S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- Tesla(TSLA +7.36%)
中国市場での販売増加や新型モデル投入の報道が投資家心理を押し上げました。加えて金利低下観測がグロース株に追い風となり、自動車セクターで突出した上昇を記録しました。 - Micron Technology(MU +4.42%)
メモリー市況の改善期待とAI向け需要増加が強い買い材料に。アナリストの投資判断引き上げも加わり、半導体関連株の中で最も大きく買われました。 - Palantir Technologies(PLTR +4.30%)
政府・企業向けAI分析需要の拡大期待が引き続き買いを呼び込みました。米国防総省関連の大型契約報道もあり、AI銘柄人気の波に乗り上昇しました。 - Oracle(ORCL −5.09%)
決算でクラウド売上成長の鈍化が示され、投資家の失望売りが強まりました。AI需要取り込みの遅れが意識され、テクノロジー株全般の中で大きな下げとなりました。 - Cadence Design Systems(CDNS −4.06%)
半導体設計ソフトの需要見通しが市場予想に届かず、売りが優勢となりました。競合との競争激化懸念もあり、成長鈍化を嫌気した売りが広がりました。 - Fair Isaac(FICO −3.99%)
与信スコア事業の収益鈍化懸念が嫌気されました。金融機関の融資基準厳格化が逆風となり、将来的な成長鈍化リスクが意識され株価は急落しました。 - Pfizer(PFE −3.98%)
新薬パイプラインの開発遅延や、既存ワクチンの需要鈍化懸念が嫌気されました。医薬品セクター全体の弱さも加わり、ディフェンシブ株ながら大きく売られました。 - Arista Networks(ANET −3.97%)
需要は堅調ながらも、競合参入増加と設備投資の先行き不透明感が重荷に。高成長期待の反動から利益確定売りが強まり、大幅安となりました。 - Royal Caribbean(RCL −3.94%)
原油価格の上昇懸念や景気減速による消費支出の鈍化観測が旅行需要に影を落としました。クルーズ需要の伸び悩みが嫌気され、セクター全体で売りが波及しました。 - Trane Technologies(TT −3.72%)
空調関連の需要鈍化懸念が台頭し、成長モメンタムの鈍化が意識されました。特に建設市場の先行き不透明感が投資家心理を冷やし、大幅安となりました。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500
S&P500は前日比−3.18ポイント(−0.05%)の6,584.29で小幅反落しました。序盤は買い優勢でしたが、米長期金利の上昇やインフレ懸念が重石となり、上値の重い展開に。終盤は消費者信頼感指数の悪化と期待インフレ率上昇を受け、売り買い交錯の中で小幅安で引けました。 - Dow30
Dow30は前日比−273.78ドル(−0.59%)の45,834.22と続落しました。金利上昇が景気敏感株に逆風となり、特に工業・金融セクターで売りが優勢に。インフレ期待の上振れが企業収益圧迫への懸念を強め、幅広く利益確定売りが出て下げ幅を拡大しました。 - NASDAQ
NASDAQは前日比+98.03ポイント(+0.44%)の22,141.10と続伸しました。半導体やテクノロジー株がAI需要や成長期待を背景に買われ、金利上昇の影響を吸収。消費関連株の一部に売りが出ましたが、ハイテクの強さが指数を押し上げ、堅調に取引を終えました。 - ドル円
ドル円は147.66円で前日比+0.34%の小幅高。米長期金利上昇を背景に一時148円07銭まで上昇しましたが、ミシガン大学消費者信頼感指数が予想を下回り、同期待インフレ率の上昇でスタグフレーション懸念が台頭。終盤はドル買いが後退し、147円台半ばで引けました。

セクター別騰落率
- Healthcare(ヘルスケア −1.22%)
新薬開発の遅延や需要鈍化懸念が意識され、製薬大手を中心に売りが優勢となりました。特にPfizerやAmgenなどの下落が目立ち、ディフェンシブセクターながら大きく調整しました。

主なETFの動き
主なETFはS&P500連動型が小幅安となる一方、QQQやVUGなど成長株中心のETFが上昇しました。金利上昇下でもハイテク株の強さが相場を支え、バリュー株や海外株ETFは軟調でした。

