル高傾向が上値を抑えています。

自分の米ドル建ポートフォリオ -0.53%(前日比)
米国株ETF中心のポートフォリオは、VYMの下落が響き全体として軟調でした。VGTやVIGも下げる中、唯一GLDM(金ETF)が堅調でリスク回避の動きが見られました。市場全体に慎重ムードが漂う一日でした。

今月の動き
7月の最終日なので1か月間の動きを示します。
- 個別銘柄動き(テクノロジー中心)
S&P500構成銘柄では、AMDが約27%上昇し、Invesco、Generac、Synopsysも強く急騰。これは、FigmaのIPO成功やAI関連及びセミコン分野の収益拡大などが好感された結果です。特にAI・半導体技術への物色が鋭く、個別銘柄が相場を牽引しました。 - セクター別騰落率と市場動向
Technologyセクターが+4.96%で最高パフォーマンス。次いでUtilities+3.71%、Communication Services+3.27%と堅調。一方Healthcareは–4.32%と最下位。ヘルスケアは割高感や薬価圧力で利益見通しが弱く、セクター間の明暗が浮き彫りに。


経済指標発表予定
FRBが注目する7月の雇用統計が最も注目されそうです。

主な決算発表予定
大型銘柄の決算発表が続きます。

おわりに
本日の米国株式市場は、テクノロジー株の力強い上昇に支えられた一方で、金融やヘルスケアなど一部セクターでは調整色が強まるなど、銘柄ごとに明暗が分かれる展開となりました。特にMicrosoftやNVIDIA、AMDといったAI・半導体関連企業が市場を牽引し、好決算や成長期待が株価を押し上げています。一方で、医薬品セクターでは薬価引き下げ圧力やガイダンスへの失望から売りが優勢でした。また、FRBが今後も利下げに慎重な姿勢を維持する中で、長期金利の動きやドル高傾向も株式市場のセンチメントに影響を与えています。さらに、米中・米EU間の貿易交渉や関税措置を巡る報道も相場の不確実性要因となっています。こうした環境下では、決算内容に素直に反応する銘柄選別の姿勢が重要です。成長セクターへの投資は引き続き有望ですが、過熱感や外部要因への耐性にも目配りが必要です。
投資は自己責任にてお願いします。
8月がスタートしました。今日8月1日(金)は使ったお金が戻ってくると言われている金運吉日「寅の日」です。明るく元気に笑顔で過ごして、金運をつかむような行動を心がけましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