S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- UBER:‐4.99%
Lyft と Waymo(Google傘下の自動運転部門)の提携がナッシュビルで発表され、Waymoが自動運転タクシーで Lyft と組むことになった点が、Uber の自律走行(autonomous vehicle)戦略に対する懸念を再燃させました。加えて、CEO の多額の株式売却も売り圧力を強めました。 - AVGO(Broadcom):‐3.84%
Broadcom は AI ブームで急騰していましたが、過度な評価や中国の規制強化などによる需給リスクの高まりが重荷になりました。テクニカル指標で「KDJデスクロス(テクニカル分析での売りシグナル)」が確認され、セクター全体の調整局面に巻き込まれました。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500
S&P500は6,600.35で前日比‐6.41(‐0.10%)と小幅安。米8月住宅着工件数が予想以上に減少したほか、FRBが予想通り0.25ポイントの利下げを実施しました。しかしパウエル議長が大幅利下げに慎重な姿勢を示したため、利下げ期待がやや後退し、成長株中心に売りが優勢となりました。景気懸念と金融政策の先行き不透明感が交錯し、方向感に欠ける展開となりました。 - Dow30
Dow30は46,018.32で前日比+260.42(+0.57%)と続伸。利下げや長期金利の低下期待を背景に金融や資本財株に買いが入りました。特にAmerican ExpressやCaterpillarなど景気敏感株が上昇を主導し、インフラ関連や工業・産業セクターに資金が向かいました。ハイテク株が軟調な中でも、伝統的な景気連動型銘柄に資金がシフトし、相場全体を下支えしました。 - NASDAQ
NASDAQは22,261.33で前日比‐72.63(‐0.33%)と反落。利下げ決定にもかかわらず、パウエル議長が大幅利下げを否定したため金利が持ち直し、割高感のあるハイテク株が売られました。特に半導体セクターでは、中国向けAIチップ販売への規制懸念が浮上し、Nvidia株が下落して指数の重荷となりました。成長株への先行き不透明感から投資家心理はやや弱気となりました。 - ドル円(USD/JPY)
ドル円は146.84で前日比+0.30%の上昇。米住宅着工件数の減少を受け序盤はドル売りが強まり、一時145円49銭まで下落しました。しかしFOMC後の記者会見で、FRBが年内の大幅利下げに慎重姿勢を示したことで長期金利が上昇に転じ、ドル買いが優勢に。結果的に146円86銭まで反発し、取引を終えました。金融政策の方向性を巡る思惑が為替を大きく揺さぶる展開となりました。

セクター別騰落率
すべてのセクターは騰落率1%未満の小幅な動きでした。

主なETFの動き
主要ETFは軟調で、S&P500連動型(VOO, SPY, IVV)は小幅安、QQQやVUGも成長株売りで下落。一方、バリュー株に資金が向かいVTVのみ堅調でした。
経済指標発表 結果
- 住宅着工件数(8月)
結果は130.7万戸と予想137万戸を下回り、前月比‐5.8%と大幅減少しました。住宅市場の減速が鮮明となり、景気の先行き不安が意識されました。特に金利上昇が住宅需要を圧迫しており、建設関連株にマイナス要因となる一方、FRBの追加利下げ観測を支える材料にもなりました。 - 原油在庫(EIA週報)
原油在庫は‐928.5万バレルと予想以上の取り崩しとなりました。ガソリン在庫も減少しており、需給は引き締まり傾向を示しましたが、景気減速懸念から原油価格の上昇は限定的でした。需給の逼迫感は短期的な支えになるものの、景気全般の弱含みがエネルギー価格の重荷となっています。 - FOMC政策金利発表
FRBは予想通り0.25%の利下げを決定し、政策金利は4.25%となりました。その後の記者会見でパウエル議長は年内にあと2回の利下げを見込む一方、大幅利下げへの支持が広くないと発言。これにより金利は一時低下後に反発し、株式市場や為替相場に大きな変動をもたらしました。

主な決算発表結果
- General Mills(GIS)
EPSは0.86ドルと市場予想0.81ドルを上回りました。売上高は45.2億ドルで予想と一致。コスト抑制と価格戦略で利益は改善したものの、売上成長は鈍化しており、消費需要の弱さが課題として残りました。

