S&P500 ヒートマップ(高解像度)

3%以上上昇した主な銘柄

  • RIVN:Rivian Automotive Inc(Consumer Cyclical)+12.05%
    電気自動車(EV)の需要減速懸念が後退し、コスト削減策と生産効率改善への期待が再評価されたことが株価上昇の主因。資金繰り不安が後退したとの見方や、将来モデルの収益性改善観測も追い風となり、ショートカバー(空売りの買い戻し)を伴って上昇が加速した展開

3%以上下落した主な銘柄

  • FRMI:Fermi Inc(Real Estate)-34.03%
    REIT市場全体の調整に加え、資金調達環境の悪化懸念が強まり急落。金利高止まりによる不動産評価額の低下や配当持続性への不安が意識され、流動性の低さも重なって投げ売り的な売却が集中した展開
  • AVGO:Broadcom Inc(Technology)-11.43%
    AI関連売上は堅調とされる一方、半導体事業の利益率低下懸念や先行投資負担が意識され大幅安。高水準の株価評価に対する警戒感が強まり、AI関連銘柄全体の調整を主導する形となった値動き
  • VRT:Vertiv Holdings Co(Industrials)-9.73%
    データセンター向け電源・冷却需要は中長期で強いものの、短期的な受注減速懸念と高バリュエーションへの警戒から売りが優勢。AIインフラ関連の過熱感調整の流れに巻き込まれた展開
  • MU:Micron Technology Inc(Technology)-6.72%
    メモリ市況回復期待は残るものの、半導体セクター全体の利益確定売りが波及。AI需要の恩恵はある一方、価格変動の大きいDRAM市況への慎重姿勢が再び意識された相場状況
  • CRCL:Circle Internet Group Inc(Financial)-5.76%
    暗号資産市場の変動性拡大を背景に、関連銘柄として売りが先行。規制動向への不透明感や収益モデルの持続性に対する警戒が再燃し、短期資金の流出が株価下落を加速させた動き
  • AMD:Advanced Micro Devices Inc(Technology)-4.81%
    AI向け半導体への期待は根強いものの、競争激化と利益率への懸念から売り優勢。NVIDIA主導のAI相場に対する相対的な出遅れ感も意識され、ハイテク調整局面で下落幅が拡大
  • GEV:GE Vernova Inc(Industrials)-4.61%
    電力インフラ需要の中長期成長期待は維持されるも、直近の急騰後の利益確定売りが集中。再生可能エネルギー関連投資のタイミング不透明感もあり、短期的な調整色が強まった展開
  • ORCL:Oracle Corp(Technology)-4.47%
    クラウド・AI関連の成長期待はあるものの、大型投資に伴うコスト増と収益性への懸念が再燃。データセンター投資負担が意識され、ハイテク株全体の調整局面で売りが優勢となった動き
  • NVDA:NVIDIA Corp(Technology)-3.27%
    AI半導体の圧倒的需要を背景に高値圏で推移してきたが、過熱感への警戒から利益確定売りが優勢。金利高止まり局面で成長株への感応度が高く、指数下落とともに調整が進んだ相場
  • HOOD:Robinhood Markets Inc(Financial)-3.14%
    株式・暗号資産市場の不安定化を受け、個人投資家取引の減速懸念が浮上。手数料収入や取引高の先行き不透明感が意識され、フィンテック関連銘柄として売りに押された値動き

セクター別騰落率

  • Technology(先端技術) -2.91%
    主要セクターで最大の下落率となり、AI・半導体関連の利益確定売りが集中。高バリュエーション銘柄への警戒感と金利動向への感応度の高さが重なり、調整色が強まった展開
  • Industrials(工業・産業) -1.01%
    景気敏感株が売られ、設備投資やインフラ需要の先行き不透明感が意識された動き。米長期金利の高止まりにより、資本集約型企業の収益見通しに慎重姿勢が広がった影響

主要3指数の動き

  • S&P500(6,827.41、前日比-1.07%)
    ハイテク主導で売りが優勢となり、指数は反落。AI関連株の一角で利益確定売りが広がり、半導体やクラウド関連が指数を押し下げた展開。長期金利の高止まりとFRBの利下げ時期を巡る不透明感も重石となり、バリュエーション(株価評価)調整の動きが目立った一日
  • Dow30(48,458.05、前日比-0.51%)
    ディフェンシブ株が相対的に下支えするも、指数は続落。景気敏感株や金融株の一部に売りが出て、上値の重さが意識された相場。米景気の底堅さは評価される一方、企業決算への慎重姿勢が残り、積極的なリスク選好には至らない様子が反映された値動き
  • NASDAQ(23,195.17、前日比-1.69%)
    主要指数の中で下落率が最も大きく、成長株中心に調整色が強まった展開。AI・半導体関連の高値警戒感に加え、金利水準への感応度が高い銘柄に売りが集中。短期的な過熱感解消とポジション調整が進みやすい地合いを示す動き

