S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- WFC +7.15%
連邦準備制度理事会(FRB)が課していた資産上限制(asset cap)を解除したとの発表があり、銀行の成長余力拡大期待を引き起こしました。規制緩和を好感する流れが強まったためです。 - WMT +4.98%
OpenAIとの提携によるチャットボット経由での購買導線強化を発表し、「AI × 小売」戦略が注目されました。この動きが株価を押し上げた要因です。 - LUV +4.76%
航空需要の改善を背景に、運賃回復や搭乗率上昇への期待が先行しました。投資家が航空株に資金を振り向けた可能性があります。 - CAT +4.50%
国内外インフラ投資や公共事業拡大の思惑が強まり、重機需要拡大への期待が高まりました。Dowを牽引する銘柄としても注目されました。 - HPQ +4.35%
IT機器需要の改善やデータセンター投資拡大を見込む動きが強まりました。半導体・PC周辺機器関連の好調期待に支えられた上昇です。 - DAL +4.34%
航空旅客需要の持続回復を背景に、コスト削減効果や運航効率改善への期待が高まりました。これが株価上昇の要因となりました。 - APO +4.25%
アセットマネジメントや投資運用事業に対する期待感が高まり、市場で買いを誘引しました。投資先多様化への期待も支援材料です。 - ANET -5.87%
NVIDIAがAIネットワーク製品の分野で地位を強化したことで、Arista(ANETの競合)に受注減やシェア喪失懸念が広がりました。そのため株価が下落しました。 - WDC -4.82%
ハードディスク・ストレージ需要の停滞や半導体供給懸念、競争激化を背景に売り圧力が強まりました。市場では先行き不透明感が意識されました。 - NVDA -4.41%
AI関連期待が先行して折り込まれていた反動や、利確売り、過熱感を警戒する売りが出ました。短期的な調整局面に入ったとみられます。 - COIN -4.33%
暗号資産市場全体の変動性拡大や規制リスク懸念が再燃しました。これにより仮想通貨取引所株に売りが波及しました。 - INTC -4.23%
半導体競争の激化や技術的遅れ懸念に加えて、アナリストによる警戒的な評価引き下げがありました。これが株価の重しとなりました。 - HOOD -4.07%
Robinhoodの株価上昇がこれまで急ピッチだった反動に加え、規制懸念や流動性低下を警戒する売りが出ました。これが下落要因となりました。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(終値 6,644.31、前日比 -0.16%)
ハイテク株の冴えない動きや、米中貿易摩擦の再燃警戒が重しとなり、広範な銘柄に波及して指数を押し下げました。市場では利下げ観測も広がっており、期待と不安が交錯する展開となりました。 - Dow30(終値 46,270.46、前日比 +0.44%)
鉄鋼・重機といった景気敏感株や大型工業株が買われ、景気回復期待を背景に指数を牽引しました。伝統的なディフェンシブ性よりも景気連動性のある銘柄に資金が向かった様子です。 - NASDAQ(終値 22,521.70、前日比 -0.76%)
ハイテク・半導体関連銘柄に売り圧力が強まり、特に過熱感懸念や利確売りの動きが顕著となりました。成長株中心の構成ゆえに調整を受けやすい展開になりました。 - ドル円(151.80、前日比 -0.28%)
ベッセント米財務長官の対中批判や中国の報復制裁発表によりリスク回避が強まり、ドル売り・円買い優勢となりました。加えてパウエルFRB議長の講演で労働市場の軟化指摘があったことで、利下げ期待が再燃し、ドル下落に拍車がかかりました。

セクター別騰落率
- Consumer Defensive(生活必需品)
ディスカウントストア大手ウォルマートの大幅上昇を受けて、生活必需品セクター全体が堅調でした。インフレ下でも消費が底堅いとの見方が強まり、景気後退懸念が意識される局面で資金の逃避先となりました。 - Industrials(工業・産業)
キャタピラーやGEなどの景気敏感株が上昇し、インフラ投資拡大や設備需要回復期待が追い風となりました。特に公共事業関連や防衛関連の買いが指数を押し上げました。 - Financial(金融)
ウェルズ・ファーゴやアメリカン・エキスプレスなどが上昇し、金利動向や規制緩和期待が追い風となりました。銀行株を中心に買いが集まり、セクター全体で1%超の上昇となりました。

