S&P500 ヒートマップ(高解像度)

- JBHT(J.B. Hunt Transport Services) +22.14%
第3四半期決算で利益・売上が市場予想を上回り、物流需要の底打ちとコスト削減の効果が示されました。インターモーダル(鉄道とトラック併用輸送)部門の利益率改善が評価され、急騰しました。 - MU(Micron Technology) +5.52%
AIサーバー向けメモリ需要が堅調に拡大しており、DRAM価格の上昇が続くとの観測が追い風となりました。半導体セクター全体の買い戻しの流れにも支えられました。 - ON(ON Semiconductor) +5.18%
自動車向けおよび電力半導体の需要拡大期待が再燃しました。アナリストの投資判断引き上げが伝わり、AI・EV関連の中核銘柄として物色されました。 - NEM(Newmont Corporation) +5.01%
金先物価格の上昇を背景に、世界最大級の金鉱山会社として買いが集中しました。中東情勢の緊迫による安全資産需要の高まりが株価上昇を後押ししました。 - WDC(Western Digital) +4.55%
データセンター向けストレージ需要の改善観測が強まり、NAND価格の回復期待が株価を押し上げました。データセンター向け需要回復観測とNAND市況の持ち直し期待が支えも好材料視されました。 - CRM(Salesforce) +3.98%
企業向けAI導入支援ツール「Einstein Copilot」の発表が投資家心理を刺激しました。生成AIとの統合が収益拡大につながるとの期待が高まりました。 - ORCL(Oracle) +3.09%
AIクラウド分野でのOpenAIおよびNVIDIAとの提携強化が報じられ、データセンター事業の拡大期待が高まりました。クラウドサービス売上の成長見通しも評価されました。 - KVUE(Kenvue) -13.22%
第3四半期決算で通期見通しを下方修正。価格競争激化と為替の逆風が利益を圧迫しました。ヘルスケア日用品セクター全体にも売りが波及しました。 - FFIV(F5, Inc.) -10.70%
次期四半期の売上見通しが市場予想を下回り、企業向けネットワーク機器需要の鈍化懸念が浮上しました。クラウド移行加速による既存製品の販売減少も重荷となりました。 - VRSK(Verisk Analytics) -6.12%
保険・リスクデータ分析部門での成長鈍化が懸念され、収益予想の引き下げが嫌気されました。保険再編に伴う需要一巡の見方も重しとなりました。 - UAL(United Airlines) -5.63%
燃料費高騰と運賃競争による収益圧迫が警戒されました。冬季の需要見通しが弱含みと報じられ、航空セクター全体が売られました。 - KKR(KKR & Co.) -5.58%
金利高止まりによるレバレッジドバイアウト(借入による企業買収)案件の減少が懸念されました。運用資産の評価益縮小も指摘され、同業他社にも売りが波及しました。 - APO(Apollo Global Management) -5.37%
私募債・不動産関連の評価損計上観測が浮上。高金利環境での資金調達コスト上昇が業績懸念を招きました。KKRなどと並んで金融セクターの下落要因に。 - AIG(American International Group) -5.22%
ハリケーン関連損失の増加見込みと再保険コスト上昇が嫌気されました。保険金支払コストの上昇により利益率が圧迫されるとの懸念が強まりました。
主要3指数とドル円の動き
- S&P500(終値 6,629.07、前日比 -0.63%)
米10月の製造業関連指標が軒並み悪化し、景気減速懸念が強まりました。決算発表が始まる中でハイテク株と金融株に売りが広がり、終日軟調な展開でした。エネルギー・金融・一般消費財セクターが下落を主導しました。 - Dow30(終値 45,952.24、前日比 -0.65%)
主要企業の業績見通しが慎重姿勢となり、景気循環株に売りが優勢でした。特にJPMorganやCaterpillarが下落し、指数を押し下げました。一方でヘルスケアと通信関連は下支え要因となりましたが、全体では戻りの鈍い一日でした。 - NASDAQ(終値 22,562.54、前日比 -0.47%)
AI・半導体株に買い戻しが見られたものの、金利低下に伴う景気懸念が上値を抑えました。MicronやOn Semiconductorが上昇する一方、AppleやTeslaなど大型グロース株が軟調で、ハイテク全体の勢いは限定的でした。 - ドル円
ドル円は151円28銭から150円23銭まで円高が進み、150円台前半で取引が続いています。米金利低下を背景にドル売りが優勢となり、FRB高官による「10月利下げ支持」発言が下押し要因となりました。米地銀への信用不安や中東リスク再燃も円買い圧力を強めました。

