S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- Synopsys(SNPS +12.98%)
決算で半導体設計ソフト需要の強さが示され、ガイダンスも市場予想を上回りました。AI関連の需要拡大期待が追い風となり、大幅高となりました。 - Tesla(TSLA +6.04%)
中国での販売好調や新型モデルの生産報道が材料。さらに金利低下によるグロース株優位の地合いが追い風となり、大幅高となりました。 - Micron Technology(MU +5.74%)
メモリー価格上昇とAI向け需要増が続くとの見方が強まり、半導体関連株全体の押し上げ役に。投資家の買い安心感が広がり急伸しました。 - KKR(+3.19%)
プライベートエクイティ市場での資金流入期待が追い風。金利低下観測により調達環境改善が意識され、金融株全般の上昇と共に買われました。 - AbbVie(ABBV +3.09%)
新薬候補の臨床試験進展や薬価政策への不透明感後退が材料視されました。バイオ医薬分野の安定収益期待も買いを支えました。 - Oracle(ORCL −6.24%)
決算でクラウド成長が市場期待を下回り失望売り。競合とのシェア争い激化やAI投資負担が懸念され、急落しました。 - Netflix(NFLX −3.57%)
ストリーミング契約数の伸び鈍化懸念が強まり、収益成長への不安が売りを誘いました。競合激化によるシェア圧迫も意識されました。 - Boeing(BA −3.31%)
航空機納入遅延や部品不具合報道が嫌気されました。供給網問題の長期化懸念が投資家心理を冷やし、売り優勢となりました。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500
S&P500は前日比+55.43ポイント(+0.85%)の6,587.47で終了しました。米8月CPIの加速で一時売りが強まりましたが、その後の失業保険申請件数増加が利下げ観測を高め、長期金利が低下。金融株や景気敏感株が買われ、幅広い銘柄が上昇しました。特にConsumer CyclicalやIndustrialsに資金が入り、堅調な地合いを示しました。 - Dow30
Dow30は+617.08ドル(+1.36%)高の46,108.00で引け、主要3指数で最も強い上昇率となりました。インフレ加速による金融引き締め懸念が和らぎ、金利低下が重石を外した格好。景気敏感株の買い戻しが活発化し、工業・産業や金融株が牽引しました。原油価格の持ち直しもEnergy株に追い風となり、幅広いセクターが堅調に推移しました。 - NASDAQ
NASDAQは+157.01ポイント(+0.72%)高の22,043.07で取引を終えました。金利低下を好感した半導体や大型ハイテク株が買われましたが、インフレ指標の強さがやや重石となり、上値は限定的。AppleやMicrosoftなどの大型株は堅調でしたが、AI関連の一部銘柄は利益確定売りが出ました。それでも全体としてテクノロジーセクターは強含みました。 - ドル円
米8月CPIの加速で一時148円17銭まで上昇しましたが、その後発表された失業保険申請件数の増加が労働市場減速懸念を強め、米長期金利が低下。ドル売り・円買いが優勢となり、146円99銭まで下落しました。結果的に高値圏から押し戻され、やや円高方向で取引が続いています。

セクター別騰落率
- Basic Materials(素材) +2.01%
資源価格の安定や景気敏感株への資金流入が追い風となり、セクター全体で大きく買われました。特に化学・金属関連に強い動きが見られました。 - Consumer Cyclical(一般消費材) +1.87%
テスラの急伸をはじめ、自動車や小売関連株に買いが広がりました。金利低下が消費関連銘柄への投資意欲を高めました。 - Real Estate(不動産) +1.75%
米長期金利の低下を好感し、不動産投資信託(REIT)を中心に買いが集まりました。利回り低下が資金流入の背景となりました。 - Healthcare(ヘルスケア) +1.65%
新薬開発進展や大型製薬株の上昇が牽引しました。防御的性格に加え、投資資金の分散先として選好されました。 - Financial(金融) +1.42%
金利低下で調達コスト懸念が和らぎ、銀行や資産運用会社が買われました。市場全体のリスクオン姿勢が追い風となりました。 - Industrials(工業・産業) +1.20%
インフラ投資需要や景気回復期待が意識され、航空機以外の製造・輸送関連が堅調。景気敏感セクターとして幅広く買いが入りました。 - Consumer Defensive(生活必需品) +1.17%
インフレ下でも安定した需要が評価されました。食品や日用品関連株に資金が流入し、ディフェンシブ性を背景に堅調でした。