主なETFの動き
主要ETFでは、米国株指数連動型のVOO、SPY、VTIが小幅安となり、特にハイテク比率の高いQQQとVUGが0.7%前後下落しました。一方で、バリュー株中心のVTVは+0.86%と堅調で、景気敏感株への資金シフトが示唆されます。海外株ETFのVEAやIEFAも小幅高となり、米国外市場の相対的な安定感が意識されました。債券ETFのBNDは金利低下を受けて反発し、安全資産への需要も確認されました。

経済指標発表 結果
- NFIB中小企業楽観指数(9月)
結果は98.8と前月の100.8から低下し、市場予想(100.6)を下回りました。労働需給の逼迫(ひっぱく)や原材料コスト高が依然として企業マインドを抑制しています。特に採用難と賃金上昇が利益圧迫要因とされ、FRBによる利下げ観測を後押しする材料となりました。 - レッドブック(前年比)
小売売上高は前年比+5.9%と前回(+5.8%)から小幅に上昇しました。依然として堅調な消費が示され、低所得層向けの消費支出が支えとなっています。ただし、高金利下でのクレジット利用増加が見られ、今後の持続性にはやや不安が残る結果となりました。

主な決算発表結果
- JPモルガン・チェース(JPM)
第3四半期決算は1株利益(EPS)5.07ドルと予想(4.84ドル)を上回り、売上高も46.43Bドルと市場予想を上回りました。利ざや拡大と投資銀行部門の回復が寄与しました。CEOジェイミー・ダイモン氏の慎重発言にもかかわらず、安定した収益基盤が評価され株価を支えました。 - ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)
EPSは2.8ドルで予想(2.76ドル)を上回り、売上高も23.9Bドルと好調でした。医薬品部門が堅調に推移し、新薬販売が業績を押し上げました。医療機器分野も堅調で、ディフェンシブ(景気に左右されにくい)な業種として投資家に安心感を与えました。 - ウェルズ・ファーゴ(WFC)
EPSは1.66ドルと予想(1.55ドル)を上回り、純金利収入が堅調に推移しました。資産上限制(asset cap)解除が発表されたことで、成長余力が拡大するとの見方が強まりました。市場では規制リスクの後退を好感し、株価は大幅高となりました。 - ゴールドマン・サックス(GS)
EPSは12.25ドルと予想(11.02ドル)を上回り、トレーディング部門の好調が業績を押し上げました。株式・債券市場のボラティリティ(価格変動)を背景に、顧客取引収益が増加しました。投資銀行部門の復調期待もあり、決算後は買いが優勢となりました。 - ブラックロック(BLK)
EPSは11.55ドルと予想(11.31ドル)を上回り、売上高も市場予想を上回りました。ETF資金流入が続き、資産残高が増加しました。特に債券ETFやAI関連投資商品への需要が業績を押し上げ、安定した運用手数料収入が評価されました。 - シティグループ(C)
EPSは2.24ドルと予想(1.75ドル)を上回り、トレーディングやクレジットカード部門が好調でした。リスク管理強化とコスト抑制策が奏功し、収益体質の改善が進んでいます。大型リストラの進展と共に、再評価の動きが強まりました。