ドル円の動き

ドル円は155円台後半へ上昇し、ドル高基調が継続。米長期金利の高止まりと、FRBが当面は利下げを急がないとの見方がドル買いを支える構図。日銀の金融政策正常化は段階的との観測が強く、日米金利差を意識した円売りが優勢となった為替動向

原油先物・米10年国債利回り・VIX・金先物の動き

  • 原油先物
    WTI原油先物は57ドル台で小幅安となり、需給緩和観測が上値を抑える展開。米国の増産基調と在庫積み上がりへの警戒が意識される一方、中東情勢など地政学リスクが下値を支え、大きな方向感を欠く落ち着いた値動き
  • 米10年国債利回り
    米10年国債利回りは4.19%台へ上昇し、長期金利の高止まりを示す動き。インフレ鈍化は進むものの、FRBが利下げを急がないとの見方が強く、債券売りが優勢となり株式のバリュエーション調整を意識させる水準
  • VIX指数
    VIX指数は15台後半へ上昇し、市場の警戒感がやや強まった状況。米株の下落やハイテク株の調整を受け、短期的な不確実性が意識された結果で、急激なリスク回避ではないものの慎重姿勢が広がる局面
  • 金先物
    金先物は4,300ドル台へ上昇し、安全資産需要の底堅さを示す展開。米長期金利上昇にもかかわらず、株式市場の不安定化や金融政策の先行き不透明感が意識され、分散投資先としての金の魅力が再評価された動き

私の米ドル建ポートフォリオ -1.11%(前日比)

私のポートフォリオは前日比で-1.11%となり、主に先端技術ETFであるVGTの下落が全体を押し下げました。米長期金利の上昇とAI関連株の調整が重なり、ハイテク比率の高い構成が短期的に不利となった一日でした。一方で、金ETFのGLDMは上昇し、株式下落時のクッションとして機能しました。高配当や増配型ETFも軟調でしたが、全体としては想定内の変動であり、分散効果は維持されていると感じています。

経済指標発表 結果

  • ベーカー・ヒューズ社の米国リグ・カウント
    米国の稼働リグ数は414基と前週比で微増し、シェールオイル・ガス開発が底堅く継続していることを示唆。原油価格が高値圏で推移する中、生産調整よりも現状維持を優先する企業姿勢が反映され、エネルギー供給面での大きな逼迫は回避されやすい環境を示す結果
  • ベーカー・ヒューズ社発表の米国石油採掘リグ稼働数
    石油リグは548基とほぼ横ばいで、前週から小幅減少。原油価格の変動や資本規律(投資を抑制する経営姿勢)を意識しつつも、生産水準は安定しており、短期的には原油供給の急減や急増につながりにくい落ち着いた状況を示す指標
  • CFTC原油の投機的ネットポジション
    投機筋の原油ロング(買い持ち)ポジションは69,200枚と減少し、原油価格上昇への強気姿勢がやや後退。中東情勢などの地政学リスクは意識されるものの、需給の先行き不透明感から短期筋が利益確定を進めたことを示唆する内容
  • 米国商品先物取引委員会(CFTC)金の投機的ネットポジション
    金の投機的ネットロングは210,300枚と増加し、安全資産需要の根強さを反映。インフレ動向や金融政策の先行き不透明感が続く中で、株式市場の変動に対するヘッジ(リスク回避手段)として金が選好されている状況
  • 米国商品先物取引委員会 Nasdaq100投機的ネットポジション
    Nasdaq100の投機的ネットロングは46,400枚と減少し、ハイテク株への強気姿勢がやや後退。AI関連銘柄の高値警戒感や金利見通しの不確実性が意識され、成長株へのポジション調整が進んだことを示すデータ
  • 米国商品先物取引委員会 S&P500投機的ネットポジション
    S&P500の投機的ネットポジションはマイナス147,400枚と依然ショート超(売り越し)。指数全体に対する慎重姿勢が続いており、利下げ期待と景気減速懸念が交錯する中で、株式市場全体に対する方向感の定まらなさを示す結果