経済指標発表 結果
- ミシガン大学消費者信頼感指数(9月速報値)
結果は61.2と予想61.3をわずかに下回り、前回の61.7から低下しました。個人消費の先行きを占う指標として注目されますが、金利上昇やインフレ懸念を背景に慎重姿勢が続いていることを示しました。消費マインドの鈍化は景気減速懸念を強め、株価の重石となりました。 - ミシガン大学1年先インフレ期待(9月)
結果は4.8%と前月と同水準ながら高止まり。FRBが重視する期待インフレ率が下がらないことで、金融緩和のタイミングが後ずれする懸念が台頭しました。特に短期インフレ期待の粘着性が意識され、金利上昇を通じて株式市場にネガティブな影響を与えました。 - ミシガン大学5年先インフレ期待(9月)
結果は3.9%と前回3.5%から上昇し、市場予想3.4%も上回りました。長期的なインフレ観測が強まることは、FRBの利下げシナリオを難しくし、債券売り・金利上昇を招く要因となりました。これによりドル円は一時ドル高に振れ、株式市場では景気圧迫への警戒が広がりました。

主な決算発表結果
該当銘柄はありませんでした。
主な経済ニュース
- ウォール街、四半期末のマネーマーケット流動性逼迫に備え
米国債発行量が増加し、9月末に向けてマネーマーケット(短期資金市場)で流動性(資金の行き来のしやすさ)がタイト化する可能性が指摘されています。銀行の準備預金は依然多く、Fedの逆レポ施設等が支えるものの、SOFRとFed資金金利との差がマイナスになるなど資金調達コストの上昇が見られており、機関投資家の間で警戒感が強まっています( Reuters/2025-09-12 )。 - UBS、金価格見通しを2025年末までに3,800ドルへ引き上げ
UBSは2025年末までの金価格見通しを1トロイオンスあたり約300ドル上方修正して3,800ドルに、さらに2026年中期までに3,900ドルと予測しました。理由として、FRBの利下げ期待とドルの弱含み、加えて地政学的リスクが金の安全資産としての魅力を高めていることを挙げています(Reuters/2025-09-12)。 - 米FTC、GoogleとAmazonの検索広告慣行を調査
米連邦取引委員会(FTC)が、GoogleとAmazonの検索広告ビジネスにおける広告主への説明義務や誤解を招く可能性について調査中との報道。両社の広告プラットフォームが広告主をどのように扱っているか、透明性や公正性が焦点で、規制リスクがテクノロジー株に波及する可能性があります(Reuters/2025-09-12 )。 - 原油価格、供給過剰と米国需要懸念で続落
原油価格は需給過剰および米国での需要弱含み懸念から続落。中東・ウクライナでの地政学リスクがあるものの、市場参加者はそれを大きく織り込まず、過剰供給が優勢。米国内の在庫増もプレッシャーとなっており、需給改善が見えるまでは価格上昇余地は限定的との見方(Reuters/2025-09-12)。 - StubHubのIPO、20倍超の応募で人気集中
チケット転売プラットフォームのStubHubの新規株式公開(IPO)が、予定株数の20倍を超える応募を集めました。市場ボラティリティや貿易関税リスクが高まる中でも、テック系・消費関連プラットフォームへの関心の強さを示す現象。IPO案件の需給がタイトで、成長期待の高さを反映しています(Reuters/2025-09-12)。 - アジア株、FRB利下げ期待で最高値を更新
アジア株市場では、FRB(米連邦準備制度)の利下げ期待が高まる中、記録的高値に上昇。特に中国、台湾、韓国などでAI関連企業の業績期待が追い風。ドル安や債券利回り低下が資本流入を促しており、米国外市場にも好循環が見られています(Reuters/2025-09-12)。 - 米株式ファンド、5週間ぶり最大の資金流出
米国の株式ファンドでは、直近週で5週間ぶりに最大の資金流出となりました。市場が連続高値を更新する中で、投資家が利益確定やリスク回避に動いた形。大型株中心のETFからの引き揚げが顕著で、一方で債券ファンドやMMFへの資金シフトも見られました(Reuters/2025-09-12)。 - イスラエル、カタールを空爆し湾岸市場下落
中東でイスラエルがカタールへの空爆を実施、交渉中のハマス指導者らに被害が出たと報道され、湾岸市場が下落。サウジやUAE市場も反応し、地域の政治リスクが急浮上。原油市場には上昇圧力となる一方で、株式市場には不透明感をもたらしました(Reuters/2025-09-10)。 - AppleのAI・検索部門幹部、退社へ
アップルのAIおよび検索部門の上級幹部、Robby Walker氏が退社を計画中と報じられました。Siri拡張やAI統合で遅れが指摘されており、アップルのAI戦略に対する期待とのギャップを象徴。AI競争力が問われる中、市場は人事に敏感に反応しています(Reuters/2025-09-12)。 - 「悪いニュースが良いニュース」に=利下げ期待が株式を支える
米労働市場の鈍化やインフレ上振れといったネガティブなデータも、投資家は“利下げ観測を強める材料”として解釈。株式は上昇基調を維持。悪いニュースを将来の緩和要因とみるセンチメントが強く、VIXの低水準にもつながっています(Reuters/2025-09-12)。 - 証券会社、関税・地政学リスク下でもS&P500強気見通し
複数の大手証券会社が、米国株(特にS&P500)の年末見通しを引き上げています。堅調な企業収益と経済の底堅さを背景に、関税や地政学リスクがあっても乗り越えられると判断。投資家に強気スタンスが広がっています(Reuters/2025-09-12)。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- 原油先物(WTI)
WTI原油10月限は62.57ドルと前日比+0.32%の小幅高。中東情勢の警戒感が下支えする一方、中国の需要回復鈍化懸念が重石となり、63ドル台前半で方向感に乏しい展開となりました。 - 米10年国債利回り
米10年国債利回りは4.061%と+0.05ポイント上昇。インフレ期待の高まりを背景に売りが優勢となり利回りは1.25%上昇。FRBの利下げ時期観測に影響を与え、株式市場の重石となりました。 - VIX指数
VIX指数は14.73と前日比+0.14%の小幅上昇。株式市場での方向感の乏しい値動きを反映し、リスク回避の動きは限定的。依然として低水準圏にあり、市場は過度な不安を織り込んでいません。 - 金先物
金先物12月限は3,681ドル/ozと前日比+0.20%の小幅上昇。米長期金利上昇で上値は抑制されましたが、インフレ期待の上振れやドル高一服が支援材料となり、安全資産需要を背景に底堅く推移しました。

