S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- AMD(+5.37%)
AI向けGPUやデータセンター需要への期待が継続し、買いが優勢となりました。半導体セクターの地合い改善も追い風となり、出来高を伴って上昇しています。 - ADBE(+3.73%)
生成AI機能の拡充やサブスクリプション収益の粘着性が評価され、成長期待が意識されました。大型テックの中でも比較的押し目が意識され、資金が流入しました。 - LLY(+3.29%)
肥満症治療薬など主力パイプラインへの期待が根強く、ディフェンシブ性も買われました。金利低下観測の環境下で、収益予見性の高いヘルスケアに資金が向かった格好です。 - NKE(+3.07%)
在庫圧縮の進展や販売回復期待が意識されました。景気の不透明感が残る中でもブランド力を背景に需要底堅さが意識され、見直し買いが入りました。 - GE(−3.85%)
一部で利益確定売りが出やすい地合いとなり、景気敏感セクターの戻り鈍さも重荷となりました。短期的な過熱感の解消をうかがう動きとなっています。 - ORCL(−3.81%)
クラウド成長の鈍化懸念が意識され、主力テックの中で相対的に弱含みました。先行きの投資負担観測も重なり、戻り待ちの売りに押されています。 - CEG(−3.23%)
公益事業セクターの弱さが目立ち、金利動向に敏感なディフェンシブ株に売りが広がりました。直近の上昇分に対する利益確定も出たとみられます。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500
S&P500は前日比+0.32%の6,466.58で終えました。朝方は高寄り後、堅調に推移し、大型ハイテク株や一部の景気敏感株への買いが指数を押し上げました。FRBの利下げ観測が金利低下を促し、株式の割高感が和らいだことも支援材料となりました。終盤には利益確定売りも出ましたが、底堅さを維持して取引を終えています。 - Dow30
Dow30は+1.04%の44,922.27と大幅続伸しました。景気敏感株や金融株への買いが広がり、特にキャタピラーやJPモルガンなどが堅調でした。米長期金利低下により資金が株式へシフトしやすい環境が整ったことが背景にあります。FRBが9月に大幅利下げを開始する可能性が意識され、先行きへの安心感が相場を支えました。 - NASDAQ
NASDAQは+0.14%の21,713.14で小幅高となりました。生成AI関連や半導体株は底堅かった一方で、利益確定売りが一部の大型グロース株に出て伸び悩みました。FRBの利下げ観測は支援材料となりましたが、企業決算を前に様子見姿勢も強く、上値は限定的でした。それでも終盤には買い戻しが入り、プラス圏を維持して終了しました。 - ドル円(USD/JPY)
ドル円は147円41銭で引け、前日比−0.29%の下落となりました。米財務長官が9月FOMCでの0.50%利下げ開始に言及し、長期金利低下とともにドル売りが強まりました。その後、シカゴ連銀総裁が物価高リスクを指摘したことで下げ止まりましたが、全般的にドル売り優勢の展開でした。円は一時147円09銭まで買われた後、147円台半ばに戻して終了しました。

セクター別騰落率
全体ではディフェンシブやテックが伸び悩む一方、景気に左右されにくいヘルスケアと消費関連がけん引しました。1%を超える動きは次の3セクターです。
- ヘルスケア(Healthcare)+1.98%
新薬・肥満症治療薬などの収益期待が強く、金利低下観測でディフェンシブ性も評価されています。業績の見通しが比較的安定していることが買いを呼び込みました。 - 一般消費材(Consumer Cyclical)+1.35%
米金利低下観測で耐久消費や小売の割引率が見直され、需要回復期待が優勢になりました。一部の大手小売・スポーツ用品・旅行関連に買いが広がりました。 - 素材(Basic Materials)+1.28%
コモディティ価格の底堅さや在庫調整の進展が意識され、化学・金属に資金が流入しました。景気ソフトランディング観測も循環資本財への選好を支えています。

主なETFの動き
主要ETFは総じて小幅高となり、特にバリュー株中心のVTVが+0.77%と堅調でした。米国株全体をカバーするVTIや海外株ETFも上昇し、債券ETFのBNDも堅調でした。

