Financial Independence, Retire Early
Muroi Universal Research and Operating of Investment
米国株投資

【20250801】US stock market investments

S&P500 ヒートマップ(高解像度)
  • COIN(Coinbase Global, Inc.) -16.70%
    暗号資産市場の調整やビットコイン価格の下落が直撃。取引量減少と規制懸念も再燃し、売りが殺到しました。
  • AMZN(Amazon.com, Inc.) -8.27%
    決算で広告収入の伸び悩みやAWSの成長鈍化が嫌気されました。ガイダンスも慎重で、失望売りが拡大しました。
  • SPG(Simon Property Group Inc.) -9.12%
    商業不動産セクター全体が下落。小売業の業績懸念や金利上昇への耐性不安が、リート株全体の下押し圧力となりました。
  • ADBE(Adobe Inc.) -7.77%
    AIツールに対する競合懸念や、成長加速の鈍化が意識されました。アナリストの格下げも売り材料に。
  • GS(Goldman Sachs Group Inc.) -6.40%
    金利低下による利ざや縮小懸念とともに、投資銀行業務の収益悪化が意識され、大幅安となりました。
  • BKNG(Booking Holdings Inc.) -6.34%
    旅行需要の鈍化や欧州景気後退懸念が影響。今後の予約動向に慎重姿勢が示されたことで投資家心理が悪化。
  • PLD(Prologis Inc.) -5.67%
    物流系REITである同社も金利動向と商業不動産不安が重なり下落。テナント需要の鈍化が意識されました。
  • EMR(Emerson Electric Co.) -5.59%
    産業機械関連の需要減速と利益率低下懸念が嫌気されました。今後の成長見通しに不透明感が漂っています。
  • DE(Deere & Company) -4.64%
    農業機械需要の減退や在庫調整が影響。商品価格の変動と金利高も重荷に。
主要3指数とドル円の動き
  • S&P500:終値 6,238.01(-101.38、-1.60%)
    テクノロジー株や消費関連株が軟調となり、全面安の展開に。特にAmazonの決算を受けた大幅下落が指数を押し下げ、広範なセクターに売りが波及しました。景気指標の悪化により利下げ期待は高まったものの、企業業績への懸念が勝った格好です。
  • Dow30:終値 43,588.58(-542.40、-1.23%)
    バリュー株中心のDowも大きく下落。特に工業・産業(Industrials)や農業機械関連が売られました。景気後退を示唆する経済指標の連続発表が重しとなり、資本財や素材株など景気敏感セクターに売りが集中しました。
  • NASDAQ:終値 20,650.13(-472.32、-2.24%)
    ハイテク・グロース株が主導するNASDAQは、3指数中最大の下落率を記録。Amazon、Adobeなど大型テック株が決算失望で売られたほか、AI関連銘柄にも利食い売りが広がりました。金利低下は追い風とならず、リスクオフが支配しました。
  • ドル円:現在 147.33(-3.35円、-2.22%)
    米7月雇用統計とISM製造業景況指数が予想を下回り、早期利下げ観測が急速に強まりました。FOMCが10月にも利下げに踏み切るとの見方が強まり、米金利急低下を受けてドル売りが加速。ドル円は一時147円台前半まで急落しました。
セクター別騰落率
  • Consumer Cyclical(一般消費材)
    -3.07%と最大の下落率を記録。Amazonの決算が失望を誘い、小売・旅行・自動車関連など広範に売りが広がりました。消費動向への不安が強まりました。
  • Technology(先端技術)
    -2.24%の下落。半導体やソフトウェア関連が売られ、AI関連も利益確定売りに。AmazonやAdobeの下落がセクター全体の重しとなりました。
  • Financial(金融)
    -1.63%の下落。利下げ観測の強まりによって利ざや縮小への懸念が高まりました。特に銀行株が売られ、資産運用や投資銀行関連も軟調。
  • Communication Services(通信サービス)
    -1.63%下落。MetaやGoogleの下落が響き、インターネット広告市場の先行き不透明感が広がりました。メディア・エンタメも弱含みました。
  • Industrials(工業・産業)
    -1.44%下落。景気減速を示す経済指標の発表により、輸送・資本財・建設機械など景気敏感株が売られました。Deereなど個別企業も失望決算で下押し要因に。
  • Energy(エネルギー)
    -1.39%の下落。原油価格の不安定な動きや中国需要の鈍化懸念が再燃し、エネルギー株全般に売りが出ました。大型石油株も軟調でした。
主なETFの動き

米国株式市場の急落を受けて、S&P500連動型ETF(VOO、SPY、IVV)やNASDAQ100連動のQQQ、グロース株中心のVUGは軒並み1.6〜2.2%下落しました。一方、債券ETFのBNDは金利低下を受けて+0.87%と上昇しました。リスク回避の動きが明確に現れた1日でした。