主なETFの動き
主要ETFは総じて堅調で、S&P500連動型やVTIが0.8%前後上昇しました。特にVEAやVTVなど海外株・バリュー株ETFが強く、金利低下が追い風となりました。
経済指標発表 結果
- 消費者物価指数(CPI, 8月)
前年比+2.9%(予想+2.9%、前回+2.7%)、前月比+0.4%(予想+0.3%)と加速しました。特に住居費やサービス価格が押し上げ要因となり、インフレ再燃懸念を示唆。市場では利下げ期待が後退し一時株売りが強まりましたが、その後の雇用関連指標で緩和されました。 - コアCPI(食品・エネルギー除く, 8月)
前年比+3.1%(予想+3.1%、前回+3.1%)と横ばい。前月比+0.3%(予想+0.3%)も一致しました。基調インフレの鈍化が進まず、FRBの政策判断に重石。株式市場では一時的に金利上昇懸念が意識されましたが、予想通りだったことで過度な警戒は和らぎました。 - 新規失業保険申請件数(週次)
26.3万件(予想23.5万件、前回23.6万件)と大幅に増加し、労働市場の減速感を示しました。これにより長期金利は低下し、株式市場では景気過熱懸念が後退。CPIのインフレ懸念と相殺する形で、株価上昇の後押しとなりました。

主な決算発表結果
- アドビ(ADBE)
アドビは1株利益が5.31ドル(予想5.18ドル)と上振れ、利益面での強さを示しました。一方、売上高は59.9億ドルと市場予想59.1億ドルをやや上回りました。生成AI「Firefly」などクラウド製品群の成長は継続していますが、クリエイティブ部門の伸び悩みや企業IT支出の抑制が意識され、発表後の株価は時間外で小幅に下落しました。AI関連期待で下支えされる一方、今後の需要回復ペースが注目されます。