経済指標発表 結果
- 原油在庫:3.036M(予想 -0.900M、前回 -3.029M)
米EIAの週間石油在庫統計で、原油在庫が市場予想に反して大幅に増加しました。これは輸入増加や製油所稼働の低下が背景とみられ、原油価格の上値を抑える要因となりました。エネルギーセクターでは需給バランスの緩みが意識されやすい内容です。 - EIA週刊石油統計の留出油在庫:0.714M(予想 0.350M、前回 -0.350M)
ディーゼル燃料や暖房油の在庫に相当する留出物在庫が予想以上に増加しました。特に輸送・産業活動向け燃料需要の減速感が意識され、エネルギー関連株の一部で売り要因となる可能性があります。 - ガソリン在庫:-0.792M(予想 -1.323M、前回 -0.261M)
ガソリン在庫は減少したものの、市場予想ほどの減少幅ではありませんでした。夏季ドライブシーズンの需要ピークを迎えても在庫が積み上がらなかった点は需給逼迫懸念を和らげ、価格上昇圧力を限定的にしました。

主な決算発表結果
- シスコ・システムズ(CSCO)
2025年8月13日に発表された決算で、1株当たり利益(EPS)は0.99ドルと市場予想の0.98ドルをわずかに上回りました。売上高は146.7億ドルで予想の146.2億ドルを上回り、堅調な業績を示しました。ネットワーク機器やセキュリティ事業の需要が底堅く、クラウド関連のソリューション需要も追い風となりました。ただし成長率は鈍化傾向にあり、次四半期のガイダンス動向が注目されます。時価総額は2788億ドルです。

主な経済ニュース
- S&P 500とナスダックが連日で史上最高値付近となりました。FRBの利下げ期待が市場を支える一方、超大型テック株(Nvidia、Alphabet、Microsoft)は伸び悩みです。一方、ヘルスケアが上昇を主導し、Paramount SkydanceはUFC独占放映権獲得により株価が急騰しました。Reuters(2025年8月13日)
- グローバルな株式市場全般が新たな最高値に到達し、米FRBの早期利下げ期待がその原動力です。金利の低下見込みから債券価格も上昇する展開となりました。Reuters(2025年8月13日)
- 米国外の株式ファンドには7月に136億ドルが流入したのに対し、米国株式ファンドからは63億ドルの資金が流出しました。米市場の割高感や政策への懸念もあり、欧州・新興国市場に資金シフトが進行しています。Reuters(2025年8月13日)
- BlackRockのグローバル債券責任者Rick Rieder氏は、現在が「最も強気な投資環境」だと評価。金利低下期待、記録的な自社株買い、7兆ドルの待機資金、米大型株の高い決算達成率などがその根拠です。Business Insider(2025年8月13日)
- トレーダー調査では、株式市場の上昇にもかかわらず、保護主義政策(関税)への根強い懸念が根底に残るとされています。過剰楽観には警戒感も同居しており、リスク要因として引き続き注視が必要です。Bloomberg(2025年8月13日)
- インフレ鈍化を受け、リスク資産に資金が流入しています。特に小型株や新興国株が好調で、「インフレというハードル」に対する 一時的な好転として市場は反応しています。Bloomberg(2025年8月13日)
- 欧州・英国株も世界市場の高値追いに加わり上昇基調です。ポンドは米ドル安を背景に上昇するなど、為替面での安定性も市場心理を支えています。Bloomberg(2025年8月13日)
- 米株市場はリスクオンのムードが続いていますが、Fedの利下げ期待が和らぎつつある兆候も。上昇一辺倒ではなく、押し目も入りやすい相場環境とみられます。Bloomberg(2025年8月13日)
地政学的リスク
- トランプ政権がNvidiaおよびAMDによるAIチップの中国向け限定販売を条件に、売上の15%を米政府に支払わせる協定を発表しました。これは貿易政策と国家安全保障が融合したもので、議員からは「政策と政治の癒着」との批判も上がっています。市場ではハイテクセクターの供給リスクと規制不透明性が重視されそうです。Time(2025年8月13日)
- トランプ政権が複数国(スイス、ブラジル、インド)に対して恣意的かつ混乱を伴う新関税を相次いで導入しました。半導体企業のNvidiaやAMDには事実上の輸出税が課されたとされ、保護主義の不透明化が進行。市場は政策の信頼性低下を織り込む必要に迫られています。Financial Times(2025年8月13日)
- 米中貿易戦争が6年目を迎え、半導体などハイテク供給網中心に米国では“リショアリング(国内回帰)”の動きが加速しています。企業は地政学リスク回避のため、国内あるいは信頼できる友好国への生産拠点移転を進める動きです。これは長期的な産業構造の変化として警戒されます。AInvest(2025年8月13日)
- 米国と南アフリカ間の貿易摩擦が深刻化しており、関税引き上げの兆しや外交摩擦が表面化しています。これは新興国市場における投資環境の混乱を招き、商品市場への影響も懸念されます。米国株式市場にとっては、南ア市場との関係を通じた間接的な波及リスクがあります。AInvest(2025年8月13日)
- トランプ・プーチン首脳会談がアンカレッジで開催され、ウクライナ情勢やエネルギー、軍事関連の地政学的再編が議題となる見通しです。仮にウクライナ情勢の緩和につながれば、エネルギー・防衛セクターでのボラティリティ低下が期待され、市場全体に安心感を与える可能性があります。AInvest(2025年8月13日)
原油・金利・VIX・金の動き
- WTI原油先物(9月限)62.70ドル(前日比−0.74%)
原油在庫の予想外の増加や需要鈍化懸念が重荷となり下落しました。世界景気の減速懸念もあり、上値は抑えられる展開です。 - 米10年債利回り 4.2380%(前日比−1.28%)
FRBの9月利下げ観測を背景に債券買いが優勢となり、利回りが低下しました。インフレ鈍化も金利低下を後押ししています。 - VIX指数 14.49(前日比−1.63%)
株式市場の堅調さを背景に投資家のリスク回避姿勢が後退し、VIXは低下しました。市場のボラティリティは依然として低水準です。 - 金先物(12月限)3,407.10ドル(前日比+0.24%)
米長期金利低下とドル安基調を背景に、安全資産としての金買いが優勢となりました。地政学的リスクも下支え要因です。