セクター別騰落率
- Financial(金融) -2.40%
米地銀を中心に信用不安が再燃し、金融セクターが大きく売られました。長期金利低下で利ざや縮小懸念が強まり、主要行ではJPMorgan、Bank of America、Citigroupが軒並み下落しました。リスク回避の流れが鮮明となり、セクター全体で調整色が強まりました。 - Energy(エネルギー) -1.17%
原油価格が需給懸念を背景に下落し、エネルギー関連株が売られました。特にExxonMobilやChevronなど大手石油株が軟調で、原油在庫増加の報道が重荷となりました。中東情勢による供給リスクは意識されつつも、需給バランス悪化の懸念が上回りました。

主なETFの動き
10月16日のETF市場では、米国株主要指数連動型のETFがそろって下落しました。S&P500連動のVOO(-0.66%)、SPY(-0.68%)や全米株式のVTI(-0.79%)が軟調で、景気懸念から金融や消費関連株が売られました。一方、欧州・先進国株に分散投資するVEA(+0.43%)やIEFA(+0.47%)は上昇し、ドル安の恩恵を受けました。債券ETFのBND(+0.37%)は米金利低下を背景に買われ、安全資産への資金シフトが見られました。
経済指標発表 結果
- フィラデルフィア連銀製造業景気指数(10月)
結果は-12.8と、市場予想の+8.6を大幅に下回りました。前月の+23.2から急低下し、製造業活動が再び縮小圏(ゼロ未満は景気悪化を示す)に転じたことを示します。新規受注や出荷が弱含み、価格動向も鈍化。景気減速懸念が強まり、米長期金利の低下とドル売りにつながりました。 - NAHB住宅市場指数(10月)
結果は37で、予想の33を上回りました。住宅ローン金利の高止まりにもかかわらず、住宅需要が底堅く推移していることを示唆しました。ただし依然として50を下回る水準にあり、住宅建設業界の信頼感は限定的です。建設関連株には一部買い戻しが入りました。 - 週間原油在庫(EIA発表)
原油在庫は+352.4万バレル増と予想(+30万バレル)を大幅に上回りました。需給バランス悪化への懸念が高まり、WTI原油価格は一時下落。これによりエネルギーセクター全体が軟調となりました。ガソリン在庫の減少も限定的で、需要の鈍さが意識されました。 - 月次連邦財政収支(9月)
財政収支は+1,980億ドルの黒字で、市場予想の赤字(-3,450億ドル)から大きく改善しました。税収増と歳出抑制が要因とみられます。財政健全化の動きは金利上昇圧力をやや和らげたものの、今後の歳出拡大への懸念は残っています。

主な決算発表結果
- SCHW(チャールズ・シュワブ)
EPSは1.31ドルで予想の1.23ドルを上回り、売上高も61.4億ドルと市場予想を超えました。金利低下にもかかわらず顧客資産残高が増加し、手数料収入が堅調でした。ただし、預金流出の一部継続が確認され、株価の反応は限定的となりました。 - MMC(マーシュ・アンド・マクレナン)
EPS1.85ドル、売上高64.8億ドルと予想を上回りました。保険仲介およびリスク管理サービス事業が好調で、企業のリスクコンサルティング需要増が寄与しました。為替の逆風にもかかわらず、営業利益率が改善し、安定成長が評価されました。 - BK(バンク・オブ・ニューヨーク・メロン)
EPS1.91ドル、売上高50.8億ドルでともに予想を上回りました。金利収入は伸び悩んだものの、資産運用手数料とカストディ(資産保管)サービスの収益が堅調でした。市場のボラティリティ上昇を背景に、機関投資家の取引量増加が追い風となりました。 - USB(U.S. Bancorp)
EPS1.22ドル、売上高73.3億ドルと予想を上回りました。貸出需要は伸び悩んだものの、クレジットカード部門が好調で、貸倒引当金の減少も寄与しました。コスト管理が奏功したことで純利益率が改善しましたが、地方銀行不安の影響で株価の戻りは鈍い動きでした。 - TRV(トラベラーズ・カンパニーズ)
EPS8.14ドル、売上高124.7億ドルといずれも予想を上回る好決算でした。保険引受利益が大幅に改善し、災害損失が前年より減少したことが業績押し上げ要因です。保険料引き上げとコスト削減策の効果も顕著で、株価は堅調に推移しました。