自分の米ドル建ポートフォリオ -0.06%(前日比)
私のポートフォリオは小幅安。VGTや金連動ETFが支えとなったものの、高配当株ETFや配当成長ETFが下落し、全体では小幅なマイナスとなりました。
今週の動き
- Oracle が AI インフラ需要を追い風に大躍進
Oracle株は今週、AI企業によるクラウドサービス需要の急増を受けて、四大契約の発表などが好感され、9/10には1日で約36%の急騰を記録。これにより時価総額が約9,220億ドルに達し、S&P500 内の AI 関連銘柄の注目度がさらに高まりました。技術セクター全体の上昇を牽引し、Oracle の好調が Micron や Broadcom など半導体株の追い風にも。 - 先端技術・公益事業が牽引、ヘルスケアは弱含み
Technology(先端技術)セクターは今週 +3.38%と最も強く上昇、特に Oracle の急騰や AI 関連投資の活況、Nvidia/MU 等の半導体の好調が要因。Utilities(公益事業) も +2.09%と堅調で、安全資産としての選好や金利見通しに敏感な動きが背景。対して Healthcare(ヘルスケア) は −0.65%と唯一のマイナス。新薬開発の遅延懸念、コスト圧力、あるいは投資家のリスク調整意識が出てきたことが弱さとして表出。


経済指標発表予定
以下に示すものが予定されています。

主な決算発表予定
時価総額100B以上の銘柄は、発表予定がありません。
おわりに
週末の米国市場は、S&P500とDow30が下落する一方、NASDAQはハイテク株の強さで上昇するなど、金利やインフレ期待を巡る思惑と成長期待が交錯する一日でした。特にミシガン大学調査で長期インフレ期待が上振れしたことが、金利上昇と株式の重石となる一方、AI関連を中心としたテクノロジー株には資金流入が続いています。また中東情勢の緊迫化は原油市場と投資家心理に不透明感をもたらしました。今後も金利・インフレ動向と地政学リスクが相場の波を左右する構図が続くでしょう。長期投資家としては短期変動に振り回されず、分散とリバランスを基本に市場を見守る姿勢が重要と考えます。投資は自己責任にてお願いします。
日本は今日から三連休です。良い週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