経済指標発表 結果
  • 非農業部門雇用者数(7月):8.3万人(予想:10.0万人)
    7月の雇用者数は予想を大幅に下回る伸びに留まりました。過去2カ月分も大幅に下方修正され、労働市場の減速傾向が明らかに。労働需給の緩みから、FRBによる利下げのタイミングが早まるとの思惑が強まりました。金利低下が進む一方で、企業収益への影響を懸念する声もあり、株価にはネガティブに作用しました。
  • 失業率(7月):4.1%(前回:4.0%)
    失業率は前月より上昇し、労働市場の軟化が続いていることを示唆しました。特に広範なU-6失業率も上昇しており、労働参加率の改善と共に需給バランスの変化が顕著です。これにより、FRBがタカ派姿勢を緩める可能性が意識され、債券市場では利下げ観測が強まりました。
  • 平均時給(前年比・7月):+3.9%(予想:+3.8%)
    賃金インフレの鈍化が期待される中、前年比での平均時給の伸びはやや強めに出ました。とはいえ雇用者数の低調さとのバランスで、市場はややディスインフレ的と解釈。賃金上昇の鈍化傾向が続けば、インフレ圧力の沈静化が進むと期待されます。
  • ISM製造業景況指数(7月):46.8(予想:48.6)
    ISM製造業指数は予想を下回り、前月からも低下しました。景気拡大・縮小の分岐点である50を大きく下回り、製造業の活動が依然として縮小傾向にあることが明確となりました。新規受注や雇用指標も低迷しており、製造業の不調が米景気全体への懸念材料となりました。
  • ISM製造業支払価格指数(7月):42.5(予想:45.0)
    原材料価格の伸びを示すこの指数が低下したことは、インフレ圧力の一服を示唆します。コストプッシュ型インフレが落ち着いてきた兆候と受け止められ、インフレ沈静化の見通しが強まりました。これは利下げ観測を後押しする材料となりました。
  • ミシガン大学消費者信頼感指数(7月確報値):71.6 → 61.7(予想:68.0)
    速報値から大幅に下方修正されたことで、市場の不意を突きました。消費者心理の悪化は個人消費の停滞を示唆し、実体経済の先行き不安を強める材料となりました。これを受け、株式市場では個人消費関連銘柄に売りが波及しました。
  • ミシガン大学1年期待インフレ率(7月):4.5%(予想:3.0%)
    インフレ期待が大幅に上昇したことは市場にとって驚きでした。足元のガソリン価格や家賃の上昇が影響していると見られます。このデータは利下げ期待の抑制要因となり得ましたが、他の経済指標が軟調だったため、相殺される形となりました。
主な決算発表結果
  • エクソン・モービル(XOM)|時価総額:472.13B
    1株利益は1.64ドルで予想1.56ドルを上回り、売上高も81.5Bドルと予想を僅かに上回りました。原油・ガス価格の持ち直しが寄与しましたが、製油マージンの低下や設備投資増が重しに。決算後はエネルギーセクター全体の軟調さもあり、株価は下落しました。
  • シェブロン(CVX)|時価総額:309.95B
    EPSは1.77ドルで予想の1.75ドルとほぼ一致。売上高は44.82Bドルと予想をやや下回りました。上流部門の収益改善は見られたものの、下流と化学部門の低迷が響きました。市場の反応は限定的で、原油価格の不安定さにより株価は小幅安となりました。
  • リンデ(LIN)|時価総額:216.66B
    EPSは4.09ドル(予想4.03ドル)と好結果で、売上も8.5Bドルで市場予想を上回りました。産業ガス需要は堅調で、利益率も高水準を維持。北米・アジア市場の需要増加が下支え要因となり、株価は他銘柄と比較して底堅い動きを見せました。
主な経済ニュース
  • 機関投資家、米国市場から資金シフト加速
    関税措置と米雇用指標の弱さを受け、米資産から新興国や欧州市場への資金移動が加速。ファンドの約45%がポートフォリオを再構築中と報じられ、米株への過度な集中に対する見直しが始まっています。(Reuters、2025‑08‑01)
  • トランプ氏、労働統計局長を電撃解任へ
    トランプ大統領が「雇用統計が信用できない」と発言し、労働統計局長の更迭を示唆。データの政治利用懸念が浮上し、市場では統計の信頼性低下が懸念されています。これにより政策決定やFOMC予測の不透明感も増しました。(The Guardian、2025‑08‑01)
  • 製造業雇用の不振でFRB内に利下げ支持の声強まる
    製造業の雇用者数がマイナスとなる中、複数の地区連銀総裁が10月利下げを支持する姿勢を表明。これにより市場では10月FOMCでの利下げを100%織り込む展開に。ドル安・金利低下が進行しています。(Reuters、2025‑08‑01)
  • 「TACOトレード」終了の兆し、株式市場は次のテーマ模索
    高ボラティリティ下でもテック主導で上昇してきた市場に、ついに変調の兆し。関税・政策不透明・景気減速の三重苦により、成長株集中のリスクが顕在化。次の主導テーマが見えにくく、市場は方向感を欠いています。
    (Reuters Breakingviews、2025‑08‑01)
地政学的リスク
  • トランプ政権がカナダ・台湾・インドなど66カ国に平均25〜41%の新関税を課す大統領令に署名。対象国は世界貿易の中核を担う地域が多く、関税コスト増により企業収益の下押しが警戒されています。貿易摩擦の再燃として市場の地政学的リスク意識が高まりました。(Reuters Breakingviews、2025年8月1日
  • EU銀行のストレステストにより、米国発の貿易戦争が激化した場合、域内GDPは3年間で最大6.3%縮小するとの試算。金融機関は信用コストと貸出需要減のダブル打撃を受ける可能性があり、欧州経済への地政学的影響が鮮明となっています。(Reuters、2025年8月1日
  • トランプ政権がロシア産原油および精製品への2次制裁を検討しているとの報道を受け、原油市場では供給懸念が再燃。価格は一時上昇したものの、米国の保護主義政策が市場のボラティリティを高めています。エネルギー銘柄への影響も懸念されます。(Reuters、2025年8月1日
  • グローバル投資家がドル資産の見直しを進める中、米国の「アメリカ・ファースト」政策が長期的にドル基軸通貨体制のリスク要因になるとの懸念が再燃。中国・EU・中東などが地域通貨建て決済を拡大する動きが続いており、米国の金融覇権に変化の兆しも(Reuters、2025年7月31日
原油・金利・コモディティ・恐怖指数の動き
  • 原油先物(WTI 9月限)
    67.14ドルと前日比▲3.06%の大幅安。トランプ政権の関税拡大による世界経済減速懸念や、米在庫の増加、ロシア供給懸念の緩和が売り要因となりました。
  • 米10年債利回り
    4.22%と前日比▲0.14pt低下。雇用統計やISM指数の弱さにより、年内利下げ観測が一気に高まり、安全資産として国債が買われました。
  • VIX指数
    20.38と+21.89%の急騰。関税発動や弱い経済指標を背景にリスク回避が強まり、市場の不確実性を示す「恐怖指数」が上昇しました。
  • 金先物(12月限)
    3,416.30ドルと+2.02%上昇。ドル安進行と金利低下を背景に、インフレヘッジと安全資産としての需要が再燃し、買いが集まりました。
自分の米ドル建ポートフォリオ -1.42%(前日比)