主な経済ニュース
- 連邦準備制度(Fed)の9月利下げ決定は織り込み済み、年内さらに1回の利下げ期待
9月17日のFOMC(政策決定会合)での0.25%利下げはほぼ確実視されており、多数のエコノミストが年内にさらにもう一回の利下げを予測。雇用・物価のデータで労働市場の軟化が見えることが、利下げへの圧力を強めている。これにより債券利回りが低下、株式が買われる地合いに(Reuters)。 - 市場は記録更新、高値圏での株価上昇が強まる中、マクロ環境の“脆さ”を指摘する声
S&P500・Dow・Nasdaqが連日で史上最高値を更新。背景にはインフレ鈍化の兆しや雇用データの弱まりがあり、Fedの緩和期待が支え。とはいえ、債務膨張・需給のゆがみ・貿易摩擦等が依然として不透明さを残しており、「高値だからこそ下振れリスク」も強く意識されている(Investing.com)。 - 投資家の安全資産選好と金(ゴールド)の再注目
中東・ウクライナでの地政学的緊張や、インフレ・債務負担の増大が重なり、金の保有をポートフォリオの10〜15%程度で推奨する声。特にRay Dalioなど著名投資家がドル・利回りリスクを指摘し、金を「ヘルスチェックを失った市場の防御資産(シールド)」と捉える発言が市場に影響を与えている(Reuters)。 - 原油価格は需給・地政学リスクが交錯し変動性を拡大
週間で中東を中心とした地政学リスクの高まりから原油価格は上昇。ただし、米国などでの需要見通しが悪化しているとの指摘もあり、上げ幅一部を手放す動き。需給ファクターに敏感なEnergyセクターの銘柄が反応(Investing.com)。 - プライベートクレジット市場に潜むリスクの指摘(Lloyd Blankfein)
ゴールドマン・サックスの元CEO Lloyd Blankfein は、現在の米国を次の危機に近づける要因として、資本市場で見えにくい形のレバレッジ(借入・信用リスク)に言及。特に私募(プライベート)クレジットの拡大、評価が楽観的すぎる資産などを懸念。過去のバブル崩壊やサブプライム問題の教訓を引き合いに市場慎重論を強めている(Business Insider)。 - 中東での軍事行動が地域市場・エネルギーに影響
イスラエルがドーハ(カタール)に対してハマス政治指導者を標的とした空爆を実施。これが湾岸諸国市場に不安を呼び、石油関連銘柄・金融株にマイナス影響。投資家はこのような地域紛争が原油供給や金価格に与えるインパクトを注視(Reuters)。 - テクノロジー株の上昇が強くなる中、過熱懸念も台頭
テックセクター(特にAI・クラウド関連)が牽引役となって株式市場全体の上昇をけん引。しかし一方で利回り上昇・バリュエーション(株価の割高感)が懸念材料として浮上。投資家の間で「利下げが近づいたら利益確定売り」が起きる可能性についての警戒感(Bloomberg)。 - 為替市場ではドルが地政学・政策見通しで変動強める
米国の雇用データの見直し、インフレ・利下げ期待の高まりがドルの方向性を左右。ドル円ではドルが一時買われたものの、米長期金利の低下を受けて反転する動き。ECBなど他の中央銀行との政策分岐も意識され、短期的にジグザグな動きに(Investing.com)。 - 債券利回りの動きが株式との相対バランスに影響
米10年債利回りが4%付近で小幅低下。これは労働市場の鈍化とインフレデータの「加速はあるがコントロール可能」という見方に起因。利回り低下 → 割引率低下 → 成長株の評価が改善、株価上方バイアスを強める要因(Bloomberg)。 - グローバル株式・指数の上昇だが、評価拡大による調整リスクも指摘される
MSCI ACWI(世界株指数)などが新高値を更新。企業業績が概ね好調であることやインフレ圧力の抑制期待が支え。しかし、バリュエーション指標において株価収益率(P/E)などが高水準にあり、金利のわずかな上昇やデータの不一致で急反転するリスクが潜むとの見方(Investing.com)。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- 原油先物(Crude Oil Oct 25)
原油は1バレル62.29ドルと前日比−2.17%の下落。米国在庫の増加や需要減速懸念が重荷となりました。さらにドル高一服による投機的な売りも影響し、60ドル台前半まで軟化しました。 - 米10年債利回り(CBOE 10Y T-Note)
米10年債利回りは4.011%と前日比0.52%低下。新規失業保険申請件数の増加で労働市場減速懸念が強まり、安全資産への需要が債券買いを誘発。利下げ観測を後押ししました。 - VIX指数
VIX指数は14.70と前日比−4.23%の低下。米株市場がインフレ懸念と利下げ観測のバランスを取りながら上昇基調を維持し、投資家心理の安定を反映しました。市場の警戒感は和らぎました。 - 金先物(Gold Dec 25)
金先物は3,675.40ドルと前日比−0.18%の小幅安。CPI加速で一時的に買いが入ったものの、その後の金利低下でドルが弱含み、相場は方向感を欠きました。安全資産需要は限定的でした。
自分の米ドル建ポートフォリオ +0.64%(前日比)
私のポートフォリオはVYM・VIG・VOOが揃って上昇し、VGTも堅調。株式全般に買いが広がり、安定した値動きとなりました。一方、GLDMは小幅安で調整しました。
経済指標発表予定
ミシガン大学によるアンケート結果などが発表されます。

主な決算発表予定
※該当銘柄の発表は予定されていません
おわりに
本日の米国株式市場は、インフレ指標の加速と雇用統計の弱さが交錯する中で、利下げ期待が相場を下支えしました。セクター別では景気敏感株や素材、金融などに資金が流入し、幅広い銘柄が堅調に推移しました。一方で、テクノロジー株は過熱感が意識されつつもAI関連の強さが続き、相場全体を牽引しました。地政学リスクとしては中東情勢が依然として不安定要素であり、原油や金価格に波及しています。投資環境は不透明さを残すものの、冷静な姿勢が求められます。投資は自己責任にてお願いします。成果や結果に一喜一憂せず、共に学び成長していければ嬉しいです。
今日は一粒万倍日です。将来に向けた良い種まきをしながら、一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