主要銘柄の決算発表結果

主要銘柄の決算発表はありませんでした。

主な経済ニュース

  • AI関連株の調整拡大、Broadcomの採算懸念が引き金
    AI向け売上は強い一方で、AIシステム販売の利益率(もうけの出やすさ)低下を示唆し、半導体・大型テックに売り波及、指数の上値を重くした展開(Reuters:12/12、WSJ:12/12、FT:12/12)
  • Oracleのデータセンター遅延報道を否定、投資負担への警戒継続
    OpenAI関連データセンターの遅れ報道で株価が動揺後、同社は節目は計画通りと反論するも、巨額投資・負債増への市場の目線は厳しくAI投資回収への疑念が残る局面(Reuters:12/12、FT:12/12)
  • Nvidiaの対中H200増産検討、需要強さと規制リスクの綱引き
    対中輸出が関税付きで容認されたH200に中国企業の発注意欲が強く、増産検討が報道される一方、当局承認や国内半導体優遇策など不確実性が上値とボラティリティ(価格変動の大きさ)を左右(Reuters:12/12)
  • 「AIバブル」警戒でも台湾株は強含み、供給網への資金流入
    AI関連の一時的な売りが出ても、Nvidia・Google向け需要を手掛かりに半導体供給網の期待が優勢となり、地域市場のリスク選好(リスクを取りに行く姿勢)が底堅い構図(Reuters:12/12)
  • 大麻関連株が急騰、連邦規制緩和観測でテーマ資金が回帰
    大麻の分類見直し(規制強度の変更)観測を受け、関連株やETFが大幅高となり、政策ニュースが個別テーマの短期需給を強く動かす典型例となった一日(Reuters:12/12)
  • LululemonのCEO交代観測、米国事業の立て直し期待で買い
    CEO退任予定が伝わり「戦略リセット」期待が強まり株価が反発、競争激化と値引き増の逆風の中で、商品力回帰と若年層需要の取り込みが焦点となる局面(Reuters:12/12)
  • FRB内の温度差が再浮上、インフレ高止まり警戒が市場の芯
    利下げに反対した地区連銀総裁が「インフレが熱い」と明言し、金融政策はなお引き締め的であるべきとの主張が注目、金利見通しのブレが株式のバリュエーション(株価の割高・割安評価)を揺らす材料(Reuters:12/12)
  • 「データ不足」への警戒、先行き判断を難しくする地合い
    投資家が景気の手掛かりとなる指標の空白や遅延を意識し、企業業績と金融政策の見立てがぶれやすい環境、ポジション調整が入りやすい週末要因も重なった展開(Reuters:12/12)
  • 米国株ファンドに資金流入、利下げ局面で押し目買い優勢
    数週間ぶりに米国株ファンドが純流入となり、金融環境の緩和期待がリスク資産に資金を呼び戻す一方、AI周辺の過熱懸念がセクター間ローテーション(業種の資金移動)を促す構図(Reuters:12/12)
  • 欧州株が「AI不安」で反落、米国発テーマが世界市場へ伝播
    米国テックの値動きが欧州株にも波及し、AI投資の採算・過熱への疑念がリスク回避を誘発、地域をまたいだ相関上昇(同じ方向に動きやすい状態)が意識された局面(Reuters:12/12)

今週の動き

  • 1週間の個別銘柄ヒートマップの動き
    週後半にかけて米長期金利の上昇とAI関連株の高値警戒感が強まり、半導体やメガテックを中心に調整色が鮮明となった一週間。NVDA、AVGO、GOOGL、METAなど指数寄与度の高い銘柄が下落し、ハイテク主導で全体の地合いを押し下げた一方、金融株や素材株の一部には資金が向かい、金利高や景気底堅さを織り込む選別的な物色が進んだ相場状況
  • 1週間のセクター別騰落率の動き
    週間では素材、金融、工業・産業が上昇し、テクノロジーと通信サービスが大きく下落する二極化した展開。インフレ沈静化の進展と利下げ時期を巡る不透明感から、割高感のある成長株が調整局面に入り、相対的にバリュエーションの低い景気敏感・資源関連へ資金がシフト。金利高止まりとAI投資の採算意識が、セクターローテーションを加速させた一週間

経済指標発表予定

以下の経済指標が発表される予定です。

主要銘柄の決算発表予定

12/15は、主要銘柄の決算発表予定がありません。

おわりに

本日の米国株式市場は、AI関連株を中心とした調整が指数全体を押し下げる一方、金融や素材など一部セクターでは資金流入が見られ、選別色の強い相場となりました。経済ニュースでは金利高止まりと金融政策の先行き不透明感が意識され、企業・技術面ではAI投資の採算性や成長の持続性が改めて問われています。また、地政学的リスクは依然として市場の下支え・上値抑制の両面で影響を与えています。

短期的な値動きは不安定ですが、こうした局面こそ冷静に全体像を捉え、長期視点で資産形成を考えることが重要だと感じます。日毎の成果や結果に一喜一憂せず、長期投資を目指して共に学び成長していければ嬉しいです。

それでは、週末を明るく元気に笑顔で過ごしましょう。

おことわり

投資は自己責任にてお願いします。
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図表のレファレンス

  • S&P500ヒートマップ: finviz
  • 主要3指数とドル円:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • セクター別騰落率: finviz
  • 経済指標結果/予定: investing.com日本語版
  • 決算発表結果/予定: investing.com日本語版
  • 主要指数の動き : Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ
  • 自分の米ドル建ポートフォリオ:  Yahoo!Finance米国版 をカスタマイズ

ABOUT ME
Muroi Kazuo
1959年2月生まれ 米国株、日本株、J-REITでFIRE達成しています。 米国株投資については、みなさんと情報共有したいと思っています。
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