主な経済ニュース
- AIと銀行決算が相場支え要因に浮上
第3四半期におけるAI領域への設備投資拡大への楽観と、米大手銀行の好決算を背景に投資家のリスク選好が強まり、株式市場には下支え要因となりました。特に半導体・クラウド関連銘柄の買いが目立ちました。Reuters - ドル安・金高へのシフト、トレンド対立の分裂相場
米ドルは対主要通貨で軟化し、投資家はドル売り・金買い傾向へ。資産クラスごとの動きが分かれ、市場には分裂的な動きが広がりました。Reuters - FRBと銀行業界、金融政策を巡る温度差顕在化
パウエル議長は年内利下げを示唆し政策的な緩和期待を発信。一方で銀行界は流動性引き締め感を感じており、両者の視点乖離(かいり)がマーケット参加者の混乱材料となっています。Reuters - 地域銀行の信用リスクが重荷に
一部地域銀行が不良債権や融資の不透明性を巡る報道を受け、信用リスク懸念が広まりました。金融セクター全体への売り圧力を誘発し、相場の逆風となりました。Bloomberg - 中国のレアアース輸出規制拡大めぐる緊張激化
中国政府はレアアース(希土類元素)輸出管理を強化する意向を示し、米国を非難。米中のサプライチェーンを巡る摩擦が再燃し、技術・素材セクターのボラティリティ材料に。
Reuters - 米中通商摩擦と貿易リスクの常態化
トランプ政権は中国との“貿易戦争”継続を宣言。中国側も反発し、関税猶予策や対話の可能性の示唆を交えて騒ぎを拡大。市場は引き続きこのリスクを意識。Reuters - 原油需給焦点、インドのロシア石油購入停止観測
トランプ大統領はインドがロシア産原油の購入を停止する意向を示したと発言。これを受けて原油価格は上昇。需給ひずみを巡る思惑がエネルギー市場を揺さぶりました。Reuters - クリーンエネルギー・鉱業企業の政策連動熱
米国が重要資源・クリーンエネルギー分野への国家投資を拡大する方針を示し、リチウム・希少金属・原子力関連企業がロビー活動を強化。セクターへの注目度が高まりました。Reuters - 核・クリーンエネルギー企業、物色人気上昇
Centrus Energy や Oklo など核燃料・小型原子炉関連企業株が今年大幅高。気候・エネルギー政策変化の波を受け、クリーン電力分野に資金回帰の流れ。Reuters - 国際会議・IMF・G20と為替・資金繰り圧力
ワシントンでIMF/世界銀行年次総会が開かれ、G20の財務相・中央銀行総裁も集結。財政・通貨政策の国際協調動向が注目され、全体的な資金繰り環境に影響を及ぼす材料として意識されました。tradingview.com - Pernod Ricard、米中需要悪化で売上減
世界的酒類メーカーのPernod Ricard が第1四半期の中国・米国市場での売上低迷を発表。消費の先行き不透明感が強まり、消費・小売関連銘柄への重し要因となりました。Reuters
原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き
- WTI原油先物(57.48ドル、前日比-1.36%)
米エネルギー情報局(EIA)の週次在庫統計で原油在庫が予想を上回る増加となり、需給悪化懸念が強まりました。中東リスクによる供給不安よりも、世界景気の減速懸念が重視され、エネルギー株の下落要因となりました。 - 米10年債利回り(3.976%、前日比-0.07ポイント)
フィラデルフィア連銀指数の悪化などで景気減速懸念が高まり、長期金利は低下しました。FRB高官の「10月利下げ支持」発言もあり、債券買いが優勢に。金利低下はハイテク株を一定程度下支えしました。 - VIX指数(25.31、前日比+22.63%)
地銀不安や中東情勢緊迫化を背景に、投資家のリスク回避姿勢が強まりました。ボラティリティ(価格変動率)が急上昇し、VIXは1か月ぶり高水準を回復。株式市場全体で安全資産への逃避が見られました。 - 金先物(4,332.70ドル、前日比+3.12%)
FRBの利下げ観測とドル安を受け、安全資産の金が大幅に買われました。地政学的リスク再燃や米地銀信用不安も重なり、金価格は約2か月ぶりの高値圏に上昇しました。投資家心理の防衛的姿勢が鮮明です。

自分の米ドル建ポートフォリオ +0.51%(前日比)
前日比+0.51%と堅調に上昇しました。株式ETF(VOO、VYM、VIG、VGT)はそろって下落したものの、金ETFのGLDMが+2.29%と大幅上昇し、全体を下支えしました。金利低下と地政学リスクによる「金買い・株売り」の構図が鮮明で、流れに乗ることができました。

経済指標発表予定
下記の経済指標が発表される予定です。

主な決算発表予定
主要銘柄の決算発表が続きます。

おわりに
10月16日の米国市場は、景気減速懸念と地政学リスクが交錯し、主要3指数はいずれも下落しました。金融セクターの信用不安が再び意識される一方で、FRBの利下げ観測や金利低下が株式の下支え要因となりました。金先物は+3%超の急伸を見せ、安全資産としての存在感が一段と高まっています。今後もインフレや地政学的緊張が続く局面では、株式・債券に加えて金ETF(GLDMなど)をポートフォリオに一定割合組み入れることでリスク分散が期待できます。
投資は自己責任にてお願いします。成果や結果に一喜一憂せず、共に学び成長していければ嬉しいです。それでは、今日も一日明るく元気に笑顔で過ごしましょう。
おことわり
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図表のレファレンス
- S&P500ヒートマップ: finviz
- 主要3指数とドル円: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- セクター別騰落率: finviz
- 主なETF:FOX Business
- 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
- 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
- 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
- 自分の米ドル建ポートフォリオ: Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