米株ETFは全面安で、特にVGTの下落が響きましたが、金価格上昇によりGLDMが+2.01%と堅調に推移。全体ではややマイナスでしたが、金が下支えとなる形でした。

今週の動き
  • 個別銘柄のヒートマップ動向(1週間)
    Amazon(-8.27%)が決算失望で急落し、一般消費材セクター全体に波及。MicrosoftやAppleなどのメガテックも軒並み下落し、先端技術セクターを押し下げました。一方、ヘルスケアではLilly(+3.01%)やAbbVie(+3.28%)が薬価上昇観測や好材料で逆行高となり、セクター間で明暗が分かれました。
  • セクター別週間騰落率動向
    最も下落が大きかったのはConsumer Cyclical(一般消費材)で▲4.66%。Amazonの決算失望が中心で、消費鈍化と金利懸念が重なりました。逆に唯一プラス圏だったUtilities(公益事業)は、金利低下によりディフェンシブ資産として資金流入が起きた結果とみられます。
経済指標発表予定

重要性が高い経済指標の発表は予定されていません。

主な決算発表予定

以下の銘柄が予定されています。

おわりに
  • 本日の米国株式市場は、複数の逆風が重なり全面安となりました。AmazonやAdobeといった主要テック銘柄の決算失望は、期待が先行していたハイテク株全体に冷や水を浴びせ、加えて米雇用統計やISM製造業指数の悪化が、景気減速の現実味を市場に突きつけました。これを受けて10年債利回りは急低下し、VIXは+21%超と投資家の警戒感が一気に高まりました。
  • 加えて、トランプ前大統領による66カ国への新関税発動は、貿易摩擦の再燃と地政学リスクを一段と高めました。このような外部リスクと経済ファンダメンタルズの悪化が重なる状況では、短期的な値動きに一喜一憂せず、ポートフォリオ全体のリスク管理が何より重要です。
  • 一方、債券や金など安全資産への資金流入が示すように、相場はリスク回避局面に移行しています。長期投資家にとっては、今後の金利動向や米大統領選に向けた政策シナリオを慎重に見極める好機でもあります。市場のボラティリティが高まる今こそ、冷静な視点と柔軟な戦略が求められる時です。
  • 投資は自己責任にてお願いします。

週末の株価反落と円高のダブルパンチにがっかりされた方も多いかと思いますが、週末は明るく元気に笑顔で過ごして来週を迎えましょう。

おことわり

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ABOUT ME
Muroi Kazuo
1959年2月生まれ 米国株、日本株、J-REITでFIRE達成しています。 米国株投資については、みなさんと情報共有したいと思っています。
「米国株投資」以外も見に行って下さい
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