自分の米ドル建ポートフォリオ +0.36%(前日比)
私のポートフォリオは全銘柄が上昇し、特に高配当株VYM(+0.70%)と連続増配株VIG(+0.62%)が堅調でした。VGTは小幅高にとどまり、全体的に安定した上昇となりました。

経済指標発表予定
週次の失業保険関連と、生産者物価指数(PPI)が発表される予定です。

主な決算発表予定
以下の銘柄の決算発表が予定されています。

おわりに
- 本日の米国株式市場は、FRBの9月利下げ観測を背景に主要3指数がそろって上昇し、特に景気敏感株やディフェンシブセクターが相場をけん引しました。金利低下は株式のバリュエーションを押し上げる一方で、大型テック株は一部に利益確定売りが出る場面もあり、セクター間の温度差が鮮明となっています。
- 経済ニュースでは、米原油在庫が市場予想に反して増加し、原油価格は下落。金は金利低下と地政学的リスクを背景に上昇しました。企業ニュースでは、シスコ・システムズが予想をわずかに上回る決算を発表し、ネットワーク機器やセキュリティ事業の底堅さを示しました。
- 技術分野では、生成AIや半導体需要を巡る動きが引き続き注目されます。
- 地政学的リスクとしては、米中間のAIチップ取引規制や新関税発動、南アとの貿易摩擦、トランプ・プーチン会談の行方などが市場心理に影響を与える可能性があります。
- 投資家にとっては、短期的な金利動向と地政学的な不確実性の双方を注視しつつ、セクター分散とディフェンシブ資産の組み合わせでポートフォリオの安定性を高める戦略が有効と考えられます。特に過熱感のある銘柄では利益確定のタイミングも意識し、冷静なポジション管理を心掛けることが重要です。投資は自己責任にてお願いします。
それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