主な経済ニュース
- FRB 利下げと「リスク管理」としての性格
米連邦準備制度理事会(FRB)は0.25%の利下げを実施。パウエル議長は、この利下げを「リスク管理のための」措置と表現し、景気減速と失業拡大の懸念がインフレ抑制よりも政策運営で重視されているとの見方を示した。このスタンスが市場の先行き金利見通しに影響を与えている(Reuters 9/17)。 - 利下げ後の市場の反応と不確実性
利下げが既定路線と考えられていたこともあり、S&P500 やナスダックは記録的高値近辺で膠着感を示す一方、Dow は上昇。だがパウエル議長がさらなる利下げについて「確約ではない」と警戒を唱えたことで、投資家の期待が調整され、不確実性が強まった(AP News 9/17)。 - 米長期金利とドルの動き
利下げ決定の直後はドル売り・長期債利回り低下が観測されたが、パウエル議長の発言で「大胆な利下げには広い支持なし」が示されると、長期金利が上がりドルが買い戻される展開に。ドルは欧州通貨に対してやや戻す動き(Reuters 9/17)。 - 原油市場:在庫増・需要懸念の台頭
米国のディーゼルや各種石油製品のストックが増加しているデータが見られ、需要が弱いのではという懸念が原油価格を抑制。一方でロシアなど供給リスクも残存しており、需給均衡の綱引き状態。利下げ期待も原油にとっては二義的材料に(Reuters 9/17)。 - テクノロジー株:中国の規制強化が足かせに
Nvidia のチップを中国の主要テック企業が購入停止するよう指示が出たという報道があり、AI/半導体関連のテクノロジー株に売り圧がかかった。米中の技術覇権競争が業績見通しだけでなくサプライチェーンにも影響を与えてきている(Reuters 9/17)。 - 新興企業 IPO と株式市場の動向
StubHub の IPOが NYSEで行われ、初値が予想を下回る動き。新興企業の株式公開(IPO)環境について、投資家が積極性を見せる銘柄と慎重姿勢を取る銘柄の差が拡大していることが示された( Investopedia 9/17)。 - 供給網と地政学的緊張
モノの流通やサプライチェーン全体が、貿易摩擦・規制・エネルギー市場の不安定さによって影響を受けているという指摘。金融緩和期待の中でも、このような外部ショックが実体経済に波及するリスクとして意識されており、企業のコスト見通し・輸入依存度が焦点( FinancialContent 9/17)。 - 政策金利先物市場の動き
9月の利下げを受けて、金利先物市場では10月以降の追加利下げ期待が高まっており、年内で計約70ベーシスポイントの利下げを織り込む動き。市場参加者は、FRBがどのくらいまで緩和サイクルを続けるかを、今後の経済指標で判断しようとしている(Reuters 9/17)。 - 原油価格と OPEC の供給規律
OPEC+が供給抑制姿勢を維持することが原油価格を支える要因となっているが、同時に世界的な需要減速懸念が上値を抑えている。投資家は在庫統計や経済成長見通しの揺れ動きに敏感に反応中(Yahoo Finance 9/17)。 - 地政学的・政策的リスク:米中・貿易・技術制限
AI技術を巡る米中間の摩擦が激化。中国側が Nvidia チップの購入停止指示を含む技術制限を出し、これが世界のテックバリューチェーンに不安をもたらしている。また、米国側でも貿易政策/関税の変化が中小企業や輸入依存企業に影響。さらに、Fedのガバナンス(新任者・理事の交代など)が政策信頼性と予想の変動要因になってきている(Reuters 9/17)。
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- 原油先物(WTI)
原油先物は64.02ドルと前日比‐0.77%の下落。中国や欧州の需要鈍化懸念に加え、米在庫の積み増し観測が重荷となりました。中東の地政学リスクは依然存在するものの、供給不安より需要不透明感が優勢となり、軟調な推移となりました。 - 米10年国債利回り
米10年債利回りは4.076%と前日比+0.05ポイントの上昇。FRBが利下げを決定した一方、パウエル議長が大幅利下げに慎重姿勢を示したため、長期金利が切り返しました。市場では追加利下げ観測がある一方で、インフレ抑制姿勢が意識され、金利は高止まりしています。 - VIX指数
VIX指数は15.65と前日比‐4.34%の低下。FOMC通過で市場の不透明感が一時的に和らぎ、投資家心理が改善しました。株式市場では大型株を中心に売買が落ち着きを取り戻し、ボラティリティ指標は再び低水準圏へ。リスクオン気配が優勢となりました。 - 金先物
金先物は3,694.00で前日比‐0.83%の下落。利下げ決定を受け一時買われましたが、パウエル議長が追加利下げに慎重姿勢を見せたことでドルが強含み、金価格は押し下げられました。安全資産需要は残るものの、為替と金利動向に敏感に反応し軟調に推移しました。

自分の米ドル建ポートフォリオ -0.19%(前日比)
自分のポートフォリオは小幅に軟調でした。VGTやVOOが軟調で全体を押し下げた一方、VYMやVIGが小幅高で下支え。GLDMも下落し、リスク資産の弱さが優勢となりました。

経済指標発表予定
週次の失業保険申請関連と、フィラデルフィア連銀による9月の製造業景気指数が発表されます。

主な決算発表予定
以下の銘柄が決算発表を予定しています。

おわりに
本日の米国市場は、FRBの利下げ決定を受けつつも、パウエル議長の慎重な姿勢が示されたことで先行きへの不透明感が残りました。金融や景気敏感株は買われた一方、テクノロジー株は米中対立や金利動向に左右され弱含みました。加えて原油や金の価格変動、地政学的リスクが投資家心理を揺さぶっています。短期的な値動きに振り回されず、長期視点を忘れずに冷静に判断していくことが大切です。投資は自己責任にてお願いします。
成果や結果に一喜一憂せず、共に学び成長していければ嬉しいです。今日は寅の日、縁起の良い日です。明るく元気に笑顔で過ごして金運を向上させましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- ETFトップ10:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