主な経済ニュース
- 米国株はまちまち、銀行高・テック安
決算の好調さを手掛かりに銀行株が買われる一方、半導体などハイテクが軟調で、S&P500は小反落・Dowは続伸・NASDAQは下落で引けました。金融と工業株が相場を下支えしました。(Reuters) - パウエル議長、バランスシート縮小終了が近い示唆
パウエルFRB議長は講演で、バランスシート縮小の終了が近い可能性や労働市場の弱さに言及し、市場では追加利下げ観測が強まりました。金利低下とグロース株の見直しに影響しました。(Reuters) - ウェルズ・ファーゴ、資産上限制解除後に利益上振れ
WFCは資産上限制解除を追い風にROTCE目標を17〜18%へ引き上げ、Q3はEPS・収益とも予想超えでした。投資銀行手数料の伸びも寄与し、銀行株上昇の中心となりました。(Reuters) - ウォルマート、OpenAI連携でチャットGPT購買導線
WalmartはChatGPT上での直接購入に対応。会員向け機能強化でEC成長期待が高まり、生活必需品セクターの物色を後押ししました。小売×AIの実装加速がテーマ化しました。(Yahoo!Finance) - 中国、韓国ハンファ海洋の米関連子会社に制裁
中国商務省は同社の米関連子会社5社に対する取引禁止を通告しました。米中対立の報復色が強く、サプライチェーンと対米投資に地政学リスクが波及する懸念が再燃しました。(Reuters) - IEAが原油「大幅余剰」見通し、原油は5カ月安値圏
IEAは2026年半ばまで日量320万バレルの余剰を予想しました。需給緩み観測で原油は下落し、エネルギー株の重しに。OPEC見通しとの乖離も意識されました。(Financial Times) - 金価格上昇、株式のまちまちと貿易摩擦懸念で安全資産買い
米株はまちまちの中、米中摩擦再燃や利下げ観測を背景に金が上昇しました。10年債利回り低下とドル安気味の動きが追い風となりました。(Reuters) - NFIB中小企業楽観度、9月は98.8へ低下
採用難やコスト高を背景に楽観度が低下しました。価格転嫁の意向は根強い一方で投資と雇用の慎重化が示唆され、景気の減速懸念と追加利下げ観測を補強しました。(Standard) - 銀行決算総じて堅調、相場の防波堤に
WFCやCは収益・手数料が改善し、金利低下でもNIIと信用コストのバランスが良好でした。金融セクターは指数下支え役となり、循環株物色の呼び水となりました。(Standard) - テック主導で調整、半導体中心に利確
物価・金利低下は追い風ながら、直近の上昇で過熱感が意識され半導体などグロースに利益確定が広がりました。セクター間で明暗が分かれる展開になりました。(Tradingview)
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- 原油先物(58.68ドル、-1.36%)
中東情勢の緊張が一時的に和らぎ、供給不安が後退しました。さらに米国の原油在庫増加観測も重なり、WTI原油価格は3日ぶりの反落となりました。 - 米10年国債利回り(4.022%、-0.72%)
パウエル議長のハト派(金融緩和寄り)発言を受けて利下げ観測が強まり、国債需要が増加しました。利回りは一時4.0%割れを試す場面もありました。 - VIX(20.81、+9.35%)
米中対立再燃やハイテク株下落を背景にリスク回避姿勢が強まり、投資家の不安心理を示すVIX指数は大幅に上昇しました。 - 金先物(4,160.50ドル、+0.67%)
ドル安と金利低下を背景に安全資産としての需要が高まりました。米中摩擦の再燃でリスク回避的な買いが入ったことも支援要因です。

自分の米ドル建ポートフォリオ +0.24%
私のポートフォリオは前日比+0.24%と小幅上昇しました。金ETFのGLDM(+0.76%)や高配当株ETFのVYM(+0.70%)が堅調で、ディフェンシブ資産が全体を支えました。一方で、VGT(-1.28%)などハイテク関連の軟調が一部重しとなりましたが、金利低下と安全資産需要が下支え要因となりました。

経済指標発表予定
以下の経済指標が発表される予定です。

主な決算発表予定
以下の主要銘柄の決算発表が予定されています。

おわりに
本日の米国市場は、金融株の好決算や利下げ観測を背景に堅調な一方、ハイテク株の調整が重しとなり、指数は方向感に欠ける展開でした。FRBパウエル議長の発言から、金融引き締めの終盤観測が広がり、債券・金相場は上昇。米中対立再燃による地政学リスクも意識され、資金はディフェンシブ(防衛的)銘柄にシフトしました。今後は企業決算とインフレ指標が市場の焦点となりそうです。
投資は自己責任にてお願いします。成果や結果に一喜一憂せず、共に学び成長していければ嬉しいです。それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 主なETF:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